397 / 411
蜜月
先輩の反省
しおりを挟む
「……マジかよ」
しっかり平常モードに戻ると、先輩は体の硬直を解いて、軽く息を吐きながら目を開けた。
「今日はちゃんと反省する。お前には迷惑かけっぱなしだけどな、付き合ってくれないか?」
先輩は困ったように笑い、オレの手から完全に萎えたちんこを取り上げる。完全にコントロールされた欲望を目の当たりにして、オレのヤル気もしっかり水を刺されてしまった。
「帰る」
ここまで真正面から拒否されて、文句の一つや二つや三つ、いやそれ以上に言いたい事は山のようにあったが、今の先輩には隙が見出せず、徒労に終わりそうだったので諦める。もちろん面白い状況ではないので、無愛想に一言だけ告げて立ち上がった。
「帰るな」
すると問答無用で腕を掴まれ、体が反応する前に後ろへ引っ張られた。尻餅をついた先はオレの腕を引っ張った奴の上で、数秒前は冷静に却下出来た事が溢れ出す。
「ついさっき今日はやらねぇって言ったよな!」
自分でも予想以上の大声になってしまったのだが、そのせいで先輩は慌ててオレの口に手を当て塞ぎ、扉の方を視線で指しながら『静かにしろ』と小声で指図してきやがった。
「せっかく来たのになんで帰るんだ」
不思議そうに聞くので、気持ちが収まらずその手に噛みついてやったのだが、先輩は痛がりもせず、オレが落ち着くのを待つようにじっとこちらを見つめてきた。
「オレは野生動物か」
馬鹿らしくなり大人しく手のひらを解放し、先輩の上でくつろぐ。
「もしかして、嫌なのか? 俺と一緒に過ごすの」
不安そうな声に「嫌な訳ないだろ」と素っ気なく返すと、戸惑うように抱きすくめてきたので、オレも腕を軽く抱いてやった。「ん」と小さく安堵するように相槌を打つ先輩を想う。
「先輩って頑固だよね」
呆れた声で呟くと「そうか?」と再度、不思議そうに首を傾げられてしまった。
多少なりともイライラしたので、すぐに眠気はやって来なかった。オレが予定していた補習の予定はキャンセルされてしまったが、眠くなるまでぼんやり天井を眺めて過ごすには時間がもったいないと思い、先輩の補習の進捗を見る事にした。
普段の状態を知っているので、ここ数日の出来は実に酷いものだったが、自主的に始めた復習の内容をそばで見ている限り、しっかり心は入れ替えられていた。小吉さんたちの部屋を間借りしてでも、オレの事を待ち伏せしたかった心境は穏やかなモノじゃあなかったのだろう。乱れまくった心が少しでも落ち着いたなら(オレのちっぽけなプライドは少々傷ついたが)良しとしよう。
「今週中には終わりそうだ」
嬉しそうに報告してくれる先輩の頭を撫でてやると、ちょっとムッとした顔をしたが大人しく良い子にしていたので、オレのプライドの補修も完了した。
そうなると、オレの方も本気でどう伝えるか考えなければならない。先輩の名前の由来……やっぱり呉須のマンガを見せて元ネタを知って貰うしかないか。また不思議そうに首を傾げられてしまう気がするが、どうしたものか悩ましかった。
しっかり平常モードに戻ると、先輩は体の硬直を解いて、軽く息を吐きながら目を開けた。
「今日はちゃんと反省する。お前には迷惑かけっぱなしだけどな、付き合ってくれないか?」
先輩は困ったように笑い、オレの手から完全に萎えたちんこを取り上げる。完全にコントロールされた欲望を目の当たりにして、オレのヤル気もしっかり水を刺されてしまった。
「帰る」
ここまで真正面から拒否されて、文句の一つや二つや三つ、いやそれ以上に言いたい事は山のようにあったが、今の先輩には隙が見出せず、徒労に終わりそうだったので諦める。もちろん面白い状況ではないので、無愛想に一言だけ告げて立ち上がった。
「帰るな」
すると問答無用で腕を掴まれ、体が反応する前に後ろへ引っ張られた。尻餅をついた先はオレの腕を引っ張った奴の上で、数秒前は冷静に却下出来た事が溢れ出す。
「ついさっき今日はやらねぇって言ったよな!」
自分でも予想以上の大声になってしまったのだが、そのせいで先輩は慌ててオレの口に手を当て塞ぎ、扉の方を視線で指しながら『静かにしろ』と小声で指図してきやがった。
「せっかく来たのになんで帰るんだ」
不思議そうに聞くので、気持ちが収まらずその手に噛みついてやったのだが、先輩は痛がりもせず、オレが落ち着くのを待つようにじっとこちらを見つめてきた。
「オレは野生動物か」
馬鹿らしくなり大人しく手のひらを解放し、先輩の上でくつろぐ。
「もしかして、嫌なのか? 俺と一緒に過ごすの」
不安そうな声に「嫌な訳ないだろ」と素っ気なく返すと、戸惑うように抱きすくめてきたので、オレも腕を軽く抱いてやった。「ん」と小さく安堵するように相槌を打つ先輩を想う。
「先輩って頑固だよね」
呆れた声で呟くと「そうか?」と再度、不思議そうに首を傾げられてしまった。
多少なりともイライラしたので、すぐに眠気はやって来なかった。オレが予定していた補習の予定はキャンセルされてしまったが、眠くなるまでぼんやり天井を眺めて過ごすには時間がもったいないと思い、先輩の補習の進捗を見る事にした。
普段の状態を知っているので、ここ数日の出来は実に酷いものだったが、自主的に始めた復習の内容をそばで見ている限り、しっかり心は入れ替えられていた。小吉さんたちの部屋を間借りしてでも、オレの事を待ち伏せしたかった心境は穏やかなモノじゃあなかったのだろう。乱れまくった心が少しでも落ち着いたなら(オレのちっぽけなプライドは少々傷ついたが)良しとしよう。
「今週中には終わりそうだ」
嬉しそうに報告してくれる先輩の頭を撫でてやると、ちょっとムッとした顔をしたが大人しく良い子にしていたので、オレのプライドの補修も完了した。
そうなると、オレの方も本気でどう伝えるか考えなければならない。先輩の名前の由来……やっぱり呉須のマンガを見せて元ネタを知って貰うしかないか。また不思議そうに首を傾げられてしまう気がするが、どうしたものか悩ましかった。
0
あなたにおすすめの小説
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
狂わせたのは君なのに
一寸光陰
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。
完結保証
番外編あり
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる