転生令嬢の幸福論

はなッぱち

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第一章 

復讐を誓ってやりました。

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 探偵さんから報告書を受け取った後、私は一月ほど寝込みました。

 聖女と呼ばれるフィアという女性の経歴を見てショックを受け、その上エイダンと彼女のゴシップ記事が立て続けに新聞に載り、私を打ちのめしたのです。

 聖職者であるフィア嬢は、隣国への援軍に召集された医療班の一員だそうで、新聞によれば、道中、援軍を察した魔王が使わせた魔獣によって、フィア嬢たちは襲撃されました。そこへ我が婚約者であるエイダンが、自称勇者ご一行が助っ人に入り、魔獣を打ち倒したそうでございます。

 そこで元から持ち合わせていらっしゃったのか存じませんが、奇跡の力とやらでエイダンの傷を癒やし、何故か本来の仕事を放棄して、彼らと共に魔王討伐の旅に同行する事になってしまったのです。

 傷の治療をして下さる方が同行するのは、彼の健康を思えばありがたいことだと、私も必死で思い込もうとしました。

 しかし、報告書にあった彼女の写真を見て、全てを悟ったのでございます。

 聖女フィアは全身を女という凶器で武装した、正に兵器だったのです。

 神話の女神様が顕現されたのかと思うほどに目映い美貌。

 同じ女性として比較すら出来ない扇情的な肉体。

 特に胸元などは豊満すぎて、私のような慎ましい胸元の人間が直視すれば、目が潰れてしまうのではないかと思うほど、立派な物をお持ちなのです。

 それを布地の非常に少ないお洋服で隠しておいでなのですから、本当に一体何を討伐に行くおつもりですの、と問いただしてやりたい気持ちで一杯です。

 ええ、ええ、見事に私の婚約者を討伐されましたよ。きっと骨抜きでしょう。あの胸元を目の前にしたら、きっと私だって拝んでしまうでしょうからね。エイダンを責めることは出来ません。

「聖女様……私が必ず、呪い殺してやりますとも」

 フッフッフ。落ち込んでいた気持ちが、盛り上がって参りました。

 景気づけに報告書に挟んであった写真を握り潰してやります。実に爽快です。
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