『高校生活』

篠崎俊樹

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第13話。

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 家族でも何でもないと思うにつれ、僕は、憲一とはもういいと思うようになった。どうせ、糖尿病で血糖値も悪いし、ずっと引きこもって、テレビを見るか、適当に過ごすか、どちらかだ。はっきり言って、投げていた。何と言うか、もう、お互い、別の道を行っているのだ。僕の高校生活のことを書くつもりが、脱線して、こっちのほうのことを書いたけど、僕は鬼父に関しては、もう一切投げたと思っている。何もない。あの人間には。そう思っていた。現に、僕が深夜などに原稿を書く時間、憲一は、グーグー寝ている。僕は、適当に原稿を書けば、後は、住んでいる町をツーリングなどをして、過ごす。鬼父のことはどうだってよかった。また、そう思える。訪問看護の看護師を、会わせたくないのも、僕が決定的に、父のことが嫌で、嫌いだからだ。抑圧と、受けた屈辱――、決して忘れたくはない。(以下次号)        
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