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第12話。
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二日後。高田馬場は、土曜日とあってか、大勢の人で賑わっていた。繁華街だから、昼間も混雑する。辺りは、人の渦だ。ここには、人間が多数いる。実際、あまりに人が多いので、人酔いして、参ってしまうのだ。
午後二時、甘利健吾の街宣車が街頭に出て、道のど真ん中で、突如として演説を始めた。車の周りには、多数の党員や党友がいて、代議士を囲んでいる。守られているのは、間違いない。また、ここは、大都会だ。昼間だと、傍聴人は多い。甘利はマイクを握ると、演説をぶち上げ始めた。
民慈党国防族のタカ派議員で、派閥の領袖でもある人間だから、きわどい自衛隊論者だ。国防オタクだった。この人間は、喰えない。実際、やっていることは滅茶苦茶で、半端ない。また、誰も擁護する人間はいない。汚いことをして回る輩だ。
国会ではいつも、野党の社会自由党や共派党を敵に回す、爆弾演説が得意で、内外に敵が多い。元々、裏で動く人間だった。ゲリラ的な行動が得手で、演説となると、突如出てきて、いきなりぶち上げ始める。正直なところ、敵も多い。また、野党も一貫して、甘利に対しては、議員辞職勧告案を提出するなど、元々、評判は悪い人間なのだ。
その日も、持論の改憲論や自衛隊論、福祉政策、経済問題などにスポットを当てて、持ち前の演説力で、遺憾なく喋り続けた。ただ、中身があるものとは言えない。上滑りだ。適当で、いい加減で、何もない演説だった。実際、バカバカしいとしか言いようがない。また、こういった演説は、やるだけ無駄なのだが、実際、やっている。聴衆もいるにはいたが、呆れているようだった。
物陰に潜んだジミーの、左腕の腕時計が、午後二時四十八分を差している。もうすぐ、演説終了時刻だ。統合失調症の人間は、実際、時間に関して、正確だった。また、無駄を嫌う。懐には、例のハンドナイフを忍ばせている。十分研いでいた。切れ味は鋭くなっている。
タカが渡した資料によると、午後三時に、甘利はいったんSPを外すらしい。こんな大都会で、無差別テロなどもありな時代なのに、無用心であること、この上ない。それだけ、能がないということだ。また、甘利自体、つまらない政治家なのだし、自分の命が危ないとも思ってないらしい。
目の前の高層ビルに設置されていた、大型のアナログ時計の二本の針が、直角になる。ちょうど午後三時だ。今行けば、街宣車を降りた直後に、刺し殺せる。ジミーはそう踏んだ。確かな見方だ。
街宣カーを降りた甘利が、車両の裏手へと回る。今だ、と思い、作戦通り、狭い通路に待ち伏せして、背後へと回ったジミーが、手持ちのハンドナイフを彼の腹背部に、思いっきり突き立てた。そして、ナイフの刃で刺した部分周辺の肉を、ザックリと抉った。どす黒い血が、どっと溢れ出る。ほぼ、即死したも同然だった。一突きで、止めがさせた。これでよしと、ジミーが踏む。
「おい、何やってんだ、お前?」
背後から、声が聞こえた。甘利の取り巻きだ。どうやら、勘付かれたようである。まずいし、このままだと、捕まってしまう。ここは、逃げるしかない。そう思って、走り始めた。
その時、ヘマをやってしまった。大失態だ。取り返しのつかないものだった。凶器を現場に置き忘れてきたのだ。しかも、甘利の血痕のみが付着しただけならまだしも、刃先でいくらか指先を切り、自分の血液も少し付着していた。これだと、DNA鑑定で、身元がバレてしまう。拾わないといけないと思ったが、遅かった。すでに、スーツを着た甘利事務所の党員や、警察官が、ジミーを追い始めている。これだと、戻れば、間違いなく、捕まってしまう。取り返しがつかないことだった。
逃げながら、失態を犯したことを、絶望するしかなかった。だが、どうしようもないのだ。今行けば、袋のネズミである。たちどころに捕まってしまう。
凶器はすでに、現場に到着した刑事によって、回収されている。科捜研へと回されれば、血液鑑定ぐらい、簡単だ。これで、身元は割れる。ヤバいのだが、戻ることなどできない。作戦は水泡と化した。パーだ。
今は逃げるしかない。しかも、できるだけ、遠くへと逃げたい。これが、最善の策だ。そう思った。実際、難しいことはない。ただ、必死で、ランニングするだけだった。
「待て、この野郎!」
追っ手が、次々に迫ってくる。すぐに、大人数になった。政治家の護衛などは、ヤクザまがいの連中ばかりだ。実際、この連中も、裏堅気だ。
すぐに近くの廃屋へと入り、見つからないように、階段を駆け上がって、階数を稼ぐ。これしかない。実際、こうすれば、見つからずに済む。それに、ここなら誰も来ない。
すると、背後に、タカが立っていた。いつの間に、ここに来ていたのか?そう思う。実際、ここは、容易に、人が来るような場所じゃない。
荒い息を少しだけ鎮めたジミーに、タカがひょいと何かを投げ渡す。何かと思えば、拳銃だった。一丁あり、弾丸がフルに装填してある。安全装置を外せば、撃てる代物だった。それに、これだと、殺傷は十分可能である。
「とっとけ!役に立つかもな」とタカが言って、ハハハと乾いた笑い声を上げた。裏堅気の持ち物だ。どこで入手するのか分からないが、これだと、殺傷は可能で、尚且つ、人を葬るぐらい、簡単だ。
「三件目行くぞ!」
タカは、感情を隠さない。この男の不気味さは、何事も、隠密で考えて、実行していくことだ。実際、恐ろしい。裏の仕事は、表のそれとは、逆だ。また、裏であることに相違はない。どうやら、この仕事に、終わりはないようだ。憎しみは、殺人でしか購えないと思っている節がある。また、後戻りはできない。自首しても、極刑が待っている。実際、恐怖で、ジミーの両手は、手先が、痙攣し始めた。顔も強張って、引き攣る。
彼が言う。
「自首するぞ。犯した罪を、償いたい」
「馬鹿なこと、言うんじゃねえよ」
どこまでもタカは強気だ。ダメを押すように、言った。実際、ダメ押しだ。
「これは復讐だ!いいな?」
言葉はわずかだが、それに、生気がみなぎっている。実際、頬は紅潮し、血色がよくなってきた。そして、次の瞬間、手を口に当てて、何かを飲み込もうとしている。クスリだ。興奮すれば、ドラッグで誤魔化す。これが、この男の慰み方だ。全く稚拙である。また、どうしようもない。そして、一人舞い上がった。鮮やかな幻覚と、乱舞する妄想や快楽に突き動かされながら、だ。
ゆっくりと呼吸し始めた。落ち着いたな、と分かる。薬物で、心を鎮めるところがすごい。また、ジミーにも、分からない。違法なドラッグと、病院で処方される統合失調症治療薬は、全く違うからだ。もちろん、ジミーも、精神系の薬を服用しているから、酒は厳禁なのだが、普段、飲むことはある。
ここから逃走するには、どうすればいいのか?迷う。逃走経路はどこだ?そう考え続ける。目の前のビルに向かうには、細長いスロープが一本あるだけで、後は何もない。
ヤク中のタカは、スロープを渡れないが、置いていくわけにはいかないから、どうにかして運ばなければいけない。下には、格好の車輌が一台、停めてあった。これを使おう。これに乗せて、運べば、大丈夫だ。
すぐにタカを背負って、一階までの階段をゆっくりと降り、車輌に乗っかる。そして、運転席に入った。助手席にタカを乗せ、差し込まれていたキーを回すと、アクセルを踏み込んで、ハンドルを切り、車を動かす。
「あ、あの車だ!」
気付かれた。すぐに、運転し始める。新宿中央署の警察官が、パトカーに乗って、追跡し出した。瞬時に、無線で、他車輌へと、情報を送る。無線は、昔ながらだ。警察の追尾車両には、今でも、搭載されている。二〇二二年となっても、変わらない。
「こちら一号車輌、一号車輌。ただ今、被疑者グループ二人組が、グレイのシビックにて、早稲田方面へ逃走中。至急、付近道路の封鎖を願いたい」
無線が飛ぶと、無線先から応答があり、これで、二つの車両はカーチェイスを始めた。東京の街を、二台の車両が並走しながら、一方で、警察の応援車両も、合流する手はずだ。ジミーたちは、包囲されたも同然だった。逃れようがない。
二日後。高田馬場は、土曜日とあってか、大勢の人で賑わっていた。繁華街だから、昼間も混雑する。辺りは、人の渦だ。ここには、人間が多数いる。実際、あまりに人が多いので、人酔いして、参ってしまうのだ。
午後二時、甘利健吾の街宣車が街頭に出て、道のど真ん中で、突如として演説を始めた。車の周りには、多数の党員や党友がいて、代議士を囲んでいる。守られているのは、間違いない。また、ここは、大都会だ。昼間だと、傍聴人は多い。甘利はマイクを握ると、演説をぶち上げ始めた。
民慈党国防族のタカ派議員で、派閥の領袖でもある人間だから、きわどい自衛隊論者だ。国防オタクだった。この人間は、喰えない。実際、やっていることは滅茶苦茶で、半端ない。また、誰も擁護する人間はいない。汚いことをして回る輩だ。
国会ではいつも、野党の社会自由党や共派党を敵に回す、爆弾演説が得意で、内外に敵が多い。元々、裏で動く人間だった。ゲリラ的な行動が得手で、演説となると、突如出てきて、いきなりぶち上げ始める。正直なところ、敵も多い。また、野党も一貫して、甘利に対しては、議員辞職勧告案を提出するなど、元々、評判は悪い人間なのだ。
その日も、持論の改憲論や自衛隊論、福祉政策、経済問題などにスポットを当てて、持ち前の演説力で、遺憾なく喋り続けた。ただ、中身があるものとは言えない。上滑りだ。適当で、いい加減で、何もない演説だった。実際、バカバカしいとしか言いようがない。また、こういった演説は、やるだけ無駄なのだが、実際、やっている。聴衆もいるにはいたが、呆れているようだった。
物陰に潜んだジミーの、左腕の腕時計が、午後二時四十八分を差している。もうすぐ、演説終了時刻だ。統合失調症の人間は、実際、時間に関して、正確だった。また、無駄を嫌う。懐には、例のハンドナイフを忍ばせている。十分研いでいた。切れ味は鋭くなっている。
タカが渡した資料によると、午後三時に、甘利はいったんSPを外すらしい。こんな大都会で、無差別テロなどもありな時代なのに、無用心であること、この上ない。それだけ、能がないということだ。また、甘利自体、つまらない政治家なのだし、自分の命が危ないとも思ってないらしい。
目の前の高層ビルに設置されていた、大型のアナログ時計の二本の針が、直角になる。ちょうど午後三時だ。今行けば、街宣車を降りた直後に、刺し殺せる。ジミーはそう踏んだ。確かな見方だ。
街宣カーを降りた甘利が、車両の裏手へと回る。今だ、と思い、作戦通り、狭い通路に待ち伏せして、背後へと回ったジミーが、手持ちのハンドナイフを彼の腹背部に、思いっきり突き立てた。そして、ナイフの刃で刺した部分周辺の肉を、ザックリと抉った。どす黒い血が、どっと溢れ出る。ほぼ、即死したも同然だった。一突きで、止めがさせた。これでよしと、ジミーが踏む。
「おい、何やってんだ、お前?」
背後から、声が聞こえた。甘利の取り巻きだ。どうやら、勘付かれたようである。まずいし、このままだと、捕まってしまう。ここは、逃げるしかない。そう思って、走り始めた。
その時、ヘマをやってしまった。大失態だ。取り返しのつかないものだった。凶器を現場に置き忘れてきたのだ。しかも、甘利の血痕のみが付着しただけならまだしも、刃先でいくらか指先を切り、自分の血液も少し付着していた。これだと、DNA鑑定で、身元がバレてしまう。拾わないといけないと思ったが、遅かった。すでに、スーツを着た甘利事務所の党員や、警察官が、ジミーを追い始めている。これだと、戻れば、間違いなく、捕まってしまう。取り返しがつかないことだった。
逃げながら、失態を犯したことを、絶望するしかなかった。だが、どうしようもないのだ。今行けば、袋のネズミである。たちどころに捕まってしまう。
凶器はすでに、現場に到着した刑事によって、回収されている。科捜研へと回されれば、血液鑑定ぐらい、簡単だ。これで、身元は割れる。ヤバいのだが、戻ることなどできない。作戦は水泡と化した。パーだ。
今は逃げるしかない。しかも、できるだけ、遠くへと逃げたい。これが、最善の策だ。そう思った。実際、難しいことはない。ただ、必死で、ランニングするだけだった。
「待て、この野郎!」
追っ手が、次々に迫ってくる。すぐに、大人数になった。政治家の護衛などは、ヤクザまがいの連中ばかりだ。実際、この連中も、裏堅気だ。
すぐに近くの廃屋へと入り、見つからないように、階段を駆け上がって、階数を稼ぐ。これしかない。実際、こうすれば、見つからずに済む。それに、ここなら誰も来ない。
すると、背後に、タカが立っていた。いつの間に、ここに来ていたのか?そう思う。実際、ここは、容易に、人が来るような場所じゃない。
荒い息を少しだけ鎮めたジミーに、タカがひょいと何かを投げ渡す。何かと思えば、拳銃だった。一丁あり、弾丸がフルに装填してある。安全装置を外せば、撃てる代物だった。それに、これだと、殺傷は十分可能である。
「とっとけ!役に立つかもな」とタカが言って、ハハハと乾いた笑い声を上げた。裏堅気の持ち物だ。どこで入手するのか分からないが、これだと、殺傷は可能で、尚且つ、人を葬るぐらい、簡単だ。
「三件目行くぞ!」
タカは、感情を隠さない。この男の不気味さは、何事も、隠密で考えて、実行していくことだ。実際、恐ろしい。裏の仕事は、表のそれとは、逆だ。また、裏であることに相違はない。どうやら、この仕事に、終わりはないようだ。憎しみは、殺人でしか購えないと思っている節がある。また、後戻りはできない。自首しても、極刑が待っている。実際、恐怖で、ジミーの両手は、手先が、痙攣し始めた。顔も強張って、引き攣る。
彼が言う。
「自首するぞ。犯した罪を、償いたい」
「馬鹿なこと、言うんじゃねえよ」
どこまでもタカは強気だ。ダメを押すように、言った。実際、ダメ押しだ。
「これは復讐だ!いいな?」
言葉はわずかだが、それに、生気がみなぎっている。実際、頬は紅潮し、血色がよくなってきた。そして、次の瞬間、手を口に当てて、何かを飲み込もうとしている。クスリだ。興奮すれば、ドラッグで誤魔化す。これが、この男の慰み方だ。全く稚拙である。また、どうしようもない。そして、一人舞い上がった。鮮やかな幻覚と、乱舞する妄想や快楽に突き動かされながら、だ。
ゆっくりと呼吸し始めた。落ち着いたな、と分かる。薬物で、心を鎮めるところがすごい。また、ジミーにも、分からない。違法なドラッグと、病院で処方される統合失調症治療薬は、全く違うからだ。もちろん、ジミーも、精神系の薬を服用しているから、酒は厳禁なのだが、普段、飲むことはある。
ここから逃走するには、どうすればいいのか?迷う。逃走経路はどこだ?そう考え続ける。目の前のビルに向かうには、細長いスロープが一本あるだけで、後は何もない。
ヤク中のタカは、スロープを渡れないが、置いていくわけにはいかないから、どうにかして運ばなければいけない。下には、格好の車輌が一台、停めてあった。これを使おう。これに乗せて、運べば、大丈夫だ。
すぐにタカを背負って、一階までの階段をゆっくりと降り、車輌に乗っかる。そして、運転席に入った。助手席にタカを乗せ、差し込まれていたキーを回すと、アクセルを踏み込んで、ハンドルを切り、車を動かす。
「あ、あの車だ!」
気付かれた。すぐに、運転し始める。新宿中央署の警察官が、パトカーに乗って、追跡し出した。瞬時に、無線で、他車輌へと、情報を送る。無線は、昔ながらだ。警察の追尾車両には、今でも、搭載されている。二〇二二年となっても、変わらない。
「こちら一号車輌、一号車輌。ただ今、被疑者グループ二人組が、グレイのシビックにて、早稲田方面へ逃走中。至急、付近道路の封鎖を願いたい」
無線が飛ぶと、無線先から応答があり、これで、二つの車両はカーチェイスを始めた。東京の街を、二台の車両が並走しながら、一方で、警察の応援車両も、合流する手はずだ。ジミーたちは、包囲されたも同然だった。逃れようがない。
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