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第6話
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雷と雨が止んだ頃、保憲が帰って来た。
「ひどい土砂降りの雨でしたね」
濡れてしまった直衣を脱いで狩衣に着替える。
千尋は着替えを手伝いながら、昼間の一件の事を考えると、保憲の顔をまともに見ることが出来なかった。
「元気が無いようですが…」
保憲はいつもとは違う千尋のふさぎ込んだ様子が気になり声をかけた。
千尋は手を止めて顔を上げた。
保憲と視線が合うと目を泳がせる。
それを見た保憲は占いの道具を取り出すと、なにやら占いを立て始めた。
「なにかありました、ね」
ドキリと、千尋の心臓が跳ね上がる。
こういう時の保憲の占いは外れた試しがない。
「や…保憲様…ごめんなさい」
千尋は、うかつにも簀子縁でうたた寝をしたこと、誰か分からない殿方に起こされたことを事細かに説明した。
「桃花…午に勾陳が乗る、折しも雷雨にて、天風姤…」
『凶星、男女関係で少し荒れるかな…我欲に注意、と、そして、会ってしまった、か…』
保憲は呟いて、占いを読み解いてから、千尋の方に向き直る。
「そうですね…書物を大切にする気持ちは分かります…けれど、もう少し、ご自分も大切になさってください」
「ごめんなさい…」
再び謝って恐縮する。
保憲はじっと千尋を見つめた。
お互いに見鬼の才がある者同士。
相手の心の内もよく分かっている。
今は、千尋が心変わりすることも無ければ、保憲が千尋を疑うことも無いだろう。
ただ、
『あいつはどうだろうな…』
保憲は思う。
『先日の千尋の夢の話…千尋には思い出せないほど記憶が無い』
その位の思い出なのだ。
『しかし…この先、心が揺れることがあるかもしれぬな』
翌朝、保憲は屋敷の中で晴明と鉢合わせた。
父、忠行の部屋に行った帰りのようで、渡殿ですれ違いざま声をかけられた。
「忠行様から、そろそろ独り立ちとの話がありました」
「そうか、父上も私もお前の実力は、これからもっと伸びると思っているよ。私も負けられないな」
はははと軽快に笑う。
「少し気がかりな事もあり、すぐにはこの賀茂邸からは飛び立てませんけれど」
晴明は意味深そうに流し目を保憲に向ける。
保憲はその目線をまともに受け止めて真顔になる。
「気がかりな事?」
なんとなく予想はついていたが、促してみる。
晴明は睨みつけるような視線を向けながら続けた。
「昔助けたヒナ鳥の居所が分かりましてね、幸せであれと願っているのですよ」
「ヒナ鳥とな?」
晴明は保憲のしらばっくれたような物言いに少しイラっとする。
「こちらのお屋敷に住み着いたようで、昔のように泣いていなければいいのですが…」
「…」
保憲は持っている書物をぎゅっと握りしめた。
これらは、いつも千尋に置いていっている書物だった。
千尋は書物を前にすると目をきらきらと輝かせてくる、さらに、書物に関することの話を聞かせるとうっとりするような目で見つめてくる。
保憲もその表情を見る度に嬉しくもあり、心も温かくなってくるのだ。
「この賀茂邸にいれば、悲しむ事は無いだろうよ」
保憲がそう言った次の瞬間、晴明にいきなり直衣の肩を掴まれた。
睨みつける晴明の迫力に、持っていた書物を落としてしまう。
「絶対に袖を濡らすような事などは無きように」
晴明の勢いに負けじと保憲も睨み返す。
「肝に銘じておく」
それを聞いた晴明は手を離すと、いつもの静かな表情になり、ススッと足早に去って行った。
保憲は書物を拾い集めて自室に向かった。
部屋に入ると千尋が保憲を認めて破顔する。
「今日はね、この書物を置いていきますから」
保憲は書物を丁寧に重ねて、文机の上に置いていった。
その夜、千尋はまたあの夢を見た。
山の中で迷ってしゃがみこんで泣いていたところ、あの男の童子に出会った。
童子は何故か、祖父の護符を手に持っている。
「これを返したいんだ」
顔を上げてみると、一昨日の男と同じ顔があった。
「安倍の童子?」
夢では雨がシトシトと降っていた。
千尋はハッとして目を覚ました。
視線を感じて横を見やると、保憲と目が合った。
明け方、外から雨音が聞こえている。
「起きていらっしゃったんですか…」
「うなされていたから…」
保憲は千尋の頬に手を伸ばしてスッと涙を拭った。
「…また、同じ夢を見ました…でも、あの童子が祖父の護符を持っていて…顔が…一昨日の殿方でした…」
「そう…一昨日あなたが会った男はね、安倍の童子、今では安倍晴明と呼ばれている者…」
人が強く思えば、それは呪にもなっていくだろう。
それが慕う気持ちだとしたら?
そして、相手が自分の兄弟子の妻だとしたら?
『晴明はどう出るのか、そして、千尋はどうするのだろうか』
「安倍晴明…様?」
「私の弟弟子なのですよ」
保憲は昨日の晴明とのやり取りを思い出すと真剣な眼差しになり、千尋の目を見つめて呪をかけた。
その瞬間、千尋の記憶が蘇えった。
「…そういえば…あれは…十年前のことでした…」
千尋の思い出話とは、十年前に父と一緒に参詣した鞍馬寺の事だった。
十年前、千尋は九歳。
丁度その頃、鞍馬寺の参詣が流行りのようになっていた。
千尋は父が参詣しに行くというので、無理にせがんで連れて行ってもらったのだ。
天狗の伝承もある山なので、父は最初は反対していたが、可愛い娘の言う事に従って、一緒に参詣することを許してくれた。
千尋も亡き祖父の護符を持ち出して来て、子供らしく、天狗をやっつけてやるんだ~などとのたまっていた。
そして、鞍馬寺に参詣した後の事…
父が寺の僧侶と話をしているので、千尋は、寺の敷地内を散策していた。
ふと歩みを止めると、鞍馬山入口と書かれた板があった。
横を見ると上りの細い道が続いている。
ケラケラケラ…
不思議な音が千尋の耳に入ってきた。
まるで木を木で叩くような軽い音。
千尋は自然と体が動いて、誘われるように山の中に入っていった。
「まさか、天狗?」
『祖父のように私が天狗を調伏してやる』
祖父から貰った護符を片手に、音の鳴る方に踏み込んでいった。
気が付くと、奥深い山の中。
行けども行けども、木々ばかり…
千尋は怖くなってしゃがみこんだ。
涙が滲んでくる。
「こんなんじゃダメだ!」
私は陰陽師の孫なのだから、と、自分を奮い立たせ立ちあがる。
すると、
ガサガサガサ…
目の前の草が揺れている。
千尋は無意識に身を固くした。
しかし、目の前に現れたのは、自分と同じ年くらいの男の童子だった。
「誰? 天狗の子?」
祖父の護符を取り出して身構えるが、力が出ない。
千尋はペタリとしゃがみこんでしまった。
涙目になる。
そして、諦めの気持ちと怖さで、目を瞑った。
「大丈夫?」
童子が心配そうな顔で覗き込んできた。
千尋は目を開けると、
「あー、人だったあ、妖かと思っちゃったー」
袖で涙をぬぐいながら、安堵した。
童子はその場に腰を下ろすと、千尋が手にしている護符に視線を向けた。
「それ、陰陽師が使う霊符だよね? 誰から貰ったの?」
「え? 私の祖父からだよ」
「へえ、君の祖父は陰陽師なんだ」
「正確には、陰陽師だった…かな、今はもういないから…」
千尋はちょっと寂しそうな顔をして言う。
「そう…、実は私は陰陽師の卵なのです」
童子は恥ずかしそうに微笑んだ。
よくよく話を聞いてみると、童子はこの先の貴船で修行中だった。
ただ、自分の先の人生を考えると、陰陽師になるべきか悩み、修行から逃げ出してきたのだという。
千尋は童子の隣に座って、出会ったばかりの、見ず知らずの童子のはずなのに、陰陽師であった祖父の事を熱弁していた。
何故か話さなければならない気がして…
「私は女だから陰陽師にはなれない、だからあなたが羨ましい」
寂しそうに微笑んだ。
雨が降り始めた。
段々と気温が下がっていく。
二人は身を寄せて体を温め合った。
いつしか、千尋は眠ってしまった。
気が付いた時には、寺の宿坊にいた。
「気が付いて良かった」
父が微笑んでいる。
千尋は、山に続く寺の入口で倒れていたのだそうだ。
熱を出して二日ほど寝込んでいたという。
そこまで話をして、千尋は保憲の顔を見上げた。
「もしかして、あの童子は…安倍晴明様?」
保憲は目を細めると、一寸おいてから、コクリと頷いた。
「ひどい土砂降りの雨でしたね」
濡れてしまった直衣を脱いで狩衣に着替える。
千尋は着替えを手伝いながら、昼間の一件の事を考えると、保憲の顔をまともに見ることが出来なかった。
「元気が無いようですが…」
保憲はいつもとは違う千尋のふさぎ込んだ様子が気になり声をかけた。
千尋は手を止めて顔を上げた。
保憲と視線が合うと目を泳がせる。
それを見た保憲は占いの道具を取り出すと、なにやら占いを立て始めた。
「なにかありました、ね」
ドキリと、千尋の心臓が跳ね上がる。
こういう時の保憲の占いは外れた試しがない。
「や…保憲様…ごめんなさい」
千尋は、うかつにも簀子縁でうたた寝をしたこと、誰か分からない殿方に起こされたことを事細かに説明した。
「桃花…午に勾陳が乗る、折しも雷雨にて、天風姤…」
『凶星、男女関係で少し荒れるかな…我欲に注意、と、そして、会ってしまった、か…』
保憲は呟いて、占いを読み解いてから、千尋の方に向き直る。
「そうですね…書物を大切にする気持ちは分かります…けれど、もう少し、ご自分も大切になさってください」
「ごめんなさい…」
再び謝って恐縮する。
保憲はじっと千尋を見つめた。
お互いに見鬼の才がある者同士。
相手の心の内もよく分かっている。
今は、千尋が心変わりすることも無ければ、保憲が千尋を疑うことも無いだろう。
ただ、
『あいつはどうだろうな…』
保憲は思う。
『先日の千尋の夢の話…千尋には思い出せないほど記憶が無い』
その位の思い出なのだ。
『しかし…この先、心が揺れることがあるかもしれぬな』
翌朝、保憲は屋敷の中で晴明と鉢合わせた。
父、忠行の部屋に行った帰りのようで、渡殿ですれ違いざま声をかけられた。
「忠行様から、そろそろ独り立ちとの話がありました」
「そうか、父上も私もお前の実力は、これからもっと伸びると思っているよ。私も負けられないな」
はははと軽快に笑う。
「少し気がかりな事もあり、すぐにはこの賀茂邸からは飛び立てませんけれど」
晴明は意味深そうに流し目を保憲に向ける。
保憲はその目線をまともに受け止めて真顔になる。
「気がかりな事?」
なんとなく予想はついていたが、促してみる。
晴明は睨みつけるような視線を向けながら続けた。
「昔助けたヒナ鳥の居所が分かりましてね、幸せであれと願っているのですよ」
「ヒナ鳥とな?」
晴明は保憲のしらばっくれたような物言いに少しイラっとする。
「こちらのお屋敷に住み着いたようで、昔のように泣いていなければいいのですが…」
「…」
保憲は持っている書物をぎゅっと握りしめた。
これらは、いつも千尋に置いていっている書物だった。
千尋は書物を前にすると目をきらきらと輝かせてくる、さらに、書物に関することの話を聞かせるとうっとりするような目で見つめてくる。
保憲もその表情を見る度に嬉しくもあり、心も温かくなってくるのだ。
「この賀茂邸にいれば、悲しむ事は無いだろうよ」
保憲がそう言った次の瞬間、晴明にいきなり直衣の肩を掴まれた。
睨みつける晴明の迫力に、持っていた書物を落としてしまう。
「絶対に袖を濡らすような事などは無きように」
晴明の勢いに負けじと保憲も睨み返す。
「肝に銘じておく」
それを聞いた晴明は手を離すと、いつもの静かな表情になり、ススッと足早に去って行った。
保憲は書物を拾い集めて自室に向かった。
部屋に入ると千尋が保憲を認めて破顔する。
「今日はね、この書物を置いていきますから」
保憲は書物を丁寧に重ねて、文机の上に置いていった。
その夜、千尋はまたあの夢を見た。
山の中で迷ってしゃがみこんで泣いていたところ、あの男の童子に出会った。
童子は何故か、祖父の護符を手に持っている。
「これを返したいんだ」
顔を上げてみると、一昨日の男と同じ顔があった。
「安倍の童子?」
夢では雨がシトシトと降っていた。
千尋はハッとして目を覚ました。
視線を感じて横を見やると、保憲と目が合った。
明け方、外から雨音が聞こえている。
「起きていらっしゃったんですか…」
「うなされていたから…」
保憲は千尋の頬に手を伸ばしてスッと涙を拭った。
「…また、同じ夢を見ました…でも、あの童子が祖父の護符を持っていて…顔が…一昨日の殿方でした…」
「そう…一昨日あなたが会った男はね、安倍の童子、今では安倍晴明と呼ばれている者…」
人が強く思えば、それは呪にもなっていくだろう。
それが慕う気持ちだとしたら?
そして、相手が自分の兄弟子の妻だとしたら?
『晴明はどう出るのか、そして、千尋はどうするのだろうか』
「安倍晴明…様?」
「私の弟弟子なのですよ」
保憲は昨日の晴明とのやり取りを思い出すと真剣な眼差しになり、千尋の目を見つめて呪をかけた。
その瞬間、千尋の記憶が蘇えった。
「…そういえば…あれは…十年前のことでした…」
千尋の思い出話とは、十年前に父と一緒に参詣した鞍馬寺の事だった。
十年前、千尋は九歳。
丁度その頃、鞍馬寺の参詣が流行りのようになっていた。
千尋は父が参詣しに行くというので、無理にせがんで連れて行ってもらったのだ。
天狗の伝承もある山なので、父は最初は反対していたが、可愛い娘の言う事に従って、一緒に参詣することを許してくれた。
千尋も亡き祖父の護符を持ち出して来て、子供らしく、天狗をやっつけてやるんだ~などとのたまっていた。
そして、鞍馬寺に参詣した後の事…
父が寺の僧侶と話をしているので、千尋は、寺の敷地内を散策していた。
ふと歩みを止めると、鞍馬山入口と書かれた板があった。
横を見ると上りの細い道が続いている。
ケラケラケラ…
不思議な音が千尋の耳に入ってきた。
まるで木を木で叩くような軽い音。
千尋は自然と体が動いて、誘われるように山の中に入っていった。
「まさか、天狗?」
『祖父のように私が天狗を調伏してやる』
祖父から貰った護符を片手に、音の鳴る方に踏み込んでいった。
気が付くと、奥深い山の中。
行けども行けども、木々ばかり…
千尋は怖くなってしゃがみこんだ。
涙が滲んでくる。
「こんなんじゃダメだ!」
私は陰陽師の孫なのだから、と、自分を奮い立たせ立ちあがる。
すると、
ガサガサガサ…
目の前の草が揺れている。
千尋は無意識に身を固くした。
しかし、目の前に現れたのは、自分と同じ年くらいの男の童子だった。
「誰? 天狗の子?」
祖父の護符を取り出して身構えるが、力が出ない。
千尋はペタリとしゃがみこんでしまった。
涙目になる。
そして、諦めの気持ちと怖さで、目を瞑った。
「大丈夫?」
童子が心配そうな顔で覗き込んできた。
千尋は目を開けると、
「あー、人だったあ、妖かと思っちゃったー」
袖で涙をぬぐいながら、安堵した。
童子はその場に腰を下ろすと、千尋が手にしている護符に視線を向けた。
「それ、陰陽師が使う霊符だよね? 誰から貰ったの?」
「え? 私の祖父からだよ」
「へえ、君の祖父は陰陽師なんだ」
「正確には、陰陽師だった…かな、今はもういないから…」
千尋はちょっと寂しそうな顔をして言う。
「そう…、実は私は陰陽師の卵なのです」
童子は恥ずかしそうに微笑んだ。
よくよく話を聞いてみると、童子はこの先の貴船で修行中だった。
ただ、自分の先の人生を考えると、陰陽師になるべきか悩み、修行から逃げ出してきたのだという。
千尋は童子の隣に座って、出会ったばかりの、見ず知らずの童子のはずなのに、陰陽師であった祖父の事を熱弁していた。
何故か話さなければならない気がして…
「私は女だから陰陽師にはなれない、だからあなたが羨ましい」
寂しそうに微笑んだ。
雨が降り始めた。
段々と気温が下がっていく。
二人は身を寄せて体を温め合った。
いつしか、千尋は眠ってしまった。
気が付いた時には、寺の宿坊にいた。
「気が付いて良かった」
父が微笑んでいる。
千尋は、山に続く寺の入口で倒れていたのだそうだ。
熱を出して二日ほど寝込んでいたという。
そこまで話をして、千尋は保憲の顔を見上げた。
「もしかして、あの童子は…安倍晴明様?」
保憲は目を細めると、一寸おいてから、コクリと頷いた。
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