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# 12 「Yes」or 「No」
しおりを挟む「じゃあ、ここからはチーム別で行動するから班分けするよ」
「#}`dCkP/~/HrQoI,$」
モリがいっぱい居すぎて誰が何を言ってるか、もう聞き取り不可能……。
隣の県まで遠征でやってきた。
無人の街中で、ストレージから大量のモリ達を出した。
そのモリ達を1チーム6体として、5チーム編成した。
それぞれA班からE班と名前をつける。
モリの中では、アベベに次いで賢いニャースを班のリーダーとして、それぞれジャン犬を3体、斬リッ株を1体、野良サルを1体という構成で編成した。ジャン犬は、なるべく捕獲を得意としているパー犬を分けて配分して、残りをグー、チョキ犬を適当に割り振った形になった。
これまでは、自分の身のまわりをモリで固めるくらいしか戦術の幅がなかったが、エリアコマンダーになってからは、等級スキルが使えるようになったので、広域にメンバーを派遣して行動できるようになった。
等級スキルは現在Lv1で、展開できる範囲は半径1kmになっていて、レベルが上がると、展開できる範囲が広がると予想している。
スキル「仮想戦術領域」に各モリをリンクさせて、仮想立体マップにモリ達の位置を落としてから、班ごとに四方に派遣した。
今回は、自宅に雨や歩茶を残してきた。
それというのも、この等級スキルなる3つの能力を思い存分試したいため、今回は一人の方が気軽だった。
あらかじめ、各班の班長であるニャースには今回の遠征の目的を伝えてある。
食料、飲料水、未着用の女性用の衣服(大人用と子ども用)、毛布、タオルケット等の入手。
ちなみに何でも保管できちゃうストレージという能力は何度も使っている内に段々と容量が大きくなってきている。ゴリ親方を3体収容しても、空き容量が5割以上残るので、最初の頃より、だいぶ使い勝手が向上した。
豆丸を擁するここ本隊は、ゴリ親方、ニャース、パー犬、チョキ犬、ツタ忍がそれぞれ1体。そしてボウガンを装備した野良サル×3体。他の班よりオールラウンドな戦力を整えている。
そして当然ながらアベベは留守番。理由としては豆丸の邪魔しかしないため……。
家屋をしらみつぶしに捜索を始めて、まだ5分も経っていないのに、仮想立体マップ上のC班のモリに欠員が出た。
1体、また1体とモリ達が減っていく。
各班に振り分けたモリ達は、自宅敷地警備や本隊のレベル20超えの強化された歴戦の猛者ではなく未強化。レベル1の駆け出しのモリ達。今回、遠征で彼らのレベル上げも目的の一つとしていたのだが……。
オーバーライド権限が自動で発動し、エリア内に強敵が出現したことが他の班に伝わった。仮想立体マップ上の他班が急速にC班のところに向かい始めたので、豆丸本隊も一度、軽トラに乗り、急いで向かうことにした。
うわぁ……これは。
到着したのは、昔からやっていそうな古びた銭湯。
中で争っている音がしたので、男湯側の方で、刀を持った人型の化け物とモリ達が戦闘を行っていた。
人型をこれまで2回目撃してきたが、この刀を持った人型は他2体よりも明らかに動きが速かった。
遠くから覗いているだけで、ビリビリと殺気が伝わってくる。たった1体の人型にすでに15体以上のモリがやられている。
これは真っ向勝負は危ない。
そもそも、不死身かもしれないから引き際が肝心。
だけど、今は日中。
過去2回遭遇したが、陽が沈む間際か夜に遭遇し、朝になると他の化け物同様、姿を消した。そこから想像できるのは、太陽の下ではおそらく極端に動きが鈍るということだ。
せっかく人型を発見したのだから、こんな危ない敵は、可能なうちにできるだけ数を減らしておきたい。
えーと、なんだっけ?
兵は詭道なり、だったかな?
戦いは常に騙し合い。相手をうまく騙せたものが勝ちであるという諺。
防具カテゴリ〈聖柩〉を起動し、豆丸が人型に向かってケロロンと書かれた木桶を投げつけると、スパッと、木桶が真っ二つになった。
目が合った。
その瞬間、鬼ごっこが始まる。
銭湯の出口に向かって走る豆丸と、それを追う人型。
みるみるうちに背後に迫る人型。
更衣室で繰り出すパー犬の投網も、ツタ忍のスキル「蔦縛り」も全然足止めにさえなっていない。あと数歩追いつかれたら斬られるというところで、出口に到着した。
豆丸の背中を追って、人型が出てきたが、突然、真横から飛んできた鉄の塊が横っ腹に当たり、真横に吹き飛んで行った。
吹き飛ばしたのは、ゴリ親方。投げたのは更衣室にあった金属製のロッカー。さすがに金属の塊は斬れなかったのか、単純に反応できなかったのか、刀を持った人型は吹き飛ばされた先でよろめきながら立ち上がった。
「今だ。畳みかけて⁉」
動きも反応もさっきより全然遅い。
刀の斬れ味は変わらないが、動きが鈍ければ、多勢に無勢。数で押し切り、人型が動かなくなるまで、豆丸本隊の強化されたモリ達がボコボコにした。
モリ達にボコられ、壁に背をつけ、沈黙した人型の化け物から突然、ステータスがポップアップした。
─────────────
斎宮ハガネ〈巫霊〉
Lv17
ステータス:3,289
個体スキル:禊閃〈ミソギ〉
▸Unitにしますか? (Yes or No)
─────────────
ふれい?
まさか、「ふりょう」って読む?
読み方がわからないが、人型の化け物ってこういう種族(?)なんだ。
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