ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。

文字の大きさ
26 / 45

# 26 異常だらけのダンジョンの日常

しおりを挟む

「キリッ」、「ニャー」、「ツタツタッ」、「ゴリゴリィィ」、「グー」

5体のモリがおじいちゃんの後を追って、暗い穴の中に飛び込んでいった。

「パーッ!」、「……」、「チョキ」、「……」、「アベベ▪▪▪

残ったのは、パー犬、チョキ犬、野良サル2体とアベベという葉っぱのモリ……。

(わたし、ここでしんじゃうのかな?)

隠れていた白い包帯を巻いた気持ち悪い怪物がいっぱい出てきた。

(おじいちゃんがいなくなったから?)

「アベベ」
「パーッ」

葉っぱのモリが、パー犬に何か伝えた。
返事をしたパー犬が、歩茶を崩れていない建物の中へと押しやった。

建物の出入り口は狭くできているので、一度に入ってくる白い包帯を巻いた化け物は少ない。チョキ犬と野良サル達が入ってきた化け物を片っ端から倒していく。それでもやはり数が多いので3体で仕留められない時だけパー犬が投網で動きを止めるといった連携を見せている。

(……こわい)

白い化け物の姿は人間にも見える。ただ手足の関節の曲がる向きがおかしく人がブリッジした状態で四足歩行をしているようにみえて気持ち悪い。

しばらくすると外が騒がしくなってきた。

白い包帯を巻いた化け物が建物の中に入って来なくなったので、建物から出てみることにした。

どうやら散らばっていたモリ達がこの廃墟エリアに続々と集まっているらしく、あちこちでモリ達が化け物と戦っている。

「キリッ」
「あっ──」

(ゆだんしちゃった)

建物の上にいた化け物が、飛び降りてきたらしく、斬リッ株が1体、私をかばって犠牲になった。

「ごめんね……いたっ」
「べべッ、べーーーッ」

斬リッ株の手を取り、消えていくのを見守っていたら、アベベに頭を叩かれた。

(すごくおこってる。あるさのせい? ──そうだ。いまはあるさががんばらなきゃ……)

斬リッ株が遺した斧を髪を操作して拾い上げる。そして、髪束を足代わりにして、近くの化け物を襲った。

歩茶の髪を操作した時の移動は、熟練のツタ忍並みの速さなので、不意打ちに遭った化け物はあっさりと歩茶の斧で真っ二つにされた。

その後、歩茶は全体的にやや不利な状況を覆した。他に倒れた斬リッ株の斧も拾い上げ、二刀流で化け物をたくさん仕留めた。

(これならかてる!)

そう思った次の瞬間、微かに聞こえるキリキリと鳴る音。

その音を聞いた途端、すべての白い四足歩行の化け物は戦闘をやめ、ある横穴の方向に走っていった。

(なにあれ?)

巨大な人間に似た化け物。
5、6メートルくらいの身長で全裸。犬を散歩させるように首輪のついた巨大な蛇頭で、体が翼の生えたライオンのような怪物と一緒に横穴から姿を見せた。

白い化け物たちはその巨人の元へ行き、その場で跳ねたりして、喜んでいるかのよう。

ドサッと、何かを投げた。
鹿のような生き物の死骸。その死骸に白い化け物達が群がっていく。

「しゅる?」

(こわい。ちょっと目があった?)

巨大な蛇頭の化け物。
大きさだけなら、馬よりも少しデカい。

歩茶は、すかさず建物の裏に隠れた。

「にゃにゃにゃにゃっ!」

(ニャース? なんでそんなにあわてているの?)

「しゅるるるっ」
「──っ⁉」

いつの間にか、歩茶が隠れていた建物の上にやってきて、歩茶を見下ろしていた。

「ボムボムボムっ、ゴリィ~~~ゴリッ⁉」

建物の上から首だけ伸ばし、歩茶を襲ったが、ゴリ親方のドラミングショットが炸裂し、歩茶に噛みつく瞬間、蛇の頭を真横に吹き飛ばした。

(きいてない⁉)

ゴリ親方のドラミングショットは、これまで何度か見たことがあるが、コンクリートの壁くらいなら簡単に穴を開けるほどの威力がある。それなのに全力のパンチが効かないとなると、どうやってこの化け物を倒していいのか、方法がわからない。

「ベベ~~っ!」

アベベ。
いつの間にか、遠く離れたこの空洞の中で一番大きな建物の入り口まで避難して、歩茶の方に手を振っている。

(むこうにおいでってこと?)

考える時間はない。
歩茶は自分の髪の毛をしなやかで俊足のチーターの脚をイメージして、ダッシュでアベベのところへ向かう。

後方では、もう一度、ゴリ親方のパンチ音が聞こえた。おそらく足止めしてくれている。

(ふぁぁぁっ⁉)

全速力で、まっすぐアベベの元へ向かっていたので、建物が死角になって見えていなかった巨人が建物の陰から巨大な手を振り下ろした。

潰されるっ──そう思ったが、危険を察知したツタ忍の蔦が歩茶のお腹に巻かれ、進行方向を直角に曲げてくれたので、巨人の手に潰されずに済んだ。

動きは鈍い。なので、巨人を無視してアベベの待つ建物に向かったが、イヤな予感がしたので体と首をやや強引に曲げて巨人の方を確認した。

巨人は振り下ろしたその手で、ボウリングの球くらいの石を掬いながら投げた後だった。急速に歩茶に迫る大きな石。避けるか受けないと体に当たったら無事では済まない質量に速度が加わっている。

「んぅぅぅ~~っ……やあああっ!」

足代りに使っていた髪の毛をすべて石を受け止めるために巨人側の方に集める。石が歩茶に着弾、しかし、押し込まれた風船の中心のように弾丸と化した石礫の衝撃を髪の毛で吸収して、その反動を利用して、巨人の右目に石の塊が直撃した。

「wvX'(S^.er7Cnf8p⁉」

右目を押さえて苦しんでる。

その間に歩茶は、アベベの待つ建物の中に逃げ込めた。














しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...