異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~

星天

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第二章 森の中

第十話 戦闘観戦

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 俺は歩きながら、熊を探してた。もし倒せるならそうしてしまいたい。ここで過ごすにしろ、あの熊は凶悪だ。あれだけ技能《スキル》を奪っていたのに心配って、俺は心配性なのかなと思い始めてしまう。

 「てか、どこにいるんだよ。全然いないじゃんか」

 俺は愚痴る。本当に全然いない。死んでるならいい。だって、害悪にしかならないから。俺に被害はいらない。

 「どうする?」

 自問する。
 薄暗い洞窟の中で過ごすのは嫌だしな。どっちにしろ、ここから出る必要はある。出口を探す必要はある。でも、出口なんて、すぐ見つかるだろう。最悪、ぶち抜けばいい。

 「グォオオ!」

 遠くの方で叫び声がした。

 俺は行ってみることにした。


 ▼


 そこでは、絶賛、戦闘中だった。二体のモンスターが争ってる。

 人のようだが、身長は低め、子供ぐらいしかない。だが、緑色の身体は異形の存在といっておかしくはなく、醜悪な顔からは血が流れている。腰巻きを巻いているだけで上半身は裸。鎧もなしで戦闘をする辺り、文明は発達していないのかもしれない。彼らのゲームでの名前ならゴブリン。そいつらが五体ぐらい。

 もう一方が、真っ白な毛に包まれた狼。雪のようにふんわりしてそうな毛だが、所々血を浴びて、紅くなっている。こちらは獣ということもあって、何も纏っていない。しかし、元来、獣とは身体中が武具に包まれているものだ。こちらは一体だが、決して油断ならないだろう。


 俺はそんな戦闘を遠くから眺めていようと決意した。だって、そうだろう。

 「危ないじゃん……」

 さて、にらみ合いは終わったおんか、ゴブリンが短剣を振るう。それを狼が避け、狼が叫ぼうとした。

 「グォオオ!!!」

 咆哮だ。それにより、いくつかの色つきの球が空中に具現化した。周囲の空気が収束して、一つの球を作ったようだった。赤、青、茶の球だった。一斉にゴブリンたちに向かう。

 でも、それでゴブリンたちは当たらなかった。間一髪で避ける。だが、さすがに一匹だけよけれなかった者がいた。一匹命中、四匹外れという結果になった。

 魔術が使えるということは後方支援型なのだろうか。しかし、狼の方が恐らく格上だ。魔術を使えるなんて、すごい……はず。ボスキャラ的な扱いだろう。

 それはそれでゴブリンたちは不利だろう。接近できないのだから。

 だがゴブリンは諦めずに剣を振るう。


 「ゴブ!」

 謎の掛け声。ゴブリン語かなにかで合図をとった。

 そして、一斉に剣を投げた。

 「は?」

 剣を投げたら、武器なくなるじゃん。

 俺はそう思った。しかし、ゴブリンたちは投げた剣に向かって走り出した。

 そうはさせまいと狼は魔術を放つ。カラフルな攻撃が宙を舞って、ゴブリンを狙う。残りの四名は戦闘慣れをしているのか。そう簡単には当たらなかった。

 なんなら身軽になったと言わんばかりに、アクロバティックな動きで回避する。

 ゴブリンたちは地面に落ちた剣を引き抜くと同時にそのまま狼に突き刺す。

 「グォ!!!」

 鮮血が飛び散り、白い毛がさらに紅く染まっていく。

 「やったのか」

 俺は呟く。しかし、俺は夢中になって、気付かなかった。後ろから迫りくる熊に。



 「グォオオオ!」

 ……あっ、【探索】で熊さんいるのがわかるよ。うん。なんで後ろにいるんですか?

 「うぉっ!」

 俺は熊の攻撃をギリギリで躱していく。が、狼とゴブリンが戦闘している広場のような空間に出てしまった。

 ……やべぇ


 俺は思わず、震える。

 「ウォオオン!」

 熊の叫び声に狼も叫ぶ。こちらを向いて、人間と認識したからか、俺を敵対視するように臨戦態勢になっている。

 「ゴブ? ゴブ!」

 ゴブリンもこちらを向いて、剣を構えた。

 あっ、この状況って詰んでない。




 全員と戦闘ですか?

 俺は泣き顔になりながら、構えた。
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