41 / 55
光莉のユ・ウ・ワ・ク
しおりを挟む
征矢が通されたのは、二階にある光莉の自室だった。
意外にもごくごく普通な女子高生の部屋だった。
ほどほど可愛くて、とても清潔。
もうちょっとエキセントリックな部屋を予想していた征矢は、ちょっと拍子抜けする。
「どうぞ座ってください、征矢さま」
と言われても、椅子も座布団もない。征矢は床の適当な場所に腰を下ろした。
「違います。こっちです」
光莉はちょっと怒った様子で、自分の隣をぽんぽんと叩いた。
そこは、光莉のベッドだった。
うーむ。初めてお邪魔した異性の部屋で、それはあまりに距離感詰めすぎじゃあるまいか。征矢はためらう。
「早く。こっちです」
ベッドのへりに腰掛けた光莉は、またぽんぽんと催促。
よくわからんけど、こういうもんなのか。
征矢はおそるおそる、光莉の横に座り直す。
即座に、光莉は「ぴとっ」と体をくっつけてくる。もちろん手は征矢の手にしっかり重ねている。
「お部屋に男の方を入れたの、初めてです……」
光莉は、潤んだ声でささやく。
予想を上回る悩ましい空気感。
征矢は必死に話を逸らす。
「い、いいお部屋ですよね。きれいに整頓されてて」
言いながら、征矢はなんともいえない違和感を覚えていた。
整頓されすぎている。あまりにも生活感がない。生活臭もしない。まるで作ったばかりのモデルルームのようだ。
隣室に面した引き戸も、なんとなく気になる。
説明し難いイヤな気配が、戸の隙間から洩れてくる。
「と、隣は続き部屋ですか? それとも物入れかな? 広いお部屋でうらやましいな、はは」
光莉の両手が征矢の頬を包み、いきなりぐいっと顔の向きを変えられる。
「そんなことどうでもいいでしょう? こちらを見てください、征矢さま」
かすみがかかったような光莉の瞳が、まっすぐに征矢を見上げる。
近い。またしても。
征矢の声がかすれる。
「あの……なにを……」
「こんな時間に男の子が女の子の部屋に上がったら、することはひとつでしょう? わかってるクセに」
思わず、征矢の腰が引ける。
「いや、どうでしょう。それはちょっと気が早いのでは……」
ぐっと光莉は乗り出す。
「ここまで来て男の子がお茶だけ飲んで帰るワケないでしょう? 子供じゃないんですから、ね?」
光莉の両腕が、征矢の首に絡みつく。ほっそりした体が、征矢の胸にもたれてくる。
甘い髪の香りが、鼻孔を心地よくくすぐる。
「いや、その、困ります」
「またそんなことを……本当はこうなるのを期待してたんでしょう?」
「あの、台詞が完全に女の子を押し倒そうとするときの男のソレなんですが」
「はい。そのつもりです」
んー。
光莉の淡桃色の唇が迫ってくる。
できる限り穏当に、征矢はそっと光莉を押し返そうとする。
すると光莉はその手をつかんで、自分の胸のふくらみに当てさせる。
うっ。
大きすぎず小さすぎず、ぶっちゃけ征矢がいちばんストライクなバストサイズ。ブラウスの下で心地いい弾力が息づいている。
「あのっ、ちょっと、奥屋敷さん!?」
「またそんな呼び方。光莉と呼んでくださらなきゃいやです」
とうとう光莉は、本当に征矢にのしかかってくる。
馬乗りポジションになった光莉は、息を荒げながらぷちぷちと自分のブラウスのボタンを外し始める。
大胆な黒レースのブラジャーに包まれた、形のいいバストが「ぷるん」と征矢の前に露わになる。
「あの、ちょっと待って! 冷静に奥屋敷さん!」
光莉の目つきは興奮に酔い、完全にタガが外れた状態だ。
征矢は光莉を押しのけ、はずみでベッドから転げ落ちた。
今度はスカートを脱ぎながら、光莉は取り憑かれたように言う。
「征矢さま、光莉は、征矢さまとセックスがしたいのです」
「奥屋敷さん言葉のオブラートって知ってます!? 前々から思ってたけど!!」
征矢は床にへたり込んだまま、さらにじわじわ後ずさる。
なまめかしい黒の下着姿になった光莉は、立ったまま迫ってくる。
「征矢さまはセックスお嫌いですか」
「どうでしょう! 恥ずかしながら経験がないもので!」
その方面に関しては、征矢も人並みの興味と欲望はあるつもりだが、この空気では無理だ。
どん。
征矢の背中が、なにかにぶつかった。
隣の部屋につながっているとおぼしき、例の引き戸だった。
逃げ場を求めて、征矢は本能的にその戸に手をかける。
鍵はかかっていない。がらりと引き戸が開いた。
征矢は後先考えず、その中に飛び込んだ。
そこは、六畳ほどの暗い部屋だった。
部屋の様子が見えてくると同時に、征矢は凍りついた。
「なんだ……この部屋は……!?」
意外にもごくごく普通な女子高生の部屋だった。
ほどほど可愛くて、とても清潔。
もうちょっとエキセントリックな部屋を予想していた征矢は、ちょっと拍子抜けする。
「どうぞ座ってください、征矢さま」
と言われても、椅子も座布団もない。征矢は床の適当な場所に腰を下ろした。
「違います。こっちです」
光莉はちょっと怒った様子で、自分の隣をぽんぽんと叩いた。
そこは、光莉のベッドだった。
うーむ。初めてお邪魔した異性の部屋で、それはあまりに距離感詰めすぎじゃあるまいか。征矢はためらう。
「早く。こっちです」
ベッドのへりに腰掛けた光莉は、またぽんぽんと催促。
よくわからんけど、こういうもんなのか。
征矢はおそるおそる、光莉の横に座り直す。
即座に、光莉は「ぴとっ」と体をくっつけてくる。もちろん手は征矢の手にしっかり重ねている。
「お部屋に男の方を入れたの、初めてです……」
光莉は、潤んだ声でささやく。
予想を上回る悩ましい空気感。
征矢は必死に話を逸らす。
「い、いいお部屋ですよね。きれいに整頓されてて」
言いながら、征矢はなんともいえない違和感を覚えていた。
整頓されすぎている。あまりにも生活感がない。生活臭もしない。まるで作ったばかりのモデルルームのようだ。
隣室に面した引き戸も、なんとなく気になる。
説明し難いイヤな気配が、戸の隙間から洩れてくる。
「と、隣は続き部屋ですか? それとも物入れかな? 広いお部屋でうらやましいな、はは」
光莉の両手が征矢の頬を包み、いきなりぐいっと顔の向きを変えられる。
「そんなことどうでもいいでしょう? こちらを見てください、征矢さま」
かすみがかかったような光莉の瞳が、まっすぐに征矢を見上げる。
近い。またしても。
征矢の声がかすれる。
「あの……なにを……」
「こんな時間に男の子が女の子の部屋に上がったら、することはひとつでしょう? わかってるクセに」
思わず、征矢の腰が引ける。
「いや、どうでしょう。それはちょっと気が早いのでは……」
ぐっと光莉は乗り出す。
「ここまで来て男の子がお茶だけ飲んで帰るワケないでしょう? 子供じゃないんですから、ね?」
光莉の両腕が、征矢の首に絡みつく。ほっそりした体が、征矢の胸にもたれてくる。
甘い髪の香りが、鼻孔を心地よくくすぐる。
「いや、その、困ります」
「またそんなことを……本当はこうなるのを期待してたんでしょう?」
「あの、台詞が完全に女の子を押し倒そうとするときの男のソレなんですが」
「はい。そのつもりです」
んー。
光莉の淡桃色の唇が迫ってくる。
できる限り穏当に、征矢はそっと光莉を押し返そうとする。
すると光莉はその手をつかんで、自分の胸のふくらみに当てさせる。
うっ。
大きすぎず小さすぎず、ぶっちゃけ征矢がいちばんストライクなバストサイズ。ブラウスの下で心地いい弾力が息づいている。
「あのっ、ちょっと、奥屋敷さん!?」
「またそんな呼び方。光莉と呼んでくださらなきゃいやです」
とうとう光莉は、本当に征矢にのしかかってくる。
馬乗りポジションになった光莉は、息を荒げながらぷちぷちと自分のブラウスのボタンを外し始める。
大胆な黒レースのブラジャーに包まれた、形のいいバストが「ぷるん」と征矢の前に露わになる。
「あの、ちょっと待って! 冷静に奥屋敷さん!」
光莉の目つきは興奮に酔い、完全にタガが外れた状態だ。
征矢は光莉を押しのけ、はずみでベッドから転げ落ちた。
今度はスカートを脱ぎながら、光莉は取り憑かれたように言う。
「征矢さま、光莉は、征矢さまとセックスがしたいのです」
「奥屋敷さん言葉のオブラートって知ってます!? 前々から思ってたけど!!」
征矢は床にへたり込んだまま、さらにじわじわ後ずさる。
なまめかしい黒の下着姿になった光莉は、立ったまま迫ってくる。
「征矢さまはセックスお嫌いですか」
「どうでしょう! 恥ずかしながら経験がないもので!」
その方面に関しては、征矢も人並みの興味と欲望はあるつもりだが、この空気では無理だ。
どん。
征矢の背中が、なにかにぶつかった。
隣の部屋につながっているとおぼしき、例の引き戸だった。
逃げ場を求めて、征矢は本能的にその戸に手をかける。
鍵はかかっていない。がらりと引き戸が開いた。
征矢は後先考えず、その中に飛び込んだ。
そこは、六畳ほどの暗い部屋だった。
部屋の様子が見えてくると同時に、征矢は凍りついた。
「なんだ……この部屋は……!?」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
聖女の力は使いたくありません!
三谷朱花
恋愛
目の前に並ぶ、婚約者と、気弱そうに隣に立つ義理の姉の姿に、私はめまいを覚えた。
ここは、私がヒロインの舞台じゃなかったの?
昨日までは、これまでの人生を逆転させて、ヒロインになりあがった自分を自分で褒めていたのに!
どうしてこうなったのか、誰か教えて!
※アルファポリスのみの公開です。
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる