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見舞い 1
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土砂降りの中で壊れた傘のせいで、翌日、彰は見事に風邪をひいた。春樹と優は、放課後に彰のお見舞いへ行った。
「悪いな……わざわざ」
布団に潜りながら、彰はかすれ声で言う。額には冷えピタ、鼻声に咳までセットだ。
「うわぁ~。ほんとに風邪ひいちゃったんだ。大丈夫?」
春樹は大げさに心配しつつ、部屋の中をきょろきょろ見回す。優はその後ろで、黙ったまま彰を見下ろしていた。
「いや、大丈夫じゃねえけどな……」
「っあ、そうだ。優、ね、謝らないと」
春樹が横目で優をつつく。
優はしばらく無言で突っ立っていたが、やがてふいと顔を背けた。
「……ごめん。」
優はそっぽを向いたままツーンとした顔をしている。
「え?」
「傘⋯⋯壊れた。」
彰は目を丸くした。優がこんなに長く話すのは珍しい。
「ああ、気にすんなよ。あれは突風のせいだし⋯⋯。」
春樹が優の肩を軽く叩く。
「優、ちゃんと謝らなきゃ。」
「⋯⋯。」
優は困ったような顔をして春樹を見上げた。
「ほら、彰が濡れて風邪ひいたのは、優の傘が壊れたからでしょ?」
優は再び彰の方を向いた。
「⋯⋯傘、古かった。ごめん。」
そっけない口調だったが、彰には優なりに申し訳なく思っていることが伝わった。
「本当に気にしなくていいって。それより⋯⋯春樹、その肉どうにかしろよ。病人の部屋に生肉置くなよ⋯⋯。」
「え~、でも栄養あるよ~?」
「お母さんに頼んで冷蔵庫に入れてもらえ⋯⋯。あと次からお見舞いには果物とかゼリーとかにしろよな⋯⋯。」
「悪いな……わざわざ」
布団に潜りながら、彰はかすれ声で言う。額には冷えピタ、鼻声に咳までセットだ。
「うわぁ~。ほんとに風邪ひいちゃったんだ。大丈夫?」
春樹は大げさに心配しつつ、部屋の中をきょろきょろ見回す。優はその後ろで、黙ったまま彰を見下ろしていた。
「いや、大丈夫じゃねえけどな……」
「っあ、そうだ。優、ね、謝らないと」
春樹が横目で優をつつく。
優はしばらく無言で突っ立っていたが、やがてふいと顔を背けた。
「……ごめん。」
優はそっぽを向いたままツーンとした顔をしている。
「え?」
「傘⋯⋯壊れた。」
彰は目を丸くした。優がこんなに長く話すのは珍しい。
「ああ、気にすんなよ。あれは突風のせいだし⋯⋯。」
春樹が優の肩を軽く叩く。
「優、ちゃんと謝らなきゃ。」
「⋯⋯。」
優は困ったような顔をして春樹を見上げた。
「ほら、彰が濡れて風邪ひいたのは、優の傘が壊れたからでしょ?」
優は再び彰の方を向いた。
「⋯⋯傘、古かった。ごめん。」
そっけない口調だったが、彰には優なりに申し訳なく思っていることが伝わった。
「本当に気にしなくていいって。それより⋯⋯春樹、その肉どうにかしろよ。病人の部屋に生肉置くなよ⋯⋯。」
「え~、でも栄養あるよ~?」
「お母さんに頼んで冷蔵庫に入れてもらえ⋯⋯。あと次からお見舞いには果物とかゼリーとかにしろよな⋯⋯。」
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