〖完結〗私は旦那様には必要ないようですので国へ帰ります。

藍川みいな

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ゴースティン壊滅1―セバス視点―

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 ミーシャを連れ戻しに行った兵士がなかなか戻らず、セバスは苛立ちを隠せなかった。

 「くそっ!くそっ!くそっ!!なんでこんな事に……!?」

 聖女なんて約立たずじゃなかったのか!?あいつがいなくなった途端、国のあちこちが魔物に襲われるなんて……。

 あいつはまだ戻らないのか!!
 
 いくら待っても、ミーシャが戻ってくる事はない。

 「………………もう待てん!!逃げるぞ!!」

 セバスが残りの兵士と共に、邸を出ようとすると、

 「これは……」

 ハニラの荷物があちこちに散らばっていた。

 どうやら魔物が邸にまで入って来たようだ。
 
 「ハニラ様を探しますか?」

 ハニラのせいでこんな事になったんだ!あいつさえいなければ、ミーシャが出ていく事はなかった!全部アイツのせいだ!

 「あんなやつ放っておけ!魔物に見つからないうちに行くぞ!」

 あんな奴がどうなろうと、知ったことか!!

 ハニラを見捨て邸を出たセバスの目の前には、悲惨な光景が広がっていた!
 町はほぼ壊滅状態で、生きているものを探すのも困難なほどだ。

 「ミーシャの元へ行く!」

 セバスはようやくミーシャの力を認め、ミーシャに助けを求めようと考えた。それは決して、国の為ではなく、自分の為だった。
 ミーシャを利用し、国を救った英雄になれると思ったのだ。

 ミーシャの力は本物だった。だから、父上はあんなにミーシャに拘っていたんだ。
 ミーシャは私の妻……私は無敵だ!!

 

 邸を出たセバス達を、魔物達が容赦なく襲って来た!

 応戦する兵士達を見ながら、セバスは隠れていた。どこまでも卑怯な男だ。

 ガッ!ドカッ!ザザザッ!!

 兵士達は懸命に戦っているが、数名の兵士に対し魔物の数はどんどん増えて行く!

 逃げなくては!このままじゃ殺される!!

 セバスは後ろからこっそり、一人で逃げようとした……が、

 「私を置いて、逃げるおつもりですか?」

 声の主はハニラだった!


 
 
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