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アンドレ様はいりません!
しおりを挟むあっさり婚約者を譲った事で、お父様もお母様も、カレンまでもポカンとしています。
「可愛い妹の為ですもの、喜んで譲ります。」
「……随分、聞き分けがいいな。お前がそういうのなら、アンドレはカレンの婚約者という事でいいか?」
「はい。問題ありません。
カレンがアンドレ様を好きになるなんて、びっくりしました。幸せになってね。」
カレンは私がアンドレ様を好きなのだと思っていたから、あっさり譲られて困惑しているようです。
確かに、時が戻る前は、アンドレ様をお慕いしていました。それが、そもそも間違いでした。
私がアンドレ様をお慕いして、信じきっていたから、冤罪で処刑されるような事になった。
カレンはずっと、アンドレ様と繋がっていました。いつからかは分かりませんが、アンドレ様を騙し、私を嫌うように仕向けたのでしょう。
アンドレ様には散々酷い目に合わされ、最後の瞬間も、汚いものを見るような目で私を見ていました。
そんな方に未練などありません。カレンにくれてやります。
「お姉様、本当によろしいのですか? アンドレ様をお慕いしていましたよね?」
「そう思うのなら、どうしてアンドレ様を譲って欲しいと言ったの?
なんてね、そんな事どうでもいいわ。カレンの誤解よ。私はアンドレ様を慕っていない。だから、遠慮しないでね。」
食事を済ませて部屋へと戻ると、怒りが込み上げて来ました。平然と嘘をつき、平然と人を騙す。
そんな妹を、ずっと可愛がっていました。
もう前の私ではありません。カレンを信じたりしない。あの子を、破滅させます!
カレンにアンドレ様を譲ったはずなのですが……
「サンドラ、どうして俺を捨てたんだ!? 俺達は幼い頃から、想いあっていたではないか!」
そう来ましたか。
カレンは私に、アンドレ様を慕って欲しいようです。ですがもう、アンドレ様を好きになる事は、決してありません。
「アンドレ様の事を、カレンが好きだと言っていました。あの子はリュード公爵の事が好きで、ずっと追いかけていたのに、急に心変わりをするなんて、よっぽどアンドレ様が好きなのだと思ったんです。だから、カレンの事をよろしくお願いします。」
カレンがリュード公爵を追いかけていたのは、本当の事です。リュード公爵は容姿端麗で、とても優秀な方で、令嬢達にすごく人気があります。
アンドレ様はきっと、カレンがリュード公爵を好きだった事を知らないでしょう。知っていたなら、カレンを好きになるはずがない。
だってアンドレ様は、ものすごくヤキモチ妬きなのです!
「サンドラ、待ってくれ!
それは本当なのか!? カレンはリュード公爵の事が好きなのか!?」
アンドレ様……もう演技をしなくても、よろしいのですか? カレンを呼び捨てにしちゃってますよ。
「リュード公爵にお聞きになれば、お分かりになりますよ。」
これで、アンドレ様がカレンの味方をする事はなくなるでしょう。むしろ、味方に出来るかもしれません。
私はアンドレ様も恨んでいます。
せいぜい私に、利用されてください。
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