7 / 14
本当は…
しおりを挟む今……なんて?
「あの時、もしもあなたという人を知っていたなら、あんな事は絶対に阻止していました。」
「何を……仰っているのですか?」
「私も、時間が巻き戻っていたのです。」
頭が真っ白になりました。
私は呆然としたまま、ただリュード公爵を見つめていた。
「最初は、なぜ1年前に戻っているのか分からず、混乱しました。理由を調べる為に、1年前とは違う行動をとる人を探していたんです。アンドレが私に、カレン嬢の事を聞きに来た事で、あなたの存在に気付きました。
1年前は、サンドラがあの場で婚約を破棄されましたよね?」
……リュード公爵は、全てを知っているんだ。
私が1年後に、死刑になる事も。
「全てを知っていたのに、どうして私と婚約をしたのですか?」
「あなたは私に、本当の事を言ってくれた。
あの時、サンドラを信じる事に決めました。いや……あの時に、私はサンドラに一目惚れをしたのかもしれない。
あなたは、無実だ。」
その時、私の心は救われた。
誰も私を信じてはくれなかったのに、リュード公爵は無実だと言ってくれた。
どうして、やり直す前にリュード公爵に出会えなかったのだろう……
「私は……復讐する為に、リュード公爵を利用しました。」
「先程、かまわないと言ったでしょう?
これからも、利用してください。私は、ずっと、あなたの味方です。」
涙が溢れ出す。
私は、リュード公爵に出会う為に、あの時死んだのかもしれません。
「リュード公爵……」
「私の名は、シオンです。
これから妻になるのだから、リュード公爵はないでしょう?」
「シオン様……もしかしたらまた、同じ結末になるかもしれません。それでも、私と結婚してくださるのですか?」
「絶対にそうはならないと誓うよ。
サンドラは私が守ってみせる。」
不思議ですね。
シオン様が仰ると、絶対大丈夫な気がしてきます。
もちろん、カレンに負けるつもりはありませんが、本性を現したカレンが何をしてくるか分かりません。もしかしたら、直接命を狙ってくる可能性もあります。
「さあ、着いた。行こう。」
「ここは……」
「役所だ。挙式はすぐには出来ないけど、籍は今日入れよう。」
最初のプロポーズの時から思ってましたが、シオン様ってすごい行動力ですね……
「さあ、早く。」
「……はい。」
役所で書類を出し、めでたく結婚いたしました。
って、まだ実感が湧きませんが。
「今日から、私の妻だ。」
婚約から結婚まで、最速でしてしまいました。
「まだ同じ部屋で寝るのは、抵抗があるだろうから、当分は別の部屋を用意する。
だが、私も男だから、長くは待てないよ。」
シオン様の言葉に、顔が一気に熱くなっていた。
210
あなたにおすすめの小説
お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?
朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。
何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!
と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど?
別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
私、今から婚約破棄されるらしいですよ!舞踏会で噂の的です
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
デビュタント以来久しぶりに舞踏会に参加しています。久しぶりだからか私の顔を知っている方は少ないようです。何故なら、今から私が婚約破棄されるとの噂で持ちきりなんです。
私は婚約破棄大歓迎です、でも不利になるのはいただけませんわ。婚約破棄の流れは皆様が教えてくれたし、さて、どうしましょうね?
そうですか、私より妹の方を選ぶのですか。別に構いませんがその子、どうしようもない程の害悪ですよ?
亜綺羅もも
恋愛
マリア・アンフォールにはソフィア・アンフォールという妹がいた。
ソフィアは身勝手やりたい放題。
周囲の人たちは困り果てていた。
そんなある日、マリアは婚約者であるルーファウス・エルレガーダに呼び出され彼の元に向かうと、なんとソフィアがいた。
そして突然の婚約破棄を言い渡されるマリア。
ルーファウスはソフィアを選びマリアを捨てると言うのだ。
マリアがルーファウスと婚約破棄したと言う噂を聞きつけ、彼女の幼馴染であるロック・ヴァフリンがマリアの元に訪れる。
どうやら昔からずっとマリアのことが好きだったらしく、彼女に全力で求愛するロック。
一方その頃、ソフィアの本性を知ったルーファウス……
後悔し始めるが、時すでに遅し。
二人の転落人生が待っていたのであった。
婚約破棄されてすぐに新しい婚約者ができたけど、元婚約者が反対してきます
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私ミレッサは、婚約者のウルクに罪を捏造されて婚約破棄を言い渡されてしまう。
私が無実だと友人のカインがその場で説明して――カインが私の新しい婚約者になっていた。
すぐに新しい婚約者ができたけど、元婚約者ウルクは反対してくる。
元婚約者が何を言っても、私には何も関係がなかった。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
幸運の女神である妹を選び婚約破棄するようですが、彼女は貧乏神ですよ?
亜綺羅もも
恋愛
サラ・コリンズにはレイア・コリンズいう双子の妹がいた。
ある日のこと、彼女たちは未来を見通す占い師から、どちらかが幸運の女神でどちらかが貧乏神だと告げられた。
両親はいつからか、幸運の女神はレイアだと信じ始め、サラは貧乏神だと虐げられ始められる。
そんな日々が続き、サラが十八歳になった時、ジーク・バージリアンという男と婚約関係を結ぶ。
両親は貧乏神を追い出すチャンスだと考え、ジークに何も言わずにサラとジークとの婚約をさせていた。
しかし、ジークのことを手に入れたくなったレイアは、その事実をジークに伝え、サラから彼を奪い取ってしまう。
ジークに婚約破棄を言い渡されるサラ。
しかしジークもレイアもサラの両親も知らない。
本当の幸運の女神はサラだと言うことに。
家族に見捨てられたサラであったが、エリオ・ルトナークという男性と出逢い、幸せに向かって運命が動き出すのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる