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あなたも同罪ですよ
しおりを挟むマリアナの顔を見ることなく、セイバンは言い放った。
「セイバン様!あの子はどうするのですか!?あの子はセイバン様をお父様だと思っているのですよ!?」
必死ですがりつくマリアナだったが、
「父親ならそこにいるではないか。」
シューベントはセイバンに睨まれ怯えている。
「セイバン様……嫌です!」
それでもセイバンに捨てられまいとすがりつくマリアナ。
「汚い手で触るなっ!!」
マリアナの手を振り払い、物凄い形相で睨みつける!
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッ!!」
睨みつけられたマリアナ……ではなく、シューベントは悲鳴をあげながら逃げ帰って行った!
「セイバン様……お取り込み中の所すみませんが、私と離縁してください。」
「今は、待ってくれ。それどころじゃ……」
「いいえ、待てません。被害者面してますけど、セイバン様も同罪ですよ?」
「な!?何故私が同罪なのだ!?」
自覚がないのですか……!?
「あなたはお父様の財産が目当てで私と結婚したのですよね?私は一年間、あなたを待ち続けました。ですが、あなたは一度も私を見ようともしなかった……。ご自分は何をしてもいいとお思いなのですか!?」
もう私はあなたを捨てます。
「あ、お父様が肩代わりした借金は、全部返していただきますので。それでは、お二人でごゆっくり。」
レイチェルは満面の笑顔で去っていった。その後をキーファとミランダは追いかけて出て行った。
「……なんて事だ……ッ!!」
セイバンは膝から崩れ落ちた。
「セイバン様、また金ヅルを探しましょう!」
どこまでも空気を読めないマリアナ。
「……誰か!誰かいないのか!!」
「はい!ご用でしょうか?」
セイバンの呼びかけに、使用人が入って来た。
「この汚い女をつまみだせッ!!」
「かしこまりました!」
使用人はマリアナを邸の外へと引きずり出す!
「セイバン様!!私を見捨てるのですか!?セイバンさまーーーーーーー!!」
マリアナは引きずられながら、ずっと叫んでいた。
「私はなんという事を……」
セイバンは、レイチェルの最後の笑顔を思い出していた。一度もまともに顔を見なかった妻の最後の笑顔が、頭からずっと離れなかった。
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