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クーバー家の最後 ※残酷な表現があります。
しおりを挟む「「キャーーーッッッ!!」」
酒瓶に入っていた酒はロザリアとイライザの服にかかり、瓶が割れた破片で顔や手に切り傷を負った。
「貴様! 何をしている!?」
それを見ていた兵士達が止めに入ろうとする……が、兵士達がセルドアをとりおさえる前にセルドアは持っていたマッチに火を付け、2人に向かって放り投げた。
ごぉぉおおおぉぉぉぉぉぉおおおッッッッ!!
「「ぎゃあああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁっ!!!」」
マッチの火はアルコールに引火し、ロザリアとイライザは荷馬車ごと、瞬く間に炎に包まれた!!
「はははっ……ざまあみろ!! この私をたぶらかし、全てを失わせ、罵った報いだ! これは天罰なのだ!! あははははははッ!!」
妻と義理の娘が火だるまになり、バタバタと苦しんでいるさまを見ながら、セルドアは狂ったように笑っていた。
兵士達はセルドアの様子を見て一瞬恐怖したが、すぐに我に返り、
「貴様、何をしたかわかっているのか!? こいつらはデルダン王子の奴隷だ。それをお前ごときが殺しやがって!! 貴様を斬り捨て、その首をデルダン王子に捧げることとする!」
「何がデルダン王子だ。あんなクソ王子が次期国王になる国など、もう終わりだな。ははッ……あはは……」
「貴様ごときが、我が国の王子を乏しめるなど……許さん!!」
兵士は腰の剣を抜き、セルドアに斬りかかった!!
ザバッ!ズサッ!!シュバッッ!!!
「……ゴフッ……」
兵士に斬られたセルドアは口から血を吐き、膝をついた。
ザンッッッ!!コロコロコロコロ……
膝をついたセルドアの首を、兵士は容赦なくはね、首が地面を転がった。
転がったセルドアの首は、不気味に微笑んでいるように見えた。
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