騎士団長のお抱え薬師

衣更月

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夜明け前

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 バタン!と力強く閉められたドアの音に、何事かと目が覚めてしまった。
 心臓をばくばくさせながら暗い天井を見上げている間も、次々にドアの開閉音が続く。廊下に飛び出した靴音は騒々しく、深夜への配慮は欠片もないまま階段を駆け下りて行く。
 確かに、騎士団は常に緊急事態に備えているので、誰かしらが夜番として待機している。
 第2騎士団は100名ほどの少数精鋭なので、夜番は4名と決まっているそうだ。それも1号棟と2号棟の団員が交互に夜番に就いている。
 だから、夜中に重い靴音が行き交うのは珍しくない。
 ただ、今夜は数が多すぎるし、いつもある配慮がない。どたばたとした騒音で目が覚めたのは初めてだ。
 なんだか、全員が一斉に部屋を飛び出して行くような物々しさがある。
 そろりと体を起こし、カーテンへ目を向けるも色褪せた水色すら見えない。夜が深い証拠だ。
 そっと手を伸ばしてカーテンを捲っても、やっぱり夜明けは遠い。空に視線を向ければ、星が瞬いているのが見えた。
 サイドテーブルに置いたランプを手に取って、突き出たハンドルを軽く弾く。と、火舎ほやの中で焔石が臙脂色に光り始めた。
 田舎ではオイルランプだけど、公爵家お抱えの騎士団は違う。
 全ての照明には焔石が使われているのだ。ランプのハンドルは、タンクの中の水を焔石に送る器具となる。
 火を使わないので、火力あかるさの調節はできない。水を送り続けると高温になりすぎて、火舎が割れるだけなので、給水は1回だけ。その1回で20分ほど明かりを灯してくれる。
 ランプをサイドテーブルに戻して、靴を履く。
 寝癖で跳ねた髪は手櫛で適当に整える。とくに、肩につくかどうかの中途半端な毛先は跳ねやすい。ぎゅうぎゅうにヘアゴムでまとめて、なんとか自由奔放な毛先を鎮めた。
 その間も、靴音は続いている。
 私が獣人であれば、色んな音や声が聞こえて状況を把握できるのだろうけど、生憎と私は勘の悪い人族だ。
 静かにベッドを降りて、様子見にそっとドアを開ける。
 廊下を覗き込めば、女性騎士たちが慌ただしく部屋を出て行くところだった。乱雑に結ったポニーテールを揺らし、どたばたとドアを開いて駆けて行く。
 開けっ放しのドアの向こうでは、男性騎士が脇目も振らずに駆ける。
 こう言ってはなんだけど、男子禁制エリアのドアが開けば、こっそり覗こうとする不届き者がいたりする。覗いても廊下と並んだドアしか見れないんだけど、男性陣の目には聖書に出てくるエデンの園のように映るのだとか。
 そんな男性陣が見向きもしない。
 何があったのだろうか。
 胸の奥がざわざわする。
「イヴ」
 声に目を向けば、着替えを終えたマリアが立っていた。
 身支度は済ませているけど、目元は眠気を引き摺っている。
「おはようございます…。何があったんですか?」
「奴隷商人が摘発されて、奴隷市場の1つが割れたの。クロムウェル領から2つ先に行ったスカーレン子爵領ニエーレよ。こっち方面に悪党が何人か逃げてるらしくて、伝書鷹が応援要請を届けに来たみたいよ。クロムウェル騎士団ほど有能な騎士団はないからね。で、この棟の団員が出動したの」
「2号棟だけ?全員じゃないんですね」
「ここを無人にはできないでしょ?だから2号棟。とは言っても、1号棟が暢気に寝てると言うわけじゃないわよ?留守番組は領外へ出ないだけで、これから班を編成して周囲の警備に当たるのよ。ここにはモリソン副団長と数人が残って、指示や情報の精査に当たるの。第1と第3も、今頃は領内の警備に奔走しているはずよ。逃げた悪党が領内に逃げ込まないようにね」
 マリアは肩を竦める。
 マリアの様子を見ていると、これが初めてではないように思う。
「ここの騎士団は、他所の領まで出張するんですね」
「頼まれればね。遠方までは行かないんだろうけど、近場であれば出動するのよ。何しろ、奴隷商人は戦争屋と通じていることが多いから、情報収集も兼ねてるんだと思うわ」
 2つ先の領地が近場とも思えないけど、ここでは許容範囲内なのだろう。
「団長率いる隊か、副団長率いる隊。どちらかが行くんだけど、今回は逃亡者を追跡するから2号棟。こっちはイヌ科獣人が多いの。つまり、鼻が利く。その筆頭がジャレッド団長よ」
 マリアは言って、恍惚とした表情で体を抱きしめると身震いした。
「顔よし、能力よし、権力よし。しかも大狼の血統なんて素敵よね~」
 顔が良いのは認めるし、公爵家の令息で騎士団長なので権力もありそうだ。
 でも、大狼の血統が素敵に繋がるのは、やっぱり理解できない。
 もし私が獣人だったら、本能なのか、もしくはニオイ的なものなのかで、ジャレッド団長に一目惚れするのだろうか。
「そんなに好きなら、告白してみたら?」
 ピーターには悪いけど。
「やだ。イヴ、そういうのじゃないわよ。見てるだけでいいの。観賞用。ま、一番の観賞用はモリソン副団長だけど」
 マリアは言って、けらけらと笑う。
 一頻り笑い終えた後、マリアは手にしていたエプロンを着付ける。
「もう仕事?」
「いつみんなが帰って来てもいいように、掃除して、料理を作って、お風呂も用意しておかないと。たぶん、ピーターは既に厨房で仕込みに入ってるわ」
「私も何か手伝えることはある?」
「掃除なんかは私たちの仕事。イヴは治癒士でしょ?イヴが必要になることもあるわ。逃げてる奴隷商に戦争屋が混じってたら、危険な武器を扱うかもしれないしね。だから、イヴはイヴの準備を整えてなさい」
 ぽん、とマリアは私の肩を叩いて、1階へと下りて行った。
 もう団員たちはみんな出動したのだろう。微かに聞こえる足音に荒々しさはなく、くぐもった声が「おはよ」と挨拶を交わしている。
「なんだか眠気は吹き飛んじゃった…」
 ゆっくりと伸びをして、頬を軽く叩いてから治療院へ向かう準備を始めた。

 いつもより早めの朝食を終え、治療院にこもった。
 やることは山積している。
 奴隷商人が雇っているだろう破落戸ごろつきに、魔導士がいないとは限らない。獣人は身体能力に優れてはいるけど、広範囲を攻撃するような魔法を放たれれば無事では済まない。万が一、キース副団長並みの魔導士が潜んでいれば、最悪の事態だってありえるのだ。
 気合を入れなきゃ。
 棚から薬草の保管籠を次々に引っ張り出して、必要になりそうな薬を準備していく。
 騎士団にはポーションが常備されているけど、それは余程のことがない限りは使わない。第3騎士団では骨折が目安とは言っていたけど、たぶん目を覆うような複雑骨折でなければ使いそうにない。第2騎士団では不明。キース副団長の血だらけ惨事で使っていなかったので、生死に関わることが使用の目安のような気もする。
 馬にはじゃばじゃば使っていたのに。
「なんでだろ?」
 首をひねりながら、不足分の薬草を碾いて調薬していく。
 傷薬に火傷薬だ。
 日が昇ってしばらくして、追加の調合が終わった。
 薬に次いで必要な清潔なガーゼや包帯を整えていると、どたばたと騒々しく階段を駆け上がって来る音がした。
 目を向けると同時に、「イヴ!」とジョアンが滑り込む。その後ろにアーロンが続く。
「ここにいたのか」
 アーロンは汗を滴らせながら安堵の息を吐いた。
 純血種のジョアンはアーロンほど息を上げていないけど、それでも頬は紅潮し、薄っすらと汗ばんでいる。
 クロムウェル騎士団の隊服は黒ベースなので分かり辛いが、汗と砂埃の臭いがする。
「お帰りなさい。奴隷商人の摘発って聞いたけど早かったですね。治療ですか?」
「違う違う。まだ終わってないんだ」
 ジョアンは言って、苦虫を噛み潰した表情だ。
「イヴを迎えに来た。保護した子供たちの治癒を頼みたい」
「子供…?」
「闇市で売られる寸前の子供を保護したんだが、衰弱が激しくてな。怪我も酷い。例え子供でも獣人なら治癒力は高い。だが、衰弱しすぎて治癒に回せる体力がないようなんだ」
「ポーションでもダメですか?」
「ポーションは万能ではないだろう?」
 アーロンの言葉に、ん?と首を傾げる。
「イヴは治癒士だから使ったことがないかも知れないっすけど、ポーションは潜在的な治癒力を爆発的に上げて損傷部分を治すんで、子供やお年寄りには使用しないんすよ。下手すると、生命力をごっそり持っていかれから」
 ジョアンの説明に、アーロンも頷いている。
 私は「なるほど」となるわけもない。
「違いますよ!」
 思わず声を荒立ててしまった。
 見上げるほどの大男2人は、私の一喝にびくりと肩を震わせた。
「ポーションは万能です!デメリットは、その価格と鮮度なんです。ポーションは低級、中級、上級の3つに分けられてるですが、上級ポーションであれば寿命でない限りはお年寄りでも病を克服できるほどです。ただ、上級を手に入れられるのは、王族と限られた貴族くらいです。それくらい高価なんです。平民では低級を買うのすら厳しいんです。でも、効果は抜群です」
「鮮度というのは?」
「保管できる期間が短いんです。ポーションは他の薬と違い、聖魔力を大量に注ぎ込んで作るんですけど、魔力は徐々に劣化していくんです。劣化した魔力は、使用した薬草に悪い影響を与えます。なので、保管期間は最長1年と言われます」
 これに2人は視線を交わして沈黙してしまった。
 たぶん、騎士団にある…いや、クロムウェル公爵領のポーション全てが劣化版だ。それもこれも、治癒力の高い獣人しかいないことの弊害かもしれない。
 誰も適切なポーションを使ったことがないのだ。
 ちなみに、薬の期限は3年ほどになる。これも少量とはいえ魔力が含まれているからだ。
「とりあえず、急ぎましょう」
 私は悠長に止めていた手を猛然と動かす。
 傷薬、火傷薬の他に、子供たちの安眠やリラックス効果のあるハーブとはちみつも揃える。あと、カスティーロで買った飴も持って行く。
 ガラス瓶に入った色とりどりの果実味の飴玉は、治療を頑張った子供たちへのご褒美に丁度いい。
「あ。移動はどうするんですか?」
 大事なことを忘れるところだ。
 祈るような気持ちで訊けば、アーロンは「箱馬車を用意している」と頷いてくれた。
 どうやら私のお尻は守られ、股ずれに恐怖することはないらしい。
 そうなれば、荷物を入れるリュックサックを用意する手間も省ける。
 棚の奥から薬草採取で使っていた竹籠を引っ張り出し、清潔なハンカチーフを底に敷くと、次々に薬を詰め込む。包帯とガーゼは多めに必要だ。
 私の魔力が枯渇しなければ必要ない物だけど…。
「それじゃあ、連れて行って下さい」
 竹籠を抱えると、「行こう」とアーロンとジョアンは階段を駆け下りた。
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