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カレーとそして・・・
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「あれ、来ないと思ったんだけどなぁ。」
玄関前、ハルトは普段は大きな目を細めチアキを見つめている。何かを企んでいるような顔だ。
「・・・」
「え?何?」
ハルトは、見透かすような目をチアキに向ける。聞こえなくとも、ハルトにチアキの思いは伝わっている。しかし、ハルトはチアキから直接言葉を聞きたいのだろう。ハルトのカレーを食べに来たことをチアキから言わせるためにわざと聞き返したのだ。
「・・・俺のために作ったんだろ?カレー・・・」
言っていることに恥ずかしさを覚えているようなチアキは、ハルトから顔をそらした。
「ごめんごめん。チアキが照れる様子が見たくていじわるしちゃった。」
ハルトは、チアキの両手をつかみ狭い1Kのアパートに招き入れた。
「実はね、僕もチアキのこと待ってたんだよ。」
「知ってる。ハルトはそんなやつだって。昔は純粋でかわいかったのにね。」
チアキは、ハルトの頬を両手で挟む。身長差のせいで、チアキがハルトを見上げるかたちになっている。
「チアキは、ずっとかわいいよ。」
「それは、関係無い。」
照れ隠しなのか、むすっとした口調のチアキをなだめるようにハルトは、チアキの頭をなでなでする。チアキの髪は湿っているようだった。
「あれ、チアキ、お風呂入ってきた?」
「うん・・・。汗かいたから。」
チアキの頬は、薄紅色に染まっている。
「そっか。今、カレー温めてるからちょっとそこで待っててね。」
ハルトは、チアキを小さなテーブルの前に促す。広い部屋ではないので、すぐそばにはいつもハルトが寝ているベッドがある。チアキは、ベッドにのっていた不思議なキャラクターのぬいぐるみをとってぎゅっと抱きしめる。カレーのぐつぐつと煮立つ音だけの部屋。絶妙な空気が部屋を支配している。その空気に耐えられず、チアキはスマホをいじるもすることがなく適当にSNSを見ている。だんだん、カレーのにおいがしてきた。
「チアキ、できたよ。どうぞ。」
ハルトが、二人分のカレーを持ってきた。ハルトが作ったカレーはお袋のカレーといった感じで、しっかりと煮込んである。じゃがいもとニンジン、サイコロビーフがごろごろと入っている。チアキが目を輝かせてカレーを見ていると、ハルトが猫の絵がプリントしてある色違いのカップを持ってきた。チアキは、おなかを壊しやすいのでカレーを食べるときはなぜか牛乳を飲むのがルーティンとなっている。
「はい、牛乳。おそろいのカップ買っておいたんだ。オレンジ色の方がチアキのね!」
もっふもふな白猫に寄り添っているトラ猫がチアキみたいでかわいい、チアキって猫みたいだしね、とハルトは嬉しそうに話している。
「あ、はなしすぎちゃったね。カレー食べよう!甘口で作ったんだよ。」
「うん。いただきます。」
チアキは、スプーンですくい一口頬張った。ハルトは、まじまじとチアキが食べる様子を見ている。感想がもらえるまでドキドキしているのだろうか?一切、カレーを食べる様子を見せない。
「おいしい!今日は、蜂蜜いれたの?」
「正解!なんでわかったの?」
ハルトは、チアキの感想に安堵しながらも隠し味の蜂蜜がばれたことに驚いているようだった。
「んー。今までとは違うし、なんかちょっと甘かったから。あとは、この前ハルト、蜂蜜欲しいって言ってたからそうかなって・・・」
チアキは、何故か照れた様子で言っていた。
「そんなこと言った?」
「・・・うん。この前、ハルトの家に来たとき、」
チアキは、口ごもらせる。そして、すぐになんでもないと言ってカレーをぱくぱくと次々に口に運んだ。おいしいねと言って、何かを誤魔化している様子だ。ハルトは、チアキが隠していることがきっと恥ずかしいことだろうと思って、頑張って思い出そうと頭にはてなを浮かべている。
「蜂蜜ね・・・」
いつもとは違うハルトの低音の独り言がチアキをドキリとさせる。チアキは、反射的に口に運んでいたスプーンを止めた。
「ほんとに、覚えてないの?ならいいんだけど・・・ごちそうさま。」
チアキは、ハルトのカレーを綺麗に完食していた。米粒も一切残さず、カレーのルゥも綺麗に食べきっていた。チアキは、食べ終わった食器をシンクへ運ぶ。ハルトは、チアキが先に食べ終わったことに焦っているかのように急いで完食した。
「今日、泊まっていこうかな・・・」
シンクで食器を洗っているハルトの耳もとに息を吹きかけるように言った。ハルトは、チアキの思惑を完全に無視し、無邪気な子供のように子供のように喜んだ。チアキは、少しもじもじとしている。ハルトは、食器を洗い終わり几帳面に皿を拭いている。
「チアキは、もう一回お風呂入る?」
「ハルトが入るなら・・・」
「僕は、入るに決まってるよ!だってまだ今日は入ってないからね。先にチアキ入りなよ!」
「そういうことじゃなくて・・・」
ハルトは、チアキの言っている意味を理解できていないのかぽかんとした様子でチアキを見ていた。そんな鈍感な様子に諦めた様子でチアキは分かったと言った。本当は、ハルトと一緒に入りたかったのだろうチアキはハルトが察してくれなかったことに落ち込んでいる様子だ。ハルトは、もうすぐお風呂沸くからと言ってチアキのパジャマとタオルを用意してお風呂場へと促した。
「沸いたばかりだから、気持ち良いよ。ゆっくり入ってね。」
ハルトは、チアキに天使のような笑みを向け、お風呂場から去って行った。チアキは、タオルで身体、主に下半身を隠したまま、お風呂場の扉をあけた。
玄関前、ハルトは普段は大きな目を細めチアキを見つめている。何かを企んでいるような顔だ。
「・・・」
「え?何?」
ハルトは、見透かすような目をチアキに向ける。聞こえなくとも、ハルトにチアキの思いは伝わっている。しかし、ハルトはチアキから直接言葉を聞きたいのだろう。ハルトのカレーを食べに来たことをチアキから言わせるためにわざと聞き返したのだ。
「・・・俺のために作ったんだろ?カレー・・・」
言っていることに恥ずかしさを覚えているようなチアキは、ハルトから顔をそらした。
「ごめんごめん。チアキが照れる様子が見たくていじわるしちゃった。」
ハルトは、チアキの両手をつかみ狭い1Kのアパートに招き入れた。
「実はね、僕もチアキのこと待ってたんだよ。」
「知ってる。ハルトはそんなやつだって。昔は純粋でかわいかったのにね。」
チアキは、ハルトの頬を両手で挟む。身長差のせいで、チアキがハルトを見上げるかたちになっている。
「チアキは、ずっとかわいいよ。」
「それは、関係無い。」
照れ隠しなのか、むすっとした口調のチアキをなだめるようにハルトは、チアキの頭をなでなでする。チアキの髪は湿っているようだった。
「あれ、チアキ、お風呂入ってきた?」
「うん・・・。汗かいたから。」
チアキの頬は、薄紅色に染まっている。
「そっか。今、カレー温めてるからちょっとそこで待っててね。」
ハルトは、チアキを小さなテーブルの前に促す。広い部屋ではないので、すぐそばにはいつもハルトが寝ているベッドがある。チアキは、ベッドにのっていた不思議なキャラクターのぬいぐるみをとってぎゅっと抱きしめる。カレーのぐつぐつと煮立つ音だけの部屋。絶妙な空気が部屋を支配している。その空気に耐えられず、チアキはスマホをいじるもすることがなく適当にSNSを見ている。だんだん、カレーのにおいがしてきた。
「チアキ、できたよ。どうぞ。」
ハルトが、二人分のカレーを持ってきた。ハルトが作ったカレーはお袋のカレーといった感じで、しっかりと煮込んである。じゃがいもとニンジン、サイコロビーフがごろごろと入っている。チアキが目を輝かせてカレーを見ていると、ハルトが猫の絵がプリントしてある色違いのカップを持ってきた。チアキは、おなかを壊しやすいのでカレーを食べるときはなぜか牛乳を飲むのがルーティンとなっている。
「はい、牛乳。おそろいのカップ買っておいたんだ。オレンジ色の方がチアキのね!」
もっふもふな白猫に寄り添っているトラ猫がチアキみたいでかわいい、チアキって猫みたいだしね、とハルトは嬉しそうに話している。
「あ、はなしすぎちゃったね。カレー食べよう!甘口で作ったんだよ。」
「うん。いただきます。」
チアキは、スプーンですくい一口頬張った。ハルトは、まじまじとチアキが食べる様子を見ている。感想がもらえるまでドキドキしているのだろうか?一切、カレーを食べる様子を見せない。
「おいしい!今日は、蜂蜜いれたの?」
「正解!なんでわかったの?」
ハルトは、チアキの感想に安堵しながらも隠し味の蜂蜜がばれたことに驚いているようだった。
「んー。今までとは違うし、なんかちょっと甘かったから。あとは、この前ハルト、蜂蜜欲しいって言ってたからそうかなって・・・」
チアキは、何故か照れた様子で言っていた。
「そんなこと言った?」
「・・・うん。この前、ハルトの家に来たとき、」
チアキは、口ごもらせる。そして、すぐになんでもないと言ってカレーをぱくぱくと次々に口に運んだ。おいしいねと言って、何かを誤魔化している様子だ。ハルトは、チアキが隠していることがきっと恥ずかしいことだろうと思って、頑張って思い出そうと頭にはてなを浮かべている。
「蜂蜜ね・・・」
いつもとは違うハルトの低音の独り言がチアキをドキリとさせる。チアキは、反射的に口に運んでいたスプーンを止めた。
「ほんとに、覚えてないの?ならいいんだけど・・・ごちそうさま。」
チアキは、ハルトのカレーを綺麗に完食していた。米粒も一切残さず、カレーのルゥも綺麗に食べきっていた。チアキは、食べ終わった食器をシンクへ運ぶ。ハルトは、チアキが先に食べ終わったことに焦っているかのように急いで完食した。
「今日、泊まっていこうかな・・・」
シンクで食器を洗っているハルトの耳もとに息を吹きかけるように言った。ハルトは、チアキの思惑を完全に無視し、無邪気な子供のように子供のように喜んだ。チアキは、少しもじもじとしている。ハルトは、食器を洗い終わり几帳面に皿を拭いている。
「チアキは、もう一回お風呂入る?」
「ハルトが入るなら・・・」
「僕は、入るに決まってるよ!だってまだ今日は入ってないからね。先にチアキ入りなよ!」
「そういうことじゃなくて・・・」
ハルトは、チアキの言っている意味を理解できていないのかぽかんとした様子でチアキを見ていた。そんな鈍感な様子に諦めた様子でチアキは分かったと言った。本当は、ハルトと一緒に入りたかったのだろうチアキはハルトが察してくれなかったことに落ち込んでいる様子だ。ハルトは、もうすぐお風呂沸くからと言ってチアキのパジャマとタオルを用意してお風呂場へと促した。
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