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第十一話 悪徳! 海の家
悪徳! 海の家 五
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それからぼくらはキャンサーと使い魔を連れて海沿いのレストランへと向かった。海の幸をふんだんに使った最高の店だという。
「あんなに忙しそうなのに抜けて大丈夫なのか?」
「へえ。今日の日当を倍にすると言ったらヤツらよろこんで見送りやした。それより今日はあっしがおごりやすから好きなもの食ってくだせえ」
「そうか。じゃあありがたくいただくとしよう」
そうしてぼくらはバンガロー風のレストランに入った。そこは海水浴客をターゲットにしており、水着のまま食事をするひとが多い。ぼくらも水着のままだった。
「それにしても魔法は不思議でやんすねえ。いつもなら店員にひと声かけられるのに、”顔を覚えられない魔法”のおかげで一見客みたいな扱いでやんす」
そう、ぼくらはキャンサーも含めて魔法をかけてある。魔法は矛盾に弱いから、いちど女装水着で目立ってしまったぼくはかからないかと思ったけど、男物の水着に着替えたおかげでなんとか魔法の枠に入ることができた。
いまのぼくらは、ほかの人間からは”だれでもないだれか”でしかない。
だから、こんな美女集団なのにだれも目に止めない。
「いやあ、目のやり場に困っちまいやすねえ。どこを見ても美女ばかりでやんすよ」
とキャンサーがおだてたが、おそらく本心だろう。円卓を囲んで向かい合うぼくらは三人の美女とふたりの美少女を含んでいる。しかも水着ときたもんだ。改めて意識すると、ぼくのトランクス水着の中に飼っている亀が首を持ち上げそうになり、しどろもどろしてしまった。
「あれれー、アーサー様顔赤いよー。もしかしてあたしのかわいい格好見て興奮しちゃったー?」
「ち、違うよアルテルフ! ぼくはなにを食べようかなって考えてただけで……」
「へー。あたしじゃないんだー。じゃあレグルスのおっぱい?」
「ち、違っ!」
な、なんてこと言うんだ! そんなこと言われたら目が行っちゃうじゃないか!
「あ、アーサー様……あまり見られると恥ずかしいです……!」
「違うよ! 見てないよ!」
ぼくは慌てて前に出した手を振って否定した。レグルスは性的なことが苦手だから、胸を見られたなんて聞いたらそれだけで泣いてしまうかもしれない。
が、なぜかレグルスは目を伏せ、大きな胸を持ち上げるようしんなりと腕を抱え、
「そ、そうですか……そうですよね。わたくしのような蛮族にアーサー様のおこころが止まるはずないですから……」
あれ? なんだかちょっと残念そうだぞ? 見られた方がいいのかな?
「いや、見てるよ! よーく見てる!」
「そ、そんな! こんなところでわたくしめの体をいやらしい目で……ひぃん!」
ちょっと、どっちさ!
「ふふふ、おまえたち胸ならデネボラが一番でかいじゃないか」
とレオが言った。そのせいでやっぱりぼくは視線が動いてしまい、
「やぁん、見ないでくださぁい」
と隠そうとするも腕では隠しきれないたわわな果実のとりこになりかけた。
「あれえー? アーサー様もしかしておっきくしてるー?」
ちょっと! テーブルの下覗かないでよ!
「手で隠してももう見ちゃいましたよー。これからごはん食べるっていうのに、やっぱりいやらしいですねー」
「ううっ!」
ひええ、なんて子だ。おかげで使い魔みんながぼくを赤い顔で見てる。レグルスは泣きそうな顔ではわはわ言ってるし、デネボラはほほに手を当て「あらまぁ」ってつぶやいているし、ゾスマは……ひたすらメニューを見てる。この子ホントに自分の世界から出ないなぁ。これだけ騒いでれば少しくらい興味持ってもいいんじゃない?
「あっはっは。まったく、しょうがないヤツだな」
隣に座るレオがぼくの肩を抱き、
「これだけ美女に囲まれればそうなるのも無理はない。好きなだけ興奮しろ」
なにを言ってるんだ!
「そうでやんす。男として健康な証拠でやんすよ」
キャンサーまで!
「ほら、メニューを持ってきてやったぞ。いっしょに料理を選ぼうじゃないか」
そう言ってレオは自分の胸の近くにメニューボードを置き、ぼくをぐいっと引き寄せた。
ああもう、谷間がすぐ傍でこれじゃ文字なんか読めないよ! ほほとほほをピッタリくっつけて、しっとりした手でぼくの肩を抱いて、いいかげんにしてくれー!
と、そんなふうにちょっかいを出されて大変だったけど、どうにかこうにか料理を選び、みんなで注文した。
やがて食事がはじまると、もうだれも卑猥な話なんかしなかった。
とれたての魚介をふんだんに使った料理はどれも絶品で、料理のこと以外話せなくなるほどすばらしかった。ふだん魚を好まないアルテルフさえ「夜もここで食べたーい」と言う始末で、なんとグルメなゾスマから、
「星四つだね」
との評価が下された。彼女が星をつけるなんんてめずらしい。しかも四つときた。それで値段が高価というわけではないから、安く仕入れた食材を腕で極上に仕上げているのだろう。
「どうやらみなさん満足したようでやんすね」
と、こんなところでわざわざビーフステーキを食べたキャンサーが言った。せっかく新鮮な魚が食べられるのに、肉を食べるなんてもったいないなぁ。それにただでさえ高いビーフがここではもっと高い。こんなんじゃすぐに金欠になるだろう。
「ところで、レオさんにちょっと相談があるんでやすが……」
キャンサーが高級ワインを飲みながら言った。
「なんだ?」
「よかったら周りの海の家をぜんぶ破壊してくれやせんか?」
「はあ!?」
これにはさすがのレオも目を剥いて驚いた。いくらレオが悪党を好むとはいえ、内容がブッ飛んでいる。
「いやあ、あっしもだいぶ稼いではいるんでやすが、もっと稼げないかと思いやしてね。それには他店をブッ潰すのが一番だと思ったでやんす」
「そんなことできるわけないだろう!」
「おや、レオさんにもできないことがあったでやんすか」
「バカ! わたしがやろうと思えばこの辺り一帯を消し炭にできる!」
「ならお願いしやすよ。お礼ならしやすから」
「おまえなぁ……」
レオは呆れていた。たしかに彼女は悪行を好むが、自分からはあまりしない。やるにしてもいたずら程度のもので、世間をおびやかすような本当の悪行は絶対にしない。
だがキャンサーはそうではなかった。
「あっしはてっぺんに行きたいんでやんすよ」
「てっぺん?」
「大金を得てからの日々はすばらしいものでやんした。毎日毎日、豪華絢爛、肉欲全開、贅沢三昧、酒池肉林。だれもがあっしにペコペコ頭を下げて、気に入らないヤツはあごで”クイッ”でやんす。あっしはあれが忘れられないでやんすよ」
「それでなぜ他店を破壊するんだ」
「まともにやってたらてっぺんなんて行けないでやんす。そのためだったらあっしはどんな恐ろしいことでもするでやんす。それにはまず金がいるでやんす。金と権力さえあればどんなヤツも逆らえなくなるでやんす。だからまずは浜辺の客を独占し、ここで大きく稼いでひと財産作るでやんすよ」
なるほど……とんでもない男だ。はじめて会ったときからなにかおかしいと思っていたけど、これは本当に異常者だぞ。
「まあ、気持ちはわからないでもないが……」
レオは眉をひそめ、言った。
「そうまでしててっぺんに立ちたいのか?」
「立ちたいでやんす」
キャンサーはきっぱり言った。
「男子として生まれたからには、ただ生きるなんてできないでやんすよ」
うっ……
そのひとことはぼくの胸に刺さった。
——男子として生まれたからには。
ぼくはかつて都の軍にいた。父さんが王の側近の近衛兵長で、その先祖もそうで、ぼくもそうなるはずだった。
もちろん家柄だけじゃない。ぼくは強いし、結果も残していたし、ほとんどの仲間が認めていた。ぼく自身だれにも負けない自信があった。
それが、いまは落ち延びて”ひも”をしている。
毎日だらだら過ごし、レオの膨大な貯金で好き放題させてもらっている。
……これが男子のすることだろうか。
ぼく、キャンサーのこと”おかしいヤツ”って思っちゃったけど、そんなことないんじゃないのか? やることは悪いけど、明確な目的を持って前に進もうとしてる彼は、きっとぼくなんかよりずっと……
「どうした、アーサー」
「えっ?」
ぼくはレオに声をかけられハッとした。
「体調でも悪いのか?」
「い、いや……ちょっと考えごと。それにしてもすごいなーキャンサーは! ぼくはそんな大胆なこと考えられないよー!」
いけないいけない。たのしい席だっていうのにひとりで落ち込んじゃった。レオにも心配かけちゃったし、明るくしなくっちゃ!
「そうか……ならいいが」
レオはため息のような瞳を閉じ、フッとキャンサーに向き直った。
「ともかく、そんないかれたまねはできん」
「そうでやんすか……残念でやんす」
「が、かつてなんども高級品とみやげ話を届けてくれた友人に手を貸さんわけにもいかん。まっとうな方法で手伝ってやろう」
「本当でやんすか!」
「ああ。わたしの天才的頭脳があれば犯罪などせんでも簡単に売上げを激増させられる。おまえをこの浜の王にしてやるぞ」
「へええー! やっぱりレオさんは頼りになるでやんすよー!」
「見るがいい、わたしの手腕を。もっとも、やりくちは犯罪などよりよっぽどタチが悪いがな」
そう言ってレオはフッフッフ、と悪巧みをするときの不穏な笑みを見せた。
いったいどうするつもりなんだろう。犯罪よりもタチが悪いことなんてあるんだろうか。
ただ、これだけは言える。
レオが笑っている以上、どう転んでもろくなことにはならない。間違いなく地獄が生まれる。
せめて、だれも苦しまないといいなぁ……
「あんなに忙しそうなのに抜けて大丈夫なのか?」
「へえ。今日の日当を倍にすると言ったらヤツらよろこんで見送りやした。それより今日はあっしがおごりやすから好きなもの食ってくだせえ」
「そうか。じゃあありがたくいただくとしよう」
そうしてぼくらはバンガロー風のレストランに入った。そこは海水浴客をターゲットにしており、水着のまま食事をするひとが多い。ぼくらも水着のままだった。
「それにしても魔法は不思議でやんすねえ。いつもなら店員にひと声かけられるのに、”顔を覚えられない魔法”のおかげで一見客みたいな扱いでやんす」
そう、ぼくらはキャンサーも含めて魔法をかけてある。魔法は矛盾に弱いから、いちど女装水着で目立ってしまったぼくはかからないかと思ったけど、男物の水着に着替えたおかげでなんとか魔法の枠に入ることができた。
いまのぼくらは、ほかの人間からは”だれでもないだれか”でしかない。
だから、こんな美女集団なのにだれも目に止めない。
「いやあ、目のやり場に困っちまいやすねえ。どこを見ても美女ばかりでやんすよ」
とキャンサーがおだてたが、おそらく本心だろう。円卓を囲んで向かい合うぼくらは三人の美女とふたりの美少女を含んでいる。しかも水着ときたもんだ。改めて意識すると、ぼくのトランクス水着の中に飼っている亀が首を持ち上げそうになり、しどろもどろしてしまった。
「あれれー、アーサー様顔赤いよー。もしかしてあたしのかわいい格好見て興奮しちゃったー?」
「ち、違うよアルテルフ! ぼくはなにを食べようかなって考えてただけで……」
「へー。あたしじゃないんだー。じゃあレグルスのおっぱい?」
「ち、違っ!」
な、なんてこと言うんだ! そんなこと言われたら目が行っちゃうじゃないか!
「あ、アーサー様……あまり見られると恥ずかしいです……!」
「違うよ! 見てないよ!」
ぼくは慌てて前に出した手を振って否定した。レグルスは性的なことが苦手だから、胸を見られたなんて聞いたらそれだけで泣いてしまうかもしれない。
が、なぜかレグルスは目を伏せ、大きな胸を持ち上げるようしんなりと腕を抱え、
「そ、そうですか……そうですよね。わたくしのような蛮族にアーサー様のおこころが止まるはずないですから……」
あれ? なんだかちょっと残念そうだぞ? 見られた方がいいのかな?
「いや、見てるよ! よーく見てる!」
「そ、そんな! こんなところでわたくしめの体をいやらしい目で……ひぃん!」
ちょっと、どっちさ!
「ふふふ、おまえたち胸ならデネボラが一番でかいじゃないか」
とレオが言った。そのせいでやっぱりぼくは視線が動いてしまい、
「やぁん、見ないでくださぁい」
と隠そうとするも腕では隠しきれないたわわな果実のとりこになりかけた。
「あれえー? アーサー様もしかしておっきくしてるー?」
ちょっと! テーブルの下覗かないでよ!
「手で隠してももう見ちゃいましたよー。これからごはん食べるっていうのに、やっぱりいやらしいですねー」
「ううっ!」
ひええ、なんて子だ。おかげで使い魔みんながぼくを赤い顔で見てる。レグルスは泣きそうな顔ではわはわ言ってるし、デネボラはほほに手を当て「あらまぁ」ってつぶやいているし、ゾスマは……ひたすらメニューを見てる。この子ホントに自分の世界から出ないなぁ。これだけ騒いでれば少しくらい興味持ってもいいんじゃない?
「あっはっは。まったく、しょうがないヤツだな」
隣に座るレオがぼくの肩を抱き、
「これだけ美女に囲まれればそうなるのも無理はない。好きなだけ興奮しろ」
なにを言ってるんだ!
「そうでやんす。男として健康な証拠でやんすよ」
キャンサーまで!
「ほら、メニューを持ってきてやったぞ。いっしょに料理を選ぼうじゃないか」
そう言ってレオは自分の胸の近くにメニューボードを置き、ぼくをぐいっと引き寄せた。
ああもう、谷間がすぐ傍でこれじゃ文字なんか読めないよ! ほほとほほをピッタリくっつけて、しっとりした手でぼくの肩を抱いて、いいかげんにしてくれー!
と、そんなふうにちょっかいを出されて大変だったけど、どうにかこうにか料理を選び、みんなで注文した。
やがて食事がはじまると、もうだれも卑猥な話なんかしなかった。
とれたての魚介をふんだんに使った料理はどれも絶品で、料理のこと以外話せなくなるほどすばらしかった。ふだん魚を好まないアルテルフさえ「夜もここで食べたーい」と言う始末で、なんとグルメなゾスマから、
「星四つだね」
との評価が下された。彼女が星をつけるなんんてめずらしい。しかも四つときた。それで値段が高価というわけではないから、安く仕入れた食材を腕で極上に仕上げているのだろう。
「どうやらみなさん満足したようでやんすね」
と、こんなところでわざわざビーフステーキを食べたキャンサーが言った。せっかく新鮮な魚が食べられるのに、肉を食べるなんてもったいないなぁ。それにただでさえ高いビーフがここではもっと高い。こんなんじゃすぐに金欠になるだろう。
「ところで、レオさんにちょっと相談があるんでやすが……」
キャンサーが高級ワインを飲みながら言った。
「なんだ?」
「よかったら周りの海の家をぜんぶ破壊してくれやせんか?」
「はあ!?」
これにはさすがのレオも目を剥いて驚いた。いくらレオが悪党を好むとはいえ、内容がブッ飛んでいる。
「いやあ、あっしもだいぶ稼いではいるんでやすが、もっと稼げないかと思いやしてね。それには他店をブッ潰すのが一番だと思ったでやんす」
「そんなことできるわけないだろう!」
「おや、レオさんにもできないことがあったでやんすか」
「バカ! わたしがやろうと思えばこの辺り一帯を消し炭にできる!」
「ならお願いしやすよ。お礼ならしやすから」
「おまえなぁ……」
レオは呆れていた。たしかに彼女は悪行を好むが、自分からはあまりしない。やるにしてもいたずら程度のもので、世間をおびやかすような本当の悪行は絶対にしない。
だがキャンサーはそうではなかった。
「あっしはてっぺんに行きたいんでやんすよ」
「てっぺん?」
「大金を得てからの日々はすばらしいものでやんした。毎日毎日、豪華絢爛、肉欲全開、贅沢三昧、酒池肉林。だれもがあっしにペコペコ頭を下げて、気に入らないヤツはあごで”クイッ”でやんす。あっしはあれが忘れられないでやんすよ」
「それでなぜ他店を破壊するんだ」
「まともにやってたらてっぺんなんて行けないでやんす。そのためだったらあっしはどんな恐ろしいことでもするでやんす。それにはまず金がいるでやんす。金と権力さえあればどんなヤツも逆らえなくなるでやんす。だからまずは浜辺の客を独占し、ここで大きく稼いでひと財産作るでやんすよ」
なるほど……とんでもない男だ。はじめて会ったときからなにかおかしいと思っていたけど、これは本当に異常者だぞ。
「まあ、気持ちはわからないでもないが……」
レオは眉をひそめ、言った。
「そうまでしててっぺんに立ちたいのか?」
「立ちたいでやんす」
キャンサーはきっぱり言った。
「男子として生まれたからには、ただ生きるなんてできないでやんすよ」
うっ……
そのひとことはぼくの胸に刺さった。
——男子として生まれたからには。
ぼくはかつて都の軍にいた。父さんが王の側近の近衛兵長で、その先祖もそうで、ぼくもそうなるはずだった。
もちろん家柄だけじゃない。ぼくは強いし、結果も残していたし、ほとんどの仲間が認めていた。ぼく自身だれにも負けない自信があった。
それが、いまは落ち延びて”ひも”をしている。
毎日だらだら過ごし、レオの膨大な貯金で好き放題させてもらっている。
……これが男子のすることだろうか。
ぼく、キャンサーのこと”おかしいヤツ”って思っちゃったけど、そんなことないんじゃないのか? やることは悪いけど、明確な目的を持って前に進もうとしてる彼は、きっとぼくなんかよりずっと……
「どうした、アーサー」
「えっ?」
ぼくはレオに声をかけられハッとした。
「体調でも悪いのか?」
「い、いや……ちょっと考えごと。それにしてもすごいなーキャンサーは! ぼくはそんな大胆なこと考えられないよー!」
いけないいけない。たのしい席だっていうのにひとりで落ち込んじゃった。レオにも心配かけちゃったし、明るくしなくっちゃ!
「そうか……ならいいが」
レオはため息のような瞳を閉じ、フッとキャンサーに向き直った。
「ともかく、そんないかれたまねはできん」
「そうでやんすか……残念でやんす」
「が、かつてなんども高級品とみやげ話を届けてくれた友人に手を貸さんわけにもいかん。まっとうな方法で手伝ってやろう」
「本当でやんすか!」
「ああ。わたしの天才的頭脳があれば犯罪などせんでも簡単に売上げを激増させられる。おまえをこの浜の王にしてやるぞ」
「へええー! やっぱりレオさんは頼りになるでやんすよー!」
「見るがいい、わたしの手腕を。もっとも、やりくちは犯罪などよりよっぽどタチが悪いがな」
そう言ってレオはフッフッフ、と悪巧みをするときの不穏な笑みを見せた。
いったいどうするつもりなんだろう。犯罪よりもタチが悪いことなんてあるんだろうか。
ただ、これだけは言える。
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