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第二十三話 旅ゆかば、酔狂
旅ゆかば、酔狂 七
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「かなり自信がおありだね」
ライブラが本を構え、言った。呪術師は本を手にすれば、魔法陣を省略してわざが使える。
「こいつは名うての殺し屋だ。せいぜいたのしませてくれよ」
大豚はどっかりソファに座り、高級酒のコルクを抜いた。いのちを狙われているというのに見物を決め込んでいる。それほど信頼できるらしい。
「だが魔力は大したことないな」
とレオが言った。魔力のぶつかり合い“魔法合戦”ではレオが圧倒していた。
しかし、
「おお、怖い。どうやらとんでもない魔術師のようだ」
男は銀の手甲をしていた。そして首から下げたネックレスをつまみ、これみよがしに見せつけた。
「チッ……これでは城ごとぶっ飛ばすしかないぞ」
そのネックレス、どうやら魔除けのお守りらしい。それがあれば状態魔法にかからない。
手甲があるから攻撃魔法は効かない。“動けない魔法”などの状態魔法も通用しない。となれば防ぎきれないほどの破壊をぶつけるしかない。
でもこれ、ぼくが行けば済む話じゃない? レオの魔力が充満してるから、あいつも魔法を使えないんでしょ?
「いや、呪術がある」
呪術——こころをエネルギー源として発動するわざで、精神を介して肉体や魂に影響を与える。ときにいのちを奪う力にもなる。
ぼくは以前レオに、魔法と呪いどちらの方が強いか訊いたことがある。そのときレオは長考し、
「突き詰めてしまえば呪いだな」
と答えた。魔術師のレオがだ。彼女はこう続けた。
「速さでいえば断然魔法だ。殺傷力の高いわざを、なんの準備もなく即座にぶちこめる。呪術はそうはいかない。詠唱や魔法陣、相手に触れるなど手間がかかる」
ではなぜか。
「魔法には銀という弱点がある。どんな素人でも銀の盾ひとつで魔法を防げる。だが、呪いを止められるのは“平常心”だけだ。魔法も呪いも結界などで防ぐことはできるが、優れた呪いは受け手がほんのわずか動揺しただけで防御を貫通し、精神を犯す」
つまり極めれば呪いの方が恐ろしいということだ。そして目の前の呪術師は実力者と見て間違いない。
男は言った。
「君たちはこの痛みに耐えられるかな?」
男はふところから紐のついた玉をふたつ取り出した。大きさは目玉くらいで、色は白。さくらんぼのように繋いである。
あれはいったい……と凝視した瞬間、ぼくは気づいた。
——ち、違う! 目玉“くらい”じゃない! 目玉そのものだ!
「クックック……」
男はほくそ笑みながらなにやら呪文を唱えた。すると、どこからともなく声が聞こえた。
——痛いよ……怖いよ……
女の声だった。消え入るような涙声で苦痛を訴えている。
男はぐにゃりと微笑み、言った。
「選ぶのは、善良な市民がいい。なんの罪もない、いつもだれかのためにという、明るくてけなげな娘がいい」
なんのことか、と思った瞬間、男の横に女が現れた。
白い肌、白い髪、白いワンピースの半透明な女。実体はなく、しかし幽霊でもない。
——のちに、こころがかたちを得たものだと知る。
「おれがこの娘になにをしたと思う?」
女は目をつぶっていた。貌かたちを見るに、本来ならやわらかな美女であろうと想像できた。だが苦痛を握りしめるようにぎゅっとまぶたを閉じ、眉間にくしゃくしゃのしわを描いている。
そして恐るべきことに、閉じたまぶたの隙間から、ふたつの目玉が飛び出していた。
「うっ!」
ぼくは吐き気をもよおし、同時に違和感を覚えた。
視界になにかが映っている。まるで空想をしているときのように、まぼろしが頭に浮かぶ。
「これは……」
レオが口元を押さえて言った。彼女もなにか見えているようだった。
「あんた、最低だね」
ライブラが薄い笑みで言った。彼女には異常が起きていないようだった。
「まず、娘を眠らせて、椅子に縛りつけた」
男はへらへら言った。
「このとき一切身動きができないよう完全に固定する。とくに頭をしっかりと」
ぼくの視界に女の裸体が映った。椅子に座り、自身の体を見下ろすかたちで見えている。足は大股開きで、ところどころ縛られている。
——それにしては目線が低い。まるで口かあごあたりに目がついているような感じだ。
「寝ているあいだにまぶたのはしを切って、目玉を取り出しておいた。そうすると、いくら目を閉じても“見えてしまう”」
さっきからこいつはなにを言ってるんだ。娘を縛りつけるとか、目玉を取り出すとか、聞いてるだけで胃液が込み上げてくる。なにかすごくいやな予感がする。
「アーサー、耳をふさげ! 理解すればするほど呪いは効く!」
レオが突如として叫んだ。彼女自身もそうしている。
だが、男の声は不思議とよく通った。
「それでね、おれたちはこの娘をたっぷりいじめてあげたんだ」
「うわっ!」
まぼろしがぐわりと変化した。右目の視界だけ持ち上がった。左目は女体を下向きに映したまま、右目が真正面を向いた状態だ。ものすごく気持ち悪い。
そこに、ナイフが映った。
「わあ! わああ!」
ナイフがぐうっと向かってくる。目の前でひらひらし、切先を近づけ、右へ行ったり左へ行ったりする。ぼくは恐ろしくてへたりこんでしまう。
「この娘はね、動けないんだ。だけど目は見える。目の筋は意外と長くてね。つまんで動かすと、見せたい方に向けられるんだ。そうして両目を太ももに向けて……」
まぼろしが右の太ももに集中する。そして、下向きに握られたナイフがその上に移動する。
まさか……まさかまさかまさか! やめろ! やめろ! やめろ!
「ズドン!」
「わあああああーーッ!」
ぼくは恐ろしいまぼろしを見た。まるで自分の脚にナイフを突き立てられたような実感がある。さもすれば、痛みを感じるほどに。
「はっ……は、はあ……!」
レオが荒い息で男を睨んだ。やはり彼女も見たようだ。
そんなぼくらの頭の中に、女の声が激しく鳴る。目の前の娘が苦痛にもだえる。
——痛いよお! 怖いよお! どうして! どうして!
「うっ……!」
これは……! 映像が! いくつも!
「娘はね、やめて、やめてと叫ぶんだ。怖いから、見たくないから思いっきり目をつぶるんだ。だけど、見えちゃうんだねえ。だってお目目はお外にあるんだから、いくらつぶっても無駄なんだよねえ!」
——助けて! やめて! 見たくない! 見たくない! 痛いよお! 怖いよお!
「うああああっ!」
ぼくはボロボロに崩れ、ガクガク震えながら涙を流した。これは彼女の記憶だ! ぼくの頭に彼女の記憶が流れ込んでくる! あらゆる凶器による残虐の記憶が!
「お、おまえ……なんてことを!」
ぼくは怒りのまま叫んだ。しかし恐怖で体がろくに動かない。次々と現れるまぼろしに冷静でいられない。もはや正気を保つのがやっとだ。
そんなぼくに男は、
「おや? この程度で済むとは……」
首をかしげ、二本足で立つライブラを見て、
「そうか、君が止めているのか」
「そうだよ」
ライブラは本を持ったまま静止していた。止めていたって、なにを?
「痛みさ。あたしの防御呪術でかろうじて痛みの記憶だけは止めているのさ」
なんだって!?
それを聞いてぼくは血の気が引いた。それってつまり、ライブラがガードしてなければ拷問の痛みも実感してたってこと!?
「ま……あまり気にするんじゃないよ。怖がれば怖がるほど呪いはよく通るんだ」
え!? じゃあこれ以上怖がったらもしかして痛みが!? わわわ! わわわわあ!
「しっかし……あんたのカミさんはマジに最強かもねぇ」
「へっ?」
そう言われてぼくはレオを見た。同時に男がガタッと後退し、叫んだ。
「い、色が……!?」
レオの体が赤く変化していた。
緑色の長い髪が真紅に染まり、エメラルドの瞳がルビーのように輝いた。
それは彼女がブチ切れている証拠だ。なぜかレオは本気で怒ると髪と目の色が変わる。肌のうぶ毛も赤く変わり、全身がうっすら赤みがかって見える。
「許さん……」
レオは悪魔でさえ震えかねない声で言った。
「ただでさえ胸クソ悪いことをして……しかもその痛みを愛するアーサーに与えようなどと、決して許さん! 死ぬだけで済むと思うな!」
ドバッと暴風が吹き荒れた。怒りで爆発したレオの魔力が風となり、いかづちとなり、部屋じゅうを駆け巡っている。
しかも、
——バキン!
「ひ、ひい!」
男のネックレスがはじけ飛んだ。本来なら魔を防ぐはずのお守りが、その強烈な圧により砕けてしまった。
レオは言った。
「きさまに地獄を味合わせてやる! 覚悟するんだな!」
男の体がビクンと硬直し、倒れた。どうやら“動けない魔法”をかけたらしい。首から上だけが真っ青にレオを見上げた。
「逃げるなクソ豚!」
どさくさに逃げようとしていた領主がいなずまではじけ飛んだ。レオがその気になれば睨んだだけで軍隊を潰せる。
「さあて、どう料理してやろうか! うまく加減せんとすぐ殺してしまうからなあ!」
開いていた扉がバタンと閉まり、錠の音が鳴った。レオは目的も忘れて拷問をはじめようとしていた。
そこに、
「まあ、待ちなよ」
ライブラが前に出て言った。レオは怒り収まらず、
「なんだ!」
「ここはあたしに任せてくれないかい?」
「なんだと!?」
「ちょいとこいつに訊きたいことがあってね。ま、悪いようにはしないからさ。呪術師の仕事ってことで、ここはひとつ任せておくれよ」
ライブラが本を構え、言った。呪術師は本を手にすれば、魔法陣を省略してわざが使える。
「こいつは名うての殺し屋だ。せいぜいたのしませてくれよ」
大豚はどっかりソファに座り、高級酒のコルクを抜いた。いのちを狙われているというのに見物を決め込んでいる。それほど信頼できるらしい。
「だが魔力は大したことないな」
とレオが言った。魔力のぶつかり合い“魔法合戦”ではレオが圧倒していた。
しかし、
「おお、怖い。どうやらとんでもない魔術師のようだ」
男は銀の手甲をしていた。そして首から下げたネックレスをつまみ、これみよがしに見せつけた。
「チッ……これでは城ごとぶっ飛ばすしかないぞ」
そのネックレス、どうやら魔除けのお守りらしい。それがあれば状態魔法にかからない。
手甲があるから攻撃魔法は効かない。“動けない魔法”などの状態魔法も通用しない。となれば防ぎきれないほどの破壊をぶつけるしかない。
でもこれ、ぼくが行けば済む話じゃない? レオの魔力が充満してるから、あいつも魔法を使えないんでしょ?
「いや、呪術がある」
呪術——こころをエネルギー源として発動するわざで、精神を介して肉体や魂に影響を与える。ときにいのちを奪う力にもなる。
ぼくは以前レオに、魔法と呪いどちらの方が強いか訊いたことがある。そのときレオは長考し、
「突き詰めてしまえば呪いだな」
と答えた。魔術師のレオがだ。彼女はこう続けた。
「速さでいえば断然魔法だ。殺傷力の高いわざを、なんの準備もなく即座にぶちこめる。呪術はそうはいかない。詠唱や魔法陣、相手に触れるなど手間がかかる」
ではなぜか。
「魔法には銀という弱点がある。どんな素人でも銀の盾ひとつで魔法を防げる。だが、呪いを止められるのは“平常心”だけだ。魔法も呪いも結界などで防ぐことはできるが、優れた呪いは受け手がほんのわずか動揺しただけで防御を貫通し、精神を犯す」
つまり極めれば呪いの方が恐ろしいということだ。そして目の前の呪術師は実力者と見て間違いない。
男は言った。
「君たちはこの痛みに耐えられるかな?」
男はふところから紐のついた玉をふたつ取り出した。大きさは目玉くらいで、色は白。さくらんぼのように繋いである。
あれはいったい……と凝視した瞬間、ぼくは気づいた。
——ち、違う! 目玉“くらい”じゃない! 目玉そのものだ!
「クックック……」
男はほくそ笑みながらなにやら呪文を唱えた。すると、どこからともなく声が聞こえた。
——痛いよ……怖いよ……
女の声だった。消え入るような涙声で苦痛を訴えている。
男はぐにゃりと微笑み、言った。
「選ぶのは、善良な市民がいい。なんの罪もない、いつもだれかのためにという、明るくてけなげな娘がいい」
なんのことか、と思った瞬間、男の横に女が現れた。
白い肌、白い髪、白いワンピースの半透明な女。実体はなく、しかし幽霊でもない。
——のちに、こころがかたちを得たものだと知る。
「おれがこの娘になにをしたと思う?」
女は目をつぶっていた。貌かたちを見るに、本来ならやわらかな美女であろうと想像できた。だが苦痛を握りしめるようにぎゅっとまぶたを閉じ、眉間にくしゃくしゃのしわを描いている。
そして恐るべきことに、閉じたまぶたの隙間から、ふたつの目玉が飛び出していた。
「うっ!」
ぼくは吐き気をもよおし、同時に違和感を覚えた。
視界になにかが映っている。まるで空想をしているときのように、まぼろしが頭に浮かぶ。
「これは……」
レオが口元を押さえて言った。彼女もなにか見えているようだった。
「あんた、最低だね」
ライブラが薄い笑みで言った。彼女には異常が起きていないようだった。
「まず、娘を眠らせて、椅子に縛りつけた」
男はへらへら言った。
「このとき一切身動きができないよう完全に固定する。とくに頭をしっかりと」
ぼくの視界に女の裸体が映った。椅子に座り、自身の体を見下ろすかたちで見えている。足は大股開きで、ところどころ縛られている。
——それにしては目線が低い。まるで口かあごあたりに目がついているような感じだ。
「寝ているあいだにまぶたのはしを切って、目玉を取り出しておいた。そうすると、いくら目を閉じても“見えてしまう”」
さっきからこいつはなにを言ってるんだ。娘を縛りつけるとか、目玉を取り出すとか、聞いてるだけで胃液が込み上げてくる。なにかすごくいやな予感がする。
「アーサー、耳をふさげ! 理解すればするほど呪いは効く!」
レオが突如として叫んだ。彼女自身もそうしている。
だが、男の声は不思議とよく通った。
「それでね、おれたちはこの娘をたっぷりいじめてあげたんだ」
「うわっ!」
まぼろしがぐわりと変化した。右目の視界だけ持ち上がった。左目は女体を下向きに映したまま、右目が真正面を向いた状態だ。ものすごく気持ち悪い。
そこに、ナイフが映った。
「わあ! わああ!」
ナイフがぐうっと向かってくる。目の前でひらひらし、切先を近づけ、右へ行ったり左へ行ったりする。ぼくは恐ろしくてへたりこんでしまう。
「この娘はね、動けないんだ。だけど目は見える。目の筋は意外と長くてね。つまんで動かすと、見せたい方に向けられるんだ。そうして両目を太ももに向けて……」
まぼろしが右の太ももに集中する。そして、下向きに握られたナイフがその上に移動する。
まさか……まさかまさかまさか! やめろ! やめろ! やめろ!
「ズドン!」
「わあああああーーッ!」
ぼくは恐ろしいまぼろしを見た。まるで自分の脚にナイフを突き立てられたような実感がある。さもすれば、痛みを感じるほどに。
「はっ……は、はあ……!」
レオが荒い息で男を睨んだ。やはり彼女も見たようだ。
そんなぼくらの頭の中に、女の声が激しく鳴る。目の前の娘が苦痛にもだえる。
——痛いよお! 怖いよお! どうして! どうして!
「うっ……!」
これは……! 映像が! いくつも!
「娘はね、やめて、やめてと叫ぶんだ。怖いから、見たくないから思いっきり目をつぶるんだ。だけど、見えちゃうんだねえ。だってお目目はお外にあるんだから、いくらつぶっても無駄なんだよねえ!」
——助けて! やめて! 見たくない! 見たくない! 痛いよお! 怖いよお!
「うああああっ!」
ぼくはボロボロに崩れ、ガクガク震えながら涙を流した。これは彼女の記憶だ! ぼくの頭に彼女の記憶が流れ込んでくる! あらゆる凶器による残虐の記憶が!
「お、おまえ……なんてことを!」
ぼくは怒りのまま叫んだ。しかし恐怖で体がろくに動かない。次々と現れるまぼろしに冷静でいられない。もはや正気を保つのがやっとだ。
そんなぼくに男は、
「おや? この程度で済むとは……」
首をかしげ、二本足で立つライブラを見て、
「そうか、君が止めているのか」
「そうだよ」
ライブラは本を持ったまま静止していた。止めていたって、なにを?
「痛みさ。あたしの防御呪術でかろうじて痛みの記憶だけは止めているのさ」
なんだって!?
それを聞いてぼくは血の気が引いた。それってつまり、ライブラがガードしてなければ拷問の痛みも実感してたってこと!?
「ま……あまり気にするんじゃないよ。怖がれば怖がるほど呪いはよく通るんだ」
え!? じゃあこれ以上怖がったらもしかして痛みが!? わわわ! わわわわあ!
「しっかし……あんたのカミさんはマジに最強かもねぇ」
「へっ?」
そう言われてぼくはレオを見た。同時に男がガタッと後退し、叫んだ。
「い、色が……!?」
レオの体が赤く変化していた。
緑色の長い髪が真紅に染まり、エメラルドの瞳がルビーのように輝いた。
それは彼女がブチ切れている証拠だ。なぜかレオは本気で怒ると髪と目の色が変わる。肌のうぶ毛も赤く変わり、全身がうっすら赤みがかって見える。
「許さん……」
レオは悪魔でさえ震えかねない声で言った。
「ただでさえ胸クソ悪いことをして……しかもその痛みを愛するアーサーに与えようなどと、決して許さん! 死ぬだけで済むと思うな!」
ドバッと暴風が吹き荒れた。怒りで爆発したレオの魔力が風となり、いかづちとなり、部屋じゅうを駆け巡っている。
しかも、
——バキン!
「ひ、ひい!」
男のネックレスがはじけ飛んだ。本来なら魔を防ぐはずのお守りが、その強烈な圧により砕けてしまった。
レオは言った。
「きさまに地獄を味合わせてやる! 覚悟するんだな!」
男の体がビクンと硬直し、倒れた。どうやら“動けない魔法”をかけたらしい。首から上だけが真っ青にレオを見上げた。
「逃げるなクソ豚!」
どさくさに逃げようとしていた領主がいなずまではじけ飛んだ。レオがその気になれば睨んだだけで軍隊を潰せる。
「さあて、どう料理してやろうか! うまく加減せんとすぐ殺してしまうからなあ!」
開いていた扉がバタンと閉まり、錠の音が鳴った。レオは目的も忘れて拷問をはじめようとしていた。
そこに、
「まあ、待ちなよ」
ライブラが前に出て言った。レオは怒り収まらず、
「なんだ!」
「ここはあたしに任せてくれないかい?」
「なんだと!?」
「ちょいとこいつに訊きたいことがあってね。ま、悪いようにはしないからさ。呪術師の仕事ってことで、ここはひとつ任せておくれよ」
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