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第一章
小さな星屑 第四話
しおりを挟む購買まで真矢を連れてきた蒼太が入口で待っていると、大量のメロンパンと牛乳を買って真矢が戻ってきた。
「やっぱり、昼飯といえばメロンパンが最強やな。蒼太は買わんのか?」
「俺は良いよ、弁当あるから。じゃあ教室戻るぞ」
「ちょっと待ってくれや」
教室に戻ろうとする蒼太を真矢が引き止める。
「まだ案内させるのか?」
「行きたいとこまだあんねん。頼むわぁ」
真矢は再び両手を前で合わせて蒼太に頼んだ。
「全く…今度はどこだ?」
「せやなぁ…今度は屋上に頼むわ」
真矢は楽しげに次の目的地を発表した。
蒼太たちが購買で話していた頃。羅夢は同級生の亀井 瑞希(かめい みずき)と一緒に、行方をくらませた隼人のことを探してた。
「隼人せんぱい、どこ行ったんだろう」
「ねぇ、羅夢ちゃん。諦めて戻ろうよ…」
「ダメッ‼︎せっかくお弁当作ってきたんだから、せんぱいに食べてもらうんだから‼︎嫌なら私一人で探すから、瑞希は教室戻ってても良いよ‼︎」
「分かったよ…」
羅夢の熱量に負けた瑞希は引き続き一緒に探すことにした。
「あと行きそうなところは…屋上だ。瑞希行くよ‼︎」
「ちょっと、待ってよ~」
二人は急いで屋上に向かった。
蒼太に案内してもらって屋上にたどり着いた真矢は、空を見上げながら大きく伸びをした。
「やっぱ、昼飯は太陽の下で食わんとなぁ」
「太陽の下なら中庭でも変わらないだろ」
「分かってないなぁ。まぁええわ。なぁ、蒼太…」
真矢が何か話しかけようとした時、突然勢いよく屋上の扉が開くと、扉の向こうから羅夢たちが飛び込んできた。
「あっ、蒼太先輩」
「おぉ、村田じゃねぇか。まだ隼人探してるのか?」
「どこ探しても居ないんですよ…蒼太先輩、知りませんか?」
あっちこっち探してきた上に、お目当ての隼人じゃなかったという残念さからか、一気に疲れが来たようでため息まじりに羅夢は口を開いた。
「さぁ?隼人のやつチャイムと同時にダッシュでどこか行っちまったからなぁ」
羅夢に向かって説明していると、後ろにいる大人しそうな眼鏡の女子が目に入った。
「えっと、君は確か…」
「あっ、羅夢ちゃんと同じクラスの亀井瑞希です」
突然話しかけられて驚いたのか、瑞希はたどたどしく答えた。
「そうそう、亀井さんだった」
「蒼太、名前忘れるとかひどいやっちゃなぁ」
真矢が買ってきたメロンパンを頬張りながら嫌味っぽく言った。二人がそんなやり取りをしている中、どうやらここにも隼人は居ないと悟った羅夢は深くため息をついた。
「はぁ~じゃあ颯太先輩からこのお弁当、隼人せんぱいに渡しておいてもらえますか?」
羅夢は弁当の入った紙袋を渡すと、教室に戻ることにした。が、一度立ち止まって振り返った。
「蒼太先輩は食べちゃダメですからね」
「食べねぇよ」
「じゃあ、お願いします」
念を押すように伝えると、羅夢は足早に屋上を去っていった。
「羅夢ちゃん待ってよ‼︎」
置いていかれてしまった瑞希は深々と蒼太たちに一礼すると、慌てて羅夢を追いかけた。
「なんや、隼人って人気もんなんやなぁ」
「どうやらそうみたいだな」
ゴトッゴトッ
後ろから物音がしたので二人が振り返ると、給水タンクの上から隼人が顔を覗かせてきた。
「ふぅ…危ない危ない」
「いや、おったんかい‼︎」
思わず突っ込んでしまった真矢に対して、蒼太は呆れて何も言えない様子だった。
「掃除用具箱の次は給水タンクの上。よく隠れるとこ思いつくよな」
「蒼太も毎日逃げてたら、嫌でも思いつくよ」
そう言ってタンクの上から降りてきた隼人に、蒼太は先ほど受け取った紙袋を渡した。
「せめて弁当は食べてやれよな」
「それもそうだな」
隼人は紙袋を受け取ると、近くに腰掛けて弁当を開いた。
「ところで弓瀬。さっき俺に何か言いかけてなかったか?」
蒼太が尋ねると、真矢はちょうど2個目のメロンパンを食べようとしているところだった。
「せやった。蒼太、実はお前に話があってん」
真矢は食べようとしていたメロンパンを袋に戻すと颯太の前に立った。
「蒼太…俺と一緒にダンスやらへんか?」
真矢の想定外過ぎる言葉に、ただただ蒼太は固まった。
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