触手系な彼女と半吸血鬼な彼氏の性事情

琴葉悠

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二人の視点

現状打破の結婚式

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 早朝、目を覚まして先輩の腕から抜け出し、お泊まり用に用意していた服に着替える。
 そして、完全栄養食型スムージーを飲む。

「マナ……」
「ああ、先輩目が覚めたので一足先に食事を取っていました」
「分かった……」

 先輩はのろのろと動き着替えて、血液パックの血を飲み、顔を洗いに行って目を覚ました。

「さて、どうしよう」
「大学に行きますか」
「早いけどそうするか」

 私達は一緒に大学へと向かうことにしました。

 朝早いと言うのに、女性陣が先輩に近づいてきた。
「先輩、なんでこんな子がいいんです~?」
「私達の方がいいですよ、一緒に遊びましょうよ~!」
「学問をおろそかにする君達と私は相容れない、そしてその目つき気に食わん。マナに何かしてみろ、私が直々に制裁を下してやる」
 先輩の圧に女性陣は逃げる逃げる。

 そして先輩と学部と講義の都合で別れた私の元へやってくる。
「アンタ、クルス先輩と別れなさいよ!」
「お断りします」
「痛い目に遭いたい訳⁈」
「痛い目に遭うのは──」

「貴方達ですが?」

「え?」
「マナさん、後の事は私共にお任せ下さい」
 黒服の方々がやってきて脅していた女性陣全員連れて行った。
 わーい、触手族って保護されてるからこういう時有り難いなー。


「マナさん、クルス先輩と付き合ってるって聞いたんですけど……」
「俺も、聞いた」
 サークル活動を最近放置してたので顔を出すとそう聞かれた。
「そうですが」
「あの、どちらが先に?」
「クルス先輩からですね、経緯は内緒です」
「え、凄い!」
「経緯が気になるけど、あのクルス先輩が、告白するなんて、すごい」
「確かに、私も面くらいましたよ」
「告白されると思わなかったの?」
「はい」
「……マナさん、やっぱり凄い」
「マナさん、凄いなぁ」
「それほどでもないかな?」
 触手族なんてバラす必要ないし、気が楽です。


 いったん自分のマンションに帰り、服を補充して先輩のマンションへ向かいます。
 先輩のマンションの中に入り、先輩の部屋に入ると、黒服の方が先輩の手当をしていました。
「黒服さん?」
「女達に囲まれ、男にも囲まれ、精神的にきたらしく吐いた所を救助しました、学校には報告済みです」
「……で、囲んでいた連中は?」
「全員連れて行きました、大学側にも報告済みです」
「お世話有り難う、後は私がやります」
「はい、では」
 黒服さんはそう言って部屋を後にし、私は鍵をかけると、先輩の顔をタオルで拭きます。
「先輩……」
「……マナ?」
 先輩が目を開けます。
「先輩、大丈夫でしたか?」
「大丈夫……黒服の……人物が助けてくれた」
「それは良かった」
「……マナの知り合い、なんだろう?」
「まぁ、そうですね」
「だから信用した」
「有り難うございます」
「マナ」
「はい、何でしょう」
「結婚してくれ」
「はい?」
 耳を疑います。
「結婚してくれ」
「卒業まで待てませんか」
「ああ、待てない。結婚した方がいいと思った」
「……はい、いいですよ、先輩」
「本当か、なら……」
「?」
「クルス、と読んでほしい」
「分かりました、クルスさん」
「さんづけか……」
「すみません、そういう性格なもので」
「いや、いい」
 先輩は起き上がりました。
「せ……クルスさん、無理しちゃ駄目ですよ」
「指輪を買って、両親達にも言おう」
「……分かりました」
 先輩──クルスさんは強引なところがあるんですよね、嫌いじゃないですけど。

 その後、あまり高くないジュエリーショップでおそろいの指輪を購入し、指につけました。
 それから両家の家族に電話をして結婚式を挙げたいとクルスさんがいったので、急遽私の父母とクルスさんのご両親がやって来て、話合い。
 まだ早すぎるというクルスさんのご両親に早くない、寧ろ結婚しないとトラブルが頻発すると言われ私の母が、クルスさんがそう言って居るならそうしても良いですよという一声を出したのをきっかけに二ヶ月後に式を挙げることになった。

 その間、母とクルスさんのご両親と私達で結婚式の式場の選択と呼ぶ人の選択、そしてドレスやケーキのデザイン等を依頼しました。

 そして二ヶ月後──
「露出控えめで有り難いです」
「マナ、綺麗だねぇ」
「マナ、本当に綺麗よ……!」
「マナ、うう綺麗だ、本当に、綺麗だ……」
「マナちゃん、本当に綺麗よ」
「マナ、あーその、綺麗だな」
「マナ姉さん綺麗!」
「うん、綺麗!」
 家族総出で私のドレス姿を褒めます、ドレスが綺麗なだけであって私が綺麗ではないのですから。

「マナ」
「クルスさん」

 白いタキシード姿のクルスさんはとても綺麗で、格好よいです。
「マナ、綺麗だ」
「有り難うございます。クルスさんも素敵です」
「そうか、有り難いな」
 クルスさんはそう言って私の両親の方を向きます。
「このたびは私の我が儘を通してくださりすみません」
「いいえ、いいのよ」
「可愛い孫の晴れ姿をこうして見せてもらえて幸せですとも」
 祖母も言う。
「マナを……よろしく頼みます」
「はい」
 父の言葉に、先輩は強く頷いた。

 まだ式まで時間があったのできてくれた地元友人達とも話をした。
 久しぶりのことなので会話が弾んだ。

「そろそろ式の時間です」

 スタッフの言葉に私達は案内される。
 父とバージンロードを歩き、誓いのキスをして、場所を変えて母からの手紙に涙して、クルスさんもお母様の手紙に涙して、そしてケーキをたべっこさせてから、お色直し。
 そして歓談。
 ああ、幸せだと思いました。
 誰にも邪魔されず、結婚できるなんて幸せだなぁと。

「これからは私のマンションに住んでくれ」
「はい、クルスさん」

 私はにこりとクルスさんに微笑み、クルスさんも嬉しそうに笑いました。




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