ハッピーエンド=ハーレムエンド?!~TS転生でへたれ攻めだけど幸せにしてみせる!~

琴葉悠

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第四章:ちょっと波乱すぎない?!

予想外の事態と「最後」の二人

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――ちょっとやりすぎだったんなら止めてくださいよ神様!!――
『いや、別にやりすぎたとは思ってはおらなんだ』
――じゃあこれは何なんですか?!――
『まぁ、確かにそうなるのは分かっていた』
――だったら止めてくださいよ!!――
『んー、馬鹿男ベネデットの鼻っ柱へし折るのなら一番良いのがそれだったし』
――私は教授に何を言えばいいのですか?!――

 確かに鼻っ柱へし折るには一番良かったならそれはいいけど、教授の自信を奪うのは想定外もいいところだ!!

――というか何で?!――
――学院の教授ならエリクサーを作れるのは普通だよね?!――
――なのにどうして?!?!――

 私の疑問はそれだ。
 兄の治療にエリクサーを使おうとしたが、城の者が作る薬はロクに飲めなかった。
 いや飲むことを兄が拒否していた。
 仕方ないので父と母が作るべきかという話が出たのだが――

 父はエリクサーを作るのは非常に苦手、母は作れるのだが魔力をすさまじく持っていかれて数日寝込む事態になるのが分かり、どちらかに作ってもらっても後の公務などに支障がきたす事が判明。

 なのでまだエリクサーの作り方を知らない私が兄の毒を消す薬を新しく作るという事態になった。

 だって、まだ早いって教えてくれなかったんだよ、教育係が。

 それを周囲には確かに驚かれたが……

 エリクサーより万能性はあの薬は劣るが有能な新薬、しかも作りやすいという点が評価された。
 一番の評価箇所は精神への「毒」や「病」に効果的という事で、副作用のある精神的な病への薬よりも副作用のない安全な薬として注目を浴びたが、作ったのは誰かとはまだ公開はしてない。
 いや、そうだろ、何せまだ16のエリクサー作れない若造が作ったとかなったら大騒ぎどころじゃないから、とりあえず、発案製造者である私の事は私が学院を卒業するまで伏せられることとなった。

――どっちにしろ、びびられそうだけどねー……――
――っていかんいかん、話がそれた!!――
――何でここまで自信喪失するんじゃ?!?!――
『まぁそうだな……』
――何ですか?――
『この学院の調合錬金の教授になる試験の一つを新入生が一発でクリアしたの見て自信喪失したんだろう』
――はい?――

 神様の言葉がよく、理解できない。

『教授になるための試験の一つが、エリクサーの「材料」にならないような素材達を使ってエリクサーを作るという事なのだ。つまり、お前はそれやったのだ』
――それ早くいってー!!――
――寧ろ先に教えてー!!――
――教えてくれてたらやらんかったわ、別のを作ってたわ!!――

 頭を抱える。
 な、なんとフォローをしたら良いのか分からない!!
 誰か助けて!!
 ヘルプミー!!

『まぁ、今回は私がスルーしたのもあるだろうし、フォローしてやる』
――ありが……ってどうやって?!――
『助言だ、いつも通りの。そうだな……とりあえず教授にだけ色々と話せ』
――色々って何ー?!?!――
『お前が昔作った薬についてだ。確か「ドルチェ・ジア」だったか?』
――え?!――
――あれ製造したの私だって教授に言うの?!――
『それと、錬金や調合の素材費用で民に負担がかからないように「抽出」「変換」「組み換え」「注入」「再構成」を城の書物から学んだと言っておけ。事実だろう』
――う、うん、わ、わかった……――




 いつもの如く「戻り」蹲る教授に、近寄り囁く。
「セデュム教授、あの私はインヴェルノ王家が二年前新しく創り出した薬『ドルチェ・ジア』の……その、製作者、です」
「な、何ですと……?!」
 教授が顔を上げる。
 自信喪失した顔が興味の色に染まった。
「え、ええ。そ、それと……薬などを作る時に素材の費用などで民に負担がかかるのが嫌で何か方法はないかとインヴェルノ王家の書庫を読み漁り……『抽出』『変換』『組み換え』『注入』『再構成』について学び、使えるようになっています……」
「そ、その本の著者はもしかして……!!」
「……術王サロモネ・インヴェルノ……です。私の……先祖です」
「!! ああ、ブルーノ学長が言っていた……!!」
 私の言葉に、漸く教授は納得してくれたようだった。
 教授が立ち上がるのを確認してから私も立ち上がる。
「これほどの逸材だったなら今年の入学式に参加していれば良かった!!」
 手を握られ、そう言われた私は目を丸くする。

――え、この教授、入学式見に来てないの?――
『いや、何と言うか代表がどの程度か実際に見て知りたい聞かないようにしてるらしい、楽しみが半減するからとか。四年に一度見に行く程度だ』
――なんなんすかそれは……――
『よくわからん』
――いや、私も分かりませんよ――




 嫌な奴ベネデットの鼻っ柱を折る事は成功しているが、別の意味で厄介ごとを起こしてしまったのは、嫌でも理解できた。

――神様、お願いですから助言くださいちゃんと……――
『いやぁ、そっちの方が色々と都合が良さそうだったから』
――無慈悲だ……!!――
『茨の道なのだ、諦めろ』

 神様はやはり甘くはないのだと、私の道は険しいのだと久しぶりに認識した。




 その後の講義を一つ受けたが、こちらも大変な目に遭った。
 魔術学基礎の講義だが、そちらの教授は、入学式の「手合わせ」を見ていたので、もう大変だった。

 質問攻めにあうわ、研究室に入らないかとか、まぁ色々あった。

 もう、断るという言葉も入れされせてくれなかったので、フィレンツォが助け舟だして丁重に、丁重に対応してくれた、色々と。

――本当助かった――

 本当は、もう一個講義を受けようかなとか思ってるけど、止めた。
 肉体的には疲れてないが精神的にすさまじく疲れた。
 明日からの他の講義もかなり憂鬱だ。

「だ、ダンテ殿下、大丈夫、ですか?」
「え、ええ……少々疲れました。フィレンツォ、今日は三つ講義を受けるつもりだったのですが……もう帰っていいですか?」
「ええ、それをお勧めします、ダンテ殿下」
「ぼ、僕も、一緒……はその」
「私もその……」
 エリアとクレメンテが私に同行……基講義は今日はこの辺にして後はゆっくり休みたいという雰囲気を出している。
「クレメンテ殿下と、エリアも、宜しければ今日はインヴェルノ王家の屋敷でゆっくりしませんか?」
「は、はい!」
「有難うございます、ダンテ殿下」
「いいえ……」
 正直今日は疲れた、ゆっくり休みたい。


 そう思っている時だった。


「――ダンテ殿下!!」
 私を呼ぶ声に振り向いてしまう。
 緑色の髪の青年が駆け寄ってきた。
「良かった、追いつけて!!」
 人の良さそうな笑顔の青年は、私を見て安心したように言う。
 フィレンツォは何かあったら即座に対応できるようにしており、エリアは私の服の袖を掴んでいる。
「えっと貴方は……?」
 知っているが「初対面」の彼に私はたずねる。
「あ、申しおくれました!!」
 彼は会釈をしてから、私をしっかりと見て口を開いた。
「私はエステータ王国、アナベル伯爵家の長男アルバート・アナベルと申します」
 彼は――アルバートは綺麗なアクアブルーの目で私を見つめてそう言った。

「アルバート様!!」

 急いで駆け寄ってくる青年がいた。
 バターブロンドに、薄紫の目、焼けた肌の青年。
 アルバートよりも背丈が少し高い、しっかりとした体つきの青年。
「カルミネ!!」
「申し訳ございません、ダンテ殿下。アルバート様が邪魔をしてしまい……」
「いえ、気にしていません……ところで、貴方は」
「私はカルミネ・シネン。エステータ王国、シネン子爵家の長男です」
「カルミネと私は幼馴染なんです、ダンテ殿下!!」
「アルバート様!! もう少し貴方は礼儀というのを……」
「いえいえ、私は其処迄気にしませんから、カルミネさん、どうかお気になさらず」
「呼び捨てで構いません、ダンテ殿下」
 生真面目そうな彼――カルミネに私は苦笑した。




『さぁ、これで全員とお前は出会ったわけだ』

 神様の声がする。

『助言はするが、それでもお前の努力は必要だ、忘れるな』
――分かって、います――

 全員を幸せにするためならば――

――私は何だってやってやる――





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