119 / 120
第七章:ハッピーエンド=ハーレムエンド!!
ラストバトルはかっこよく……終わらなかったよ……
しおりを挟む「エドガルドそちらは大丈夫ですか?」
『問題ない、ダンテそっちは?』
「大丈夫です」
私達は各地の封印の地へと向かい、生の苦しみを開放するための手順を確認しながら通信魔術で各自の安否を確認する。
――精鋭部隊っていってたけど大丈夫かなぁ?――
『不安症だな、安心しろ、問題はない、襲われても対処してくれる』
――そうでなかったら恨んでやるー―
『恨むな! 頼むから!』
『エリアです、目標の場所につきました』
『こちらクレメンテ、同じく』
『エドガルドだ、着いたぞ』
『カルミネだ、こっちも問題なく到着した、そちらはどうだ?』
「――今到着して、敵さんのご登場です」
『『『『?!』』』』
「ようこそ、ダンテ・インヴェルノ殿下。此処が貴方の終わりの地だ」
「それは貴方の終わりの地でしょう?」
「ぬかせ若造!! サロモネ王に阻まれたが生への憎しみ達を開放し、あらゆる命を私の配下と――」
「根本から間違ってますね、彼らは生への憎しみから命ある物を襲ってるわけじゃない、苦しみから、悲しみから襲っているんですよ。まぁ、貴方にはわからないでしょうね」
「ベルナルド・アコーニト」
「何故分かった……!!」
フルヴィオによく似た前世的外見年齢だと40程の男がそこにいた。
「フルヴィオにあんな術はできない、だがアコーニトの現当主である貴方の子孫から、そのような術をつくった人物がいると聞いたので作った貴方が犯人と見受けしました。何せ貴方は死んだ扱いになってますからね」
「――フン、頭が良くてももうどうにもならん!! 封印は今――」
「アルバート!!」
「は、はい!!」
「皆、手順通りに!! 精鋭部隊の方は護衛を宜しくお願いします!!」
「「「「「はっ!!」」」」
『わかったダンテ』
『わ、わかりました!』
『エリア、落ち着いて』
『ああ、落ち着いてだ、ダンテもな』
私は深呼吸してから手をかざす。
「赦したまえ、赦したまえ、我らは罪人、罪の子ら」
「神より産み落ちたるも、罪を重ねに、重ね、今を生きる」
「されど罪を知り、贖い、主神アンノに捧げよう」
「赦したまえ、救いたまえ――」
「生の苦しみにどうか救いを、彼らに救いを与えたもう!!」
「神よ我らを憐れみたまえ!!」
アルバートの持っている「主神アンノの涙」が輝き、封印の柱に吸い込まれた。
封印の地が光り始め、天へと伸びる光を一気に放出する。
「っ……!!」
「眩しい……!!」
『何が起きた……!?』
『皆さん、大丈夫……?!』
『大丈夫だ……!!』
『こちらも……!!』
やがて光は消え、封印の柱が美しい色にそまったと思うと、崩れて跡形もなくなり、封印されているはずの物体がある場所は消えて無くなった。
「そ、そんな……!!」
主犯格――ベルナルド・アコーニトは封印されていた場所があった所に駆け寄り何度も触るが、もう何もない其処は反応を示さない。
「おのれ、おのれ、ダンテ・インヴェルノォオオオオ!! 貴様だ……」
「神の炎よ!!」
「ぎゃあああああああああああ!!」
全身大やけどで失神手前で神の業火を消してやる。
精鋭部隊の方達が、ベルナルド・アコーニトを確保する。
「ようやく、おわ……た?」
私の視界がぐらぐらと揺れ始める。
「ダンテ様?」
「ダンテ?」
私はその場で倒れ込み意識を暗転させた――
『よくやった』
「ちょっとこれ私死んでない?」
展開から見て死んだ気しかしないので神様に文句を言う。
『死んでないから安心しろ』
「それならいいんだけど……」
神様との空間でふぅと息を吐く。
「じゃあ、どうして私を此処に呼んだの? というか、何で私気絶したの?」
『まず気絶した理由だが、お前は強力な魔術――浄化魔術を使って魔力を殆ど持っていったのにかかわらず、また強力な魔術を体力を削ってまで使用したからだ』
「あ、なるほど」
『次に、ここに呼んだ理由だが――』
『頑張ったお前に少しだけ褒美をやろうとな』
「はい……?」
神様の言っていることが理解できなかった。
『これを見ろ』
神様が見せてきたのは――
「こ、これ、わ、私が、美鶴だった時に書いた小説と同じ題名!!」
『お前の友人は出版にこぎつけ、ベストセラーになったものもある程だ』
「わー!! すごーい!!」
『此処にいる間だけ、お前にこれらの本を読む権利をやろう』
「わーい!! やったー!! 挿絵とか漫画とか超気になるぅ!!」
私は純粋に喜んだ。
『さて、もう一つ』
「ん?」
他に何があるんだろう、と思っていたらモニターが出現しそこには――
「真由美ちゃん……!!」
私服姿だが、バリバリに仕事をこなしている真由美ちゃんの姿があった。
『彼女はあの後お前を慕う仲間達と共同で仕事を起こし、お前がやるであろう事柄の一部を成し遂げ、またお前の様な人物がでないように働いてる最中だ』
「……真由美ちゃん、すごいねぇ、えらいねぇ……」
思わず、涙が出た。
嬉しかったのだ。
前を向いて歩いてくれたことが。
『さて、今回はさっさと目を覚ました方がよさそうだから起きるといい、そして存分に叱られろ』
「え゛?! ちょ、ちょっとー!!」
『ははははは!! あの時、お前が何かしなくても精鋭部隊が確保してたからな!! 心配性が裏目にでたな!』
「酷い―!! それ先に言ってー!!」
神様に文句を言ったのを最後に私の視界は再び真っ黒になった。
「ん……」
目を開けると目を赤くしているエドガルドに、エリア、クレメンテ、アルバート、カルミネが私の顔を覗き込んでいるのが見えた。
「えっとあの後どうなったので……」
「「「「「ダンテ(様)!!!!」」」」
「おぶわっ?!」
体を起こしたと同時に、全員が私に抱き着いてきて再びベッドに沈みかけるが何とか持ちこたえる。
「ダンテ様、此度は本当に心臓に悪かったですよ……」
「すまない、フィレンツォ……」
「というわけでお説教の時間です」
「げ」
フィレンツォのお説教はとにかく長い。
「め、目覚めたばかりだから、その――……お手柔らかにオネガイシマス……」
「本当に、貴方様という御方は――!!」
フィレンツォのお説教を聞きながら、五人皆に抱きしめられ続けた私は二度目のダウンをすることになるのだった。
10
あなたにおすすめの小説
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
追放された『呪物鑑定』持ちの公爵令息、魔王の呪いを解いたら執着溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
「お前のそのスキルは不吉だ」
身に覚えのない罪を着せられ、聖女リリアンナによって国を追放された公爵令息カイル。
死を覚悟して彷徨い込んだ魔の森で、彼は呪いに蝕まれ孤独に生きる魔王レイルと出会う。
カイルの持つ『呪物鑑定』スキル――それは、魔王を救う唯一の鍵だった。
「カイル、お前は我の光だ。もう二度と離さない」
献身的に尽くすカイルに、冷徹だった魔王の心は溶かされ、やがて執着にも似た溺愛へと変わっていく。
これは、全てを奪われた青年が魔王を救い、世界一幸せになる逆転と愛の物語。
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる