ブラック企業を辞めたら悪の組織の癒やし係になりました~命の危機も感じるけど私は元気にやっています!!~

琴葉悠

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爆弾発言~不老不死の素なんてごめんです~

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「黒炎さん、えっとその……や、やっぱり何でも無いです!」
「⁇」
 黒炎達が裏切り者達を処分した翌日から、急に美咲の黒炎に対する反応が変わった。
 何か話しかけようとするが、すぐ顔を真っ赤にしてぴゅーっと部屋に引きこもるのだ。

 それでも仕事はこなしているが、明らかに効率が悪くなった。
「美咲に処分の件がバレたか?」
「いえ……そのような様子は?」
「ふむ、お前は外で待ってろ私が聞いてくる」
「りゅ、龍牙様が⁇‼」
「ああ、本人よりは聞きやすいだろう」
 黒炎はその様子を外から眺めるしかできなくなった。




「久々に来たぞ、美咲」
「あ、龍牙様、いらっしゃいませ」
 美咲は正座をした。
 龍牙は膝の上に頭をのせる。
「どうしました? 厄介毎の対応で疲れたのですか?」
「それもあるがー」
 龍牙は美咲を見る。
「?」
「美咲、お前は黒炎に話しかけようとしてすぐ逃げ出すらしいではないかどうした」
「う」
「『リフレイン』が何か言ったのか?」
「そ、その通りでございます……」
「話せ」
「し、信じてくれますか?」
「勿論」
 龍牙の反応に、少しおっかなびっくりかつ引いた感じで美咲は話始めた──




「龍牙様」
 癒やし部屋から出てくると扉を閉めた龍牙は黒炎を見る。
「一対一で話がしたい、部屋に来い」
 そう言うと、黒炎は謁見の間までついて行った。
「あの、どのようなお話で……」
「黒炎、お前あの娘を抱いたか?」
 ぶーっと黒炎は吹き出した。
「い、いきなり何を仰られるのですか⁉」
「抱いてないんだな、やっぱり」
「当然です、結婚まで清い付き合いを」
「ならすぐ結婚してこい、式は後々あげれば良い」
「だからどうして──」
「『リフレイン』の情報だと、全てを鎮めた処女の鎮めの乙女の血肉に不老不死の力があるのであって、非処女であれば不老不死の力ははっきされないそうだ」
「──はい?」
「リフレインには旦那が居た、だから不老不死の効力は無かったが衰弱休みなく来る怪物達を鎮めるのに衰弱してしまった、別に非処女だから力がなくなる訳では無い、アレは運が悪かったのだ」
「……」
「黒炎、お前は美咲を不老不死を求める連中に食わせたいのか?」
「そのような事、断じて!」
「では行ってこい」
「は‼」
 黒炎はそう言うと急いで部屋を後にした。
「それにしてもとんでもない情報を出してくれたな『リフレイン』」

『あら、そうかしら、龍牙』

「‼」
 龍牙は疲れたように一人呟いたはずが、リフレインの声が聞こえたので姿勢を正した。

『ふふふ、大きくなっても龍牙は龍牙なのね……』

「リフレイン……?」

『ええ、そうよ。伝えてくれて有り難う』

「──リフレイン、鎮めの乙女とは一体何なのだ」
 自身の前に姿を現した、リフレインに問いかける。
『私も分からないわ』
「なら何故そのような存在がいるのだ」
『あの子には伝えてないけど、鎮めの乙女の血肉は不老不死でなくさせる効果もあるの、一度食べた人が普通の人間などに戻る際に血肉が必要なの』
「なに?」
『その場合は処女非処女関係ない、そこは注意して』
「わかった……とにかく、連中に美咲を渡さなければいいんだな」
『ええ』
 リフレインは頷く。
『ごめんなさいね、私で終わらせられなくて……結果彼女が鎮めの乙女になってしまった』
「謝る必要は無い」
『有り難う、龍牙。貴方は優しい子ね』
「リフレイン、貴方に会えて俺は嬉しいんだ」
『有り難う』
 リフレインは嬉しそうに笑う。
『向こうが動き出すのは、やっぱり彼らを鎮める時、その時に必ずあの子を守って』
「勿論だとも」
 龍牙がそういうとリフレインの姿が消えた。
「……兄者にも伝えておくか」
 龍牙はそう言って立ち上がった。




「むーりー! むーりー!」
 ベッドの上で毛布を被りながら、美咲はもだもだしていた。
「夜のお誘いなんて無理ー! キスだって数える位しかしてないのにー‼」


 裏切り者達への対処をした日、リフレインが美咲の前に現れた。
『えっとリフレインさん、何でしょう』
『貴方に知っておいて欲しいことがあるの』
『な、何でしょう』
『処女の貴方がこれから起きる災厄を全て鎮めた場合、貴方の血肉は不老不死と若返りの素となります』
『え゛』
 美咲は顔を引きつらせた。
『貴方自身は不老不死にはならないです、そこは安心を』
『ほ……』
 美咲は安堵の息を吐く。
『ですがその血肉を狙う者が居ます』
『不老不死になりたいから……?』
『はい』
 リフレインの言葉に、息を飲んだ。
『ですから手っ取り早く──』
『恋人さんと性行為をして処女じゃなくなってください』
『え、え──⁈⁈⁈』


 以上のやりとりをした。
 だが、恋人を作らず過ごし、ドラゴンファングで癒し係になって周囲──龍牙の協力があって漸く黒炎と恋人になれたのだ。
 キスはたまにこっそりするが、性行為なんてまだまだ考えられない程の初心さ美咲にあった。

 コンコンコン

 ノックする音が聞こえた。
 モニターで見ると黒炎が居た。
「黒炎さん?」
『私だ、中に入れて欲しい』
「は、はい」
 扉のロックを解除してから、黒炎を部屋に招き入れる。
 黒炎は仮面をつけたままだ。
 黒炎は扉を閉めると、膝をつき、静かに口を開いた。
「美咲、どうか私と結婚してくれ」
「え⁈」
「君の側にいたいんだ、どうか私と一緒になってくれないか?」
「……あの、もしかして龍牙様にせっつかれませんでしたか?」
「……何故、そう思ったんだ?」
「黒炎さん、顔に色々出ちゃうから、多分仮面してきたんだなーってのと、それは多分自分の意思以上のお節介で行動してきたってことかなーと思って」
「……やはり君には叶わないな」
 黒炎は仮面を取った。
 赤く染まった顔だが、妙に納得がいっていない顔だった。
「何があったんです?」
「龍牙様が、君が処女のままだと大変な事態になるからさっさと抱けと」
「はぁ~~~~⁈⁈」
 美咲は信じられないと言わんばかりの声を出す。
「運悪く捕まって不老不死の為に喰われるぞとな」
「あ゛ー……」
 今度は納得したような声を出す。
「婚前交渉はどうかと思ってだから結婚を──」
 美咲は黒炎の唇にキスをした。
「黒炎さんなら、いい、です、よ?」
 顔を真っ赤にしてそう言うと、黒炎の目が据わる。
「え、ちょ、ちょっと、ま、うわー‼」
 ベッドまでつれて行かれて、美咲は色気の無い悲鳴を上げた。




 翌日、体が痛いという訳で寝込んだ美咲を見て、龍牙とルローは生暖かい視線を黒炎に向けることになった──






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