俺だけの可愛いダンピール!

琴葉悠

文字の大きさ
3 / 16

伴侶ができた





「……今日もすまない」
「いいって別に」
 アドリアは俺に謝ってきたが、俺は別にどうって事無かった。
「なんなら最初から一緒に寝てもいいぜ?」
「いや、それは、その……」
 アドリアは口をもごもごとさせた。

 まぁ、居心地が悪いんだろう。

 急にキスをしたり、就寝時間に部屋に入って勝手に寝たりと、独りの時とは違う居心地の悪さを感じている。
 後、そういうことをした自分に居心地の悪さ──と言うよりも理解できない状態になっている。

「アドリア、俺はお前にキスされてもちっとも嫌じゃ無かったし、夢遊病状態で部屋に来られた時も嫌じゃ無かった」
「……!」
 俺の言葉にアドリアは驚いた顔をしている。
「だからな、アドリア。あんまり抱え込む──」
 最後まで言う前にアドリアは俺に抱きついた。
 すすり泣く音が聞こえた。
「おー泣け、存分に泣け。辛いの抱え込んで泣けねぇのは苦しいからな」
 そう言って俺はアドリア抱きしめて背中をさすると、アドリアは大声で泣き始めた。


「……ずま゛な゛い゛」
 泣きはらした目をタオルらしきもので優しく撫でると、アドリアはまた俺に謝ってきた。
「あんまり謝るなよ、それよか少し楽になったなら俺はいいんだ」
 俺の言葉にアドリアは頷いた。
「……話したいことがあるんだ、聞いてくれるか?」
「勿論だ」
 アドリアはぽつりぽつりと話し始めた。


 数年前、魔王がいたらしい。
 その魔王を倒すべく、アドリアは仲間とともに立ち向かったそうだ。
 魔王を打ち倒す事ができたが、ダンピールという魔の血を引くアドリアは人々から恐怖の対象となった。
 仲間をそれに巻き込まない為に独りでこうして暮らすことをしていたという、俺が来るまで。


 それを聞いた俺。

──マジふざけんなよ?──
──助けて貰っておいて、血がどうとかで差別とか最悪だな本当!──
──そりゃあアドリアも「独りにしないでくれ」って泣くわ!──
──仲間いや、元仲間も薄情もんどもめ!──

「俺が、幸せにしてやる」
「え……」
「大丈夫だ! きっとなんとかなる! 俺がお前を幸せにする!」
 俺がそう言うと、アドリアの顔が真っ赤になった。
「それは、その……えっと……」
「ん?」
「け、結婚という意味……か?」
 ここまで来て、俺は自分の台詞がそれに相当すると理解した、鈍いな俺。

──馬鹿俺!──

 と思いながらも男は覚悟を決めるもの。
「そ、その通りだ!!」
 言う自分も恥ずかしくなってきた。
「その……宜しく、頼む……」
「おう!」

──元の世界の親父、お袋、妹。伴侶ができたぞ、男だけども──

 心の中でそう思いながら、口には出さずにおいた。


 その日の夜──
 なんとなく眠れない俺は窓の外の月を見ていた。
 扉をノックする音が聞こえた。
「アドリアか、入っていいぞー?」
 あの寝間着姿で俺の所に来た、生足と首元がエロい。

「あの……私の寝室に来てくれないか」

 上目遣いで言う姿がめっちゃエロかったので俺は快く頷いた。


 アドリアの寝室は俺の寝室より若干いい部屋な感じで、ベッドも同じく。
 天蓋付きとかすげぇなと内心思ってた。

 アドリアは俺の手を引いて、ベッドまで案内すると、ぽすんとベッドに横になった。
 俺も隣に横になろうとすると、アドリアが招くようにいや、誘うように手を伸ばしてきた。

「抱いて……くれないか?」

──まさかの展開来たー!?──
──いや、予想できない類いのものではない。──
──が、早すぎる!!──

 なんとなくだが、ここでアドリアを拒否するのは得策では無いと俺の頭の中の妹が叫んでいる。
 男性同士の恋愛ものの書物をたしなんでいる上に、兄貴である俺にはそれを見せるというぶっ飛んだ思考を持つ妹だが、今はその存在に感謝する。

「アドリア……その、俺経験ないんだが、大丈夫か?」
「大丈夫だ……だから早く……」

 喘ぐようにいうその仕草がエロくて俺の息子は限界です。
 なので、傷つけないように気をつけながら、かつ妹からの今まで余計だと思っていた知識をフル活用することにした。


 近づいてアドリアの寝間着の裾をめくれば股間の部分は濡れていた。

──もしかして、ローション?──

 濡れた箇所を少し撫でると、ぬとっとした液体が俺の指に付着した。

──もしかしなくても、自分で準備してきた?──

 ローションで濡れた箇所を見て、俺はそう判断する。

「早く……」

 俺に抱きついてきたアドリアを見て、俺はどうしてそこまで肉体的な繋がりを求めるのか気になったが、今は問うべきではないと頭の隅に追いやった──





感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界から戻ってきた俺の身体が可笑しい

海林檎
BL
異世界転生で何故か勇者でも剣士でもましてや賢者でもなく【鞘】と、言う職業につかされたんだが まぁ、色々と省略する。 察してくれた読者なら俺の職業の事は分かってくれるはずだ。 まぁ、そんなこんなで世界が平和になったから異世界から現代に戻ってきたはずなのにだ 俺の身体が変なままなのはどぼじで??

元カレに追い出された専門学生がネカフェでP活相手のパパちんぽに理解らせられてトロトロのメロメロになっちゃう話

ルシーアンナ
BL
既婚子持ちバイ×専門学生 Pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27436158 ムーンライトノベルズ https://novel18.syosetu.com/n1512ls/ fujossy https://fujossy.jp/books/31185

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。

猫宮乾
BL
 異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき
BL
 仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。 「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」  通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。  異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。  どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?  更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!  異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる――― ※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。