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届かない想いに沈む夜
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歩きながら……ずっと、涙が止まらなかった。
『俺があいつを好きになることは無い』
胸の奥をざっくり裂くような、あの言葉。
どれだけ想っても、この気持ちは届かない。
きっと、出会った時に森野さんが“カケルさん”だと分かっていたなら――
私はこんなにも、彼を好きにはならなかった。
私にとってカケルさんは、光の中にいる人。
歌声が大好きで、尊くて……でも、手を伸ばす相手じゃなかった。
だけど、森野さんは違う。
意地悪で、怒りっぽくて。
でも誰より仕事に真面目で、一生懸命で。
頑張ればちゃんと見てくれて、“認めてくれる”人だった。
私はその全部に、惹かれてしまった。
森野さんの「柊」って呼ぶ声が好きだった。
ふいに漂うタバコの匂いも、他の人なら嫌なのに……森野さんの匂いだけ胸が鳴った。
大きな手も、広い背中も、逞しい腕も――全部、誰か別の人のものだったのに。
「……う、うぅ……っ」
アパートに戻り、玄関の扉を閉めた瞬間。
堰を切ったように涙が溢れた。
どうしてこんなに好きになってしまったんだろう。
森野さんはこれからもずっと、亡くした彼女の影を抱えて生きていく。
過去に縛られ、自分を罰し続けてきた人が、
私なんかに振り向くはずがない。
「諦めなくちゃ……」
「忘れなきゃ……」
「無理だよ……」
何度も呟いても、目を閉じれば浮かぶのは森野さんの顔ばかり。
笑ってくれた顔。
困った顔。
黙々と売り場に商品を並べている横顔。
「頑張ったな」と、私の頭を大きな手で撫でてくれたあの優しい笑み。
恋って――もっと楽しいものだと思っていた。
こんなに苦しくて、切なくて、胸がきゅうっと締め付けられるなんて知らなかった。
しかも恋敵は、もうこの世にいない。
そんな相手に勝てるはずもない。
それでも――
それでも私は、こんなにも森野さんが好き。
こんな気持ちになるくらいなら、
出会わなければよかった。
知らないままでいたかった。
平気なふりでいられたなら、どれだけ楽だったか。
否定しても、振り払っても、気持ちは消えてくれない。
もう引き返せないほどに、私は彼を好きになってしまっていた。
届かない想いに、ただもがいて、苦しむことしかできなかった。
『俺があいつを好きになることは無い』
胸の奥をざっくり裂くような、あの言葉。
どれだけ想っても、この気持ちは届かない。
きっと、出会った時に森野さんが“カケルさん”だと分かっていたなら――
私はこんなにも、彼を好きにはならなかった。
私にとってカケルさんは、光の中にいる人。
歌声が大好きで、尊くて……でも、手を伸ばす相手じゃなかった。
だけど、森野さんは違う。
意地悪で、怒りっぽくて。
でも誰より仕事に真面目で、一生懸命で。
頑張ればちゃんと見てくれて、“認めてくれる”人だった。
私はその全部に、惹かれてしまった。
森野さんの「柊」って呼ぶ声が好きだった。
ふいに漂うタバコの匂いも、他の人なら嫌なのに……森野さんの匂いだけ胸が鳴った。
大きな手も、広い背中も、逞しい腕も――全部、誰か別の人のものだったのに。
「……う、うぅ……っ」
アパートに戻り、玄関の扉を閉めた瞬間。
堰を切ったように涙が溢れた。
どうしてこんなに好きになってしまったんだろう。
森野さんはこれからもずっと、亡くした彼女の影を抱えて生きていく。
過去に縛られ、自分を罰し続けてきた人が、
私なんかに振り向くはずがない。
「諦めなくちゃ……」
「忘れなきゃ……」
「無理だよ……」
何度も呟いても、目を閉じれば浮かぶのは森野さんの顔ばかり。
笑ってくれた顔。
困った顔。
黙々と売り場に商品を並べている横顔。
「頑張ったな」と、私の頭を大きな手で撫でてくれたあの優しい笑み。
恋って――もっと楽しいものだと思っていた。
こんなに苦しくて、切なくて、胸がきゅうっと締め付けられるなんて知らなかった。
しかも恋敵は、もうこの世にいない。
そんな相手に勝てるはずもない。
それでも――
それでも私は、こんなにも森野さんが好き。
こんな気持ちになるくらいなら、
出会わなければよかった。
知らないままでいたかった。
平気なふりでいられたなら、どれだけ楽だったか。
否定しても、振り払っても、気持ちは消えてくれない。
もう引き返せないほどに、私は彼を好きになってしまっていた。
届かない想いに、ただもがいて、苦しむことしかできなかった。
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