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そうだ!会いに行こう!!
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その瞬間、はじめの眉が八の字にさがり、捨てられた子犬のような悲しそうな目を僕に向けた。
しょんぼりと耳も尻尾も垂れ下がり、悲しそうな顔をして僕を見ている。
……どうやら、別れ話を切り出されると思っているらしい。
本当に……どうしてはじめは、そんなに自信が無いんだろうか?
背は高いし、容姿も整ってるし、身体は畑仕事で男らしいガッチリした体躯をしている。
喫茶店で働いていた頃なんか、女の子からラブレターを貰っていたのも僕は知ってるんだぞ!
モテない訳じゃないのに、なんでそんなに自信が無いんだろうなぁ~と考えながら、それは僕にも責任があるんだと考え直す。
「はじめ……。もう、こっちには戻れないんだよな?」
僕は極力、はじめを怯えさせないよう、誤解を与えないように言葉を選びながら声を掛けた。
目の前のしょんぼりした大型ワンコを見つめながら
「まぁ……、お前が毎朝下まで送ってくれれば良いし……。此処から通えなくも無いか」
と、僕がはじめの家に押しかけ女房ならぬ、押しかけ亭主になろうと思案すると
「え!」
ってはじめが目をまん丸にして叫んだ。
その驚きっぷりが凄すぎて、もしかして、はじめは僕と別れたかいのかもしれないと思った。
「なんだよ! 別れるつもりだったのか?」
悲しくてそう呟いたものの
「…とは言っても、きちんと付き合ってなかったな」
そう言って僕は、自分の体たらくに落ち込んだ。
はじめが僕を好きだと言う事に甘えた結果だ。
きちんとはじめを手に入れたいなら、けじめを付けないといけない。
僕はそう意を決して、はじめと向き合い
「はじめ。僕達、きちんと恋人にならないか?」
そう告げた。
僕の言葉が余程予想外だったのか、はじめは目をまん丸に見開いて固まってしまう。
人間というのは、本当に驚くと固まるんだなぁ……と思いながら、それは、はじめが僕と付き合って行く気が無かったのではないか?と不安になる。
「それとも、もうはじめは僕に気持ちは無いのか?」
萎んでいく気持ちのまま呟くと
「そんな訳、無いじゃないですか!」
はじめがそう叫んで立ち上がった。
思わず立ち上がったはじめを見上げたその時
「はじめ! ご飯用意出来たよ」
と、母屋からお祖母様の声が聞こえた。
僕が声の方に視線を向け
「おばあ様が呼んでるから、行こうか」
そう言って立ち上がると、はじめがなにやらドタバタしている。
何をしているんだろう?と視線を向けると
「はじめ! 聞こえたかい?」
そう叫びながらドアを開いてお祖母様が中へと入って来た。
「すみません、今、伺います」
慌てて笑顔で答えると、お祖母様が僕の顔をマジマジと眺めてから
「近くで見ると、本当に良い男だよね」
と呟いた後
「はじめは、昔から面食いだったからね」
なんて、意味深な言葉を吐いた。
驚いてはじめの顔を見ると
「冷める前に、早く来てちょうだいよ」
そう言い残して、お祖母様が部屋を後にした。
「はじめ……僕の話をおばあさまに…」
思わず驚いて聞くと
「言う訳ないじゃないですか!」
そう叫ばれて、地味に傷付く。
そうだよな……、いくらはじめでも言う訳無いよな……って小さく失笑すると
「そうだよね、ごめん」
そう呟いて立ち上がる。
するとはじめが僕の腕を掴んで
「誤解しないで下さい。俺が創さんを好きだって気持ちを誰に知られたって構わないって思ってます。ただ、それで創さんに迷惑をかけたくないだけで……」
そう言われて、小さく微笑み返す。
はじめは誰に対しても優しい。
だから、あんなに年老いたお祖母様に真実を言う訳なんか無い。
今もきっと、僕とお祖母様の間に挟まれて悩んでいるのだろう。
「はじめは……本当に優しいよね」
嫌味では無く本気でそう呟き、視線を玄関に向けるとお祖母様がこちらを気にしているのが見えた。
「早く母屋へ行こう。おばあ様が作ってくださった食事が冷めちゃうよ」
そう言って靴を履く僕を、はじめは何か言いたそうに見つめていた。
しょんぼりと耳も尻尾も垂れ下がり、悲しそうな顔をして僕を見ている。
……どうやら、別れ話を切り出されると思っているらしい。
本当に……どうしてはじめは、そんなに自信が無いんだろうか?
背は高いし、容姿も整ってるし、身体は畑仕事で男らしいガッチリした体躯をしている。
喫茶店で働いていた頃なんか、女の子からラブレターを貰っていたのも僕は知ってるんだぞ!
モテない訳じゃないのに、なんでそんなに自信が無いんだろうなぁ~と考えながら、それは僕にも責任があるんだと考え直す。
「はじめ……。もう、こっちには戻れないんだよな?」
僕は極力、はじめを怯えさせないよう、誤解を与えないように言葉を選びながら声を掛けた。
目の前のしょんぼりした大型ワンコを見つめながら
「まぁ……、お前が毎朝下まで送ってくれれば良いし……。此処から通えなくも無いか」
と、僕がはじめの家に押しかけ女房ならぬ、押しかけ亭主になろうと思案すると
「え!」
ってはじめが目をまん丸にして叫んだ。
その驚きっぷりが凄すぎて、もしかして、はじめは僕と別れたかいのかもしれないと思った。
「なんだよ! 別れるつもりだったのか?」
悲しくてそう呟いたものの
「…とは言っても、きちんと付き合ってなかったな」
そう言って僕は、自分の体たらくに落ち込んだ。
はじめが僕を好きだと言う事に甘えた結果だ。
きちんとはじめを手に入れたいなら、けじめを付けないといけない。
僕はそう意を決して、はじめと向き合い
「はじめ。僕達、きちんと恋人にならないか?」
そう告げた。
僕の言葉が余程予想外だったのか、はじめは目をまん丸に見開いて固まってしまう。
人間というのは、本当に驚くと固まるんだなぁ……と思いながら、それは、はじめが僕と付き合って行く気が無かったのではないか?と不安になる。
「それとも、もうはじめは僕に気持ちは無いのか?」
萎んでいく気持ちのまま呟くと
「そんな訳、無いじゃないですか!」
はじめがそう叫んで立ち上がった。
思わず立ち上がったはじめを見上げたその時
「はじめ! ご飯用意出来たよ」
と、母屋からお祖母様の声が聞こえた。
僕が声の方に視線を向け
「おばあ様が呼んでるから、行こうか」
そう言って立ち上がると、はじめがなにやらドタバタしている。
何をしているんだろう?と視線を向けると
「はじめ! 聞こえたかい?」
そう叫びながらドアを開いてお祖母様が中へと入って来た。
「すみません、今、伺います」
慌てて笑顔で答えると、お祖母様が僕の顔をマジマジと眺めてから
「近くで見ると、本当に良い男だよね」
と呟いた後
「はじめは、昔から面食いだったからね」
なんて、意味深な言葉を吐いた。
驚いてはじめの顔を見ると
「冷める前に、早く来てちょうだいよ」
そう言い残して、お祖母様が部屋を後にした。
「はじめ……僕の話をおばあさまに…」
思わず驚いて聞くと
「言う訳ないじゃないですか!」
そう叫ばれて、地味に傷付く。
そうだよな……、いくらはじめでも言う訳無いよな……って小さく失笑すると
「そうだよね、ごめん」
そう呟いて立ち上がる。
するとはじめが僕の腕を掴んで
「誤解しないで下さい。俺が創さんを好きだって気持ちを誰に知られたって構わないって思ってます。ただ、それで創さんに迷惑をかけたくないだけで……」
そう言われて、小さく微笑み返す。
はじめは誰に対しても優しい。
だから、あんなに年老いたお祖母様に真実を言う訳なんか無い。
今もきっと、僕とお祖母様の間に挟まれて悩んでいるのだろう。
「はじめは……本当に優しいよね」
嫌味では無く本気でそう呟き、視線を玄関に向けるとお祖母様がこちらを気にしているのが見えた。
「早く母屋へ行こう。おばあ様が作ってくださった食事が冷めちゃうよ」
そう言って靴を履く僕を、はじめは何か言いたそうに見つめていた。
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