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突然の別れ
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アイツとは、物心着いた頃から一緒だった。
幼稚園、小学校、中学校、高校と、私の隣にはいつだってアイツが居て、隣で穏やかに笑ってた。
本が好きな物静かなヤツだったけど、時々見せる男らしさに、いつしかただの「幼馴染み」として見られなくなっていた。
そんなアイツと「幼馴染み」から「恋人」に変わったのは、ごく自然の事だった。
お互いの親も仲良くて、本当の親戚になるんじゃないかと…私達の交際をお互いの両親も喜んでくれた。
私はずっと、アイツが隣で笑ってくれているって信じてた。
「みちる」
って、私の頭を撫でてくれているって信じてた。
それなのに……高校2年の春。
突然、アイツ……尚也は私の前から姿を消した。
高校に入ってから、部活が忙しくてすれ違いだった。
それでも、毎日帰宅して自分の部屋の窓を開けると、尚也も部屋の窓を開けて少しでも会話を交わしていた。
でも、それは突然起こった。
部活が終わって帰宅しても、隣の家に灯りは一つも灯っていない。
「母さん。尚也の家、出掛けてるの?」
ご飯に降りた私が聞くと、母さんは悲しそうに顔を歪めて
「尚也君の家、今朝、引っ越ししたのよ」
と答えたのだ。
何も聞いていなかった。
「どうして?」
驚いて聞いた私に、母さんは首を横に振った。
私は慌てて部屋に戻り、スマホで尚也に連絡を入れた。
LIMEはアドレスが消えていて、電話も繋がらないしメールも戻って来てしまった。
幼稚園、小学校、中学校、高校と、私の隣にはいつだってアイツが居て、隣で穏やかに笑ってた。
本が好きな物静かなヤツだったけど、時々見せる男らしさに、いつしかただの「幼馴染み」として見られなくなっていた。
そんなアイツと「幼馴染み」から「恋人」に変わったのは、ごく自然の事だった。
お互いの親も仲良くて、本当の親戚になるんじゃないかと…私達の交際をお互いの両親も喜んでくれた。
私はずっと、アイツが隣で笑ってくれているって信じてた。
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「どうして?」
驚いて聞いた私に、母さんは首を横に振った。
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