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第四章
晶と翡翠の出会い②
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女性の顔は暗く沈み、俯いている。
晶がゆっくりと立ち上がり
「部屋に案内します」
と踵を返すと
「待って下さい! 若様がご無事で、きちんとした待遇を受けているのが確認出来ないなら、私はここから動きません」
その女性がその場に座り込んだ。
すると頼政は舌打ちをして
「おい、連れて来い」
と部下に命じると、ボロボロになった友頼が投げ捨てられるように彼女の前に投げ出された。
その様子に、思わず晶は息を飲んだ。
しかも、その男の容姿は頼政に瓜二つではないか。
「約束が違います! もし、若様に何かあれば……私も命を断ちます」
友頼に駆け寄り、キッと頼政を睨む翡翠を見下ろし
「生かしてやるとは言ったが、瀕死にはしないと言っていない」
頼政はそう言って笑った。
翡翠は友頼をかき抱き
「もし……今後、若様に傷一つでも付けようものなら、私は自害します。これは、脅しではないですよ」
強い意志を持った瞳で頼政に叫んだ。
頼政は再び舌打ちをすると
「分かった。晶、看病をしてやれ」
と呟くと、友頼を大切そうに抱き寄せる翡翠の身体を抱え上げた。
「嫌! 若様! 若様!」
翡翠は必死に抵抗し、友頼へと手を伸ばす。
「アイツを助けたいなら、俺の言うことをきけ!」
「若様! 若様ぁぁぁ!」
悲痛な叫びが、屋敷の廊下に響き渡る。
晶はそっと倒れている友頼に近付き、息をしているのを確認すると、家来達に指示をして友頼を客間に通した。
医者に手当を任せ、晶は頼政の部屋へと足を運んだ。
襖の前に座り
「殿、よろしいでしょうか」
と声を掛けると
「なんだ! 今は手が離せぬ!」
と叫ぶ声が返って来た。
「殿、開けますよ!」
晶は怒鳴られると分かりながら、頼政の部屋の襖を開けた。
するとそこには、信じられない光景があった。
部屋の一角に座敷牢が作られ、その中に泣き崩れる頼翡翠の姿があったのだ。
「部屋への立ち入りを許可してはおらぬが?」
ギロリと睨まれ、晶は我に返る。
「殿! これは身重の女性には、あまりにも酷でございます。それに彼女は、先程の男性の奥方ではないのですか?」
それでも晶は、頼政の前に座り意見を述べた。
晶は帝の妹の娘で、彼女に何かあれば頼政は失脚させられてしまう。
だからどんなに疎ましくても、離縁出来ずにいるのだ。
彼女もそれが分かっているので、頼政に意見を述べていた。
晶は深々と頭を下げ
「彼女も、私にお預けいただけないでしょうか?」
と言うと
「妊娠は、ちょっとしたことが命取りになります。
その意味……お分かりになりますよね?」
晶の言葉に、頼政が顔色を変えた。
その様子に、晶の胸が痛んだ。
今まで、誰に対しても執着しなかった頼政が、初めて見せた執着は、自分ではない女性だったからだ。
晶がゆっくりと立ち上がり
「部屋に案内します」
と踵を返すと
「待って下さい! 若様がご無事で、きちんとした待遇を受けているのが確認出来ないなら、私はここから動きません」
その女性がその場に座り込んだ。
すると頼政は舌打ちをして
「おい、連れて来い」
と部下に命じると、ボロボロになった友頼が投げ捨てられるように彼女の前に投げ出された。
その様子に、思わず晶は息を飲んだ。
しかも、その男の容姿は頼政に瓜二つではないか。
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友頼に駆け寄り、キッと頼政を睨む翡翠を見下ろし
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頼政はそう言って笑った。
翡翠は友頼をかき抱き
「もし……今後、若様に傷一つでも付けようものなら、私は自害します。これは、脅しではないですよ」
強い意志を持った瞳で頼政に叫んだ。
頼政は再び舌打ちをすると
「分かった。晶、看病をしてやれ」
と呟くと、友頼を大切そうに抱き寄せる翡翠の身体を抱え上げた。
「嫌! 若様! 若様!」
翡翠は必死に抵抗し、友頼へと手を伸ばす。
「アイツを助けたいなら、俺の言うことをきけ!」
「若様! 若様ぁぁぁ!」
悲痛な叫びが、屋敷の廊下に響き渡る。
晶はそっと倒れている友頼に近付き、息をしているのを確認すると、家来達に指示をして友頼を客間に通した。
医者に手当を任せ、晶は頼政の部屋へと足を運んだ。
襖の前に座り
「殿、よろしいでしょうか」
と声を掛けると
「なんだ! 今は手が離せぬ!」
と叫ぶ声が返って来た。
「殿、開けますよ!」
晶は怒鳴られると分かりながら、頼政の部屋の襖を開けた。
するとそこには、信じられない光景があった。
部屋の一角に座敷牢が作られ、その中に泣き崩れる頼翡翠の姿があったのだ。
「部屋への立ち入りを許可してはおらぬが?」
ギロリと睨まれ、晶は我に返る。
「殿! これは身重の女性には、あまりにも酷でございます。それに彼女は、先程の男性の奥方ではないのですか?」
それでも晶は、頼政の前に座り意見を述べた。
晶は帝の妹の娘で、彼女に何かあれば頼政は失脚させられてしまう。
だからどんなに疎ましくても、離縁出来ずにいるのだ。
彼女もそれが分かっているので、頼政に意見を述べていた。
晶は深々と頭を下げ
「彼女も、私にお預けいただけないでしょうか?」
と言うと
「妊娠は、ちょっとしたことが命取りになります。
その意味……お分かりになりますよね?」
晶の言葉に、頼政が顔色を変えた。
その様子に、晶の胸が痛んだ。
今まで、誰に対しても執着しなかった頼政が、初めて見せた執着は、自分ではない女性だったからだ。
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