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第五章
夢が壊れる音、本物の声が呼ぶ先へ
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目を覚ますと、時間は七時過ぎていた。
慌てて1階に降りると
「ママ~、おはよう」
子供たちが声を掛けてくれる。
冬夜が子供たちの面倒を見てくれていて、ホッと息を吐いた。
「じゃあ、俺は仕事に行くな」
冬夜の声に、遥は玄関まで見送る。
「あの……冬夜、ごめんなさい」
落ち込んで呟くと、冬夜は小さく笑い遥を抱き締めた。
「昨夜は珍しく遥が積極的だったから、無理させたからね。気にするな」
甘く耳元で囁かれ、頬にキスを落とした。
その言葉に真っ赤になると
「遥……愛してるよ」
そう囁かれてキスを交わした。
絵に書いた幸せ──
遥は朝食で珈琲を飲みながらそう思った。
その時、『ジジッ』とノイズ音が耳に届いた。
『俺、お前とは友達以上になるつもり無いから』
紛れもない冬夜の声だった。
「嫌っ!」
テーブルに珈琲が溢れ落ちた。
気付いたら、子供たちがいない。
『ジジッ……ジジッ……』
ラジオが電波を拾うような音が響く。
「嫌っ……、来ないで!」
遥は耳を塞ぐ。
「冬夜……、助けて……冬夜っ!」
泣きながらスマホで電話をかける。
『遥? どうした?』
「冬夜……助けて……冬夜!」
『分かった、すぐに帰る!』
電話が切れ、一定の電子音が響いた。
するとスマホから
『……い。……遥……せ……い』
懐かしい声が聞こえた。
スマホの電源を慌てて切った。
『遥先輩!』
切った筈のスマホから、その声が聞こえて来た。
『帰って来て下さい! 遥先輩!』
それはあまりにも悲しくて、切ない声だった。
「遥! 大丈夫か?」
「冬夜!」
冬夜の声に振り返る。
抱き締めてくれた腕の強さも、温もりも感じる。
──だけど……今、電話したのに……なぜ、冬夜はもう“ここ“にいるの?
『遥先輩』
温かい声が再び耳に届く。
『帰りましょう……遥先輩』
眩しい光が見え、そこから手が差し出されている。
その手を取ったら、この幸せが壊れる。
遥はゆっくりと冬夜の顔を見上げた。
「冬夜……私を愛してる?」
溢れる涙が頬を濡らす。
「愛してるよ、遥……」
抱き締められた腕は力強い。
遥は震える唇で告げた。
「翡翠よりも?」
すると、冬夜は首を傾げ
「翡翠? 誰だい?」
一気に景色が白黒に変わる。
ノイズが走り、昔、古いホラー映画で見た砂嵐になる。
「いやぁぁぁぁぁ~!」
泣き崩れたその瞬間
『遥先輩』
誰かが優しく抱き締めた。
『大丈夫です、僕が傍に着いています』
何故か安心する声が聞こえた。
『帰りましょう。“本物の“冬夜さんも待ってます』
涙でぐちゃぐちゃな顔を上げると、逆光を浴びて影だった姿が、ゆっくりと人の姿になる。
「幸太……」
その名前を呼んだ瞬間、遥を光が包んだ。
慌てて1階に降りると
「ママ~、おはよう」
子供たちが声を掛けてくれる。
冬夜が子供たちの面倒を見てくれていて、ホッと息を吐いた。
「じゃあ、俺は仕事に行くな」
冬夜の声に、遥は玄関まで見送る。
「あの……冬夜、ごめんなさい」
落ち込んで呟くと、冬夜は小さく笑い遥を抱き締めた。
「昨夜は珍しく遥が積極的だったから、無理させたからね。気にするな」
甘く耳元で囁かれ、頬にキスを落とした。
その言葉に真っ赤になると
「遥……愛してるよ」
そう囁かれてキスを交わした。
絵に書いた幸せ──
遥は朝食で珈琲を飲みながらそう思った。
その時、『ジジッ』とノイズ音が耳に届いた。
『俺、お前とは友達以上になるつもり無いから』
紛れもない冬夜の声だった。
「嫌っ!」
テーブルに珈琲が溢れ落ちた。
気付いたら、子供たちがいない。
『ジジッ……ジジッ……』
ラジオが電波を拾うような音が響く。
「嫌っ……、来ないで!」
遥は耳を塞ぐ。
「冬夜……、助けて……冬夜っ!」
泣きながらスマホで電話をかける。
『遥? どうした?』
「冬夜……助けて……冬夜!」
『分かった、すぐに帰る!』
電話が切れ、一定の電子音が響いた。
するとスマホから
『……い。……遥……せ……い』
懐かしい声が聞こえた。
スマホの電源を慌てて切った。
『遥先輩!』
切った筈のスマホから、その声が聞こえて来た。
『帰って来て下さい! 遥先輩!』
それはあまりにも悲しくて、切ない声だった。
「遥! 大丈夫か?」
「冬夜!」
冬夜の声に振り返る。
抱き締めてくれた腕の強さも、温もりも感じる。
──だけど……今、電話したのに……なぜ、冬夜はもう“ここ“にいるの?
『遥先輩』
温かい声が再び耳に届く。
『帰りましょう……遥先輩』
眩しい光が見え、そこから手が差し出されている。
その手を取ったら、この幸せが壊れる。
遥はゆっくりと冬夜の顔を見上げた。
「冬夜……私を愛してる?」
溢れる涙が頬を濡らす。
「愛してるよ、遥……」
抱き締められた腕は力強い。
遥は震える唇で告げた。
「翡翠よりも?」
すると、冬夜は首を傾げ
「翡翠? 誰だい?」
一気に景色が白黒に変わる。
ノイズが走り、昔、古いホラー映画で見た砂嵐になる。
「いやぁぁぁぁぁ~!」
泣き崩れたその瞬間
『遥先輩』
誰かが優しく抱き締めた。
『大丈夫です、僕が傍に着いています』
何故か安心する声が聞こえた。
『帰りましょう。“本物の“冬夜さんも待ってます』
涙でぐちゃぐちゃな顔を上げると、逆光を浴びて影だった姿が、ゆっくりと人の姿になる。
「幸太……」
その名前を呼んだ瞬間、遥を光が包んだ。
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