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第五章
決戦の刃──暴かれた真実と残酷な罠
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「そうだよ、その憎しみを宿した瞳。ねぇ……冬夜、お前は本当に俺を楽しませてくれる」
楽しげに笑う翠へ、冬夜は迷いなく刀を振り下ろした。
だが──
「効かないねぇ……。冬夜、俺はお前を愛してるんだよ。お前のその瞳に似合うのは、絶望と孤独だけだ」
斬撃が交錯するたび、翠の体は微動だにせず笑い声だけが響く。
「あぁ……冬夜。お前の怒りも憎しみも……たまらない。身体の底から快楽が湧き上がるよ」
「貴様……!」
冬夜が剣を振り上げ、踏み込んだ──
まさにその瞬間。
『キィィィィィン!』
空間が震えるほどの金属音。
二本の刃が激突し、火花が雨のように散った。
翠の前に立ちはだかったのは、幸太だった。
「翠様……お逃げください」
「ははっ! 冬夜、お前はこの小僧を斬れるのかい? 斬れないよねぇ?」
刃同士が押し合い、互いの力が腕を伝って震える。
幸太はその激しい衝突の中で、わずかな隙に声を落とした。
「冬夜さん……翠の“額”を狙ってください」
「お前……!」
冬夜は幸太の目を見た。
澱みのない瞳──操られていない。
「行くぞ……幸太!」
二人は同時に力を込め、
ぶつかり合った刃が弾け飛ぶように離れた。
『キィィィンッ!』
空気が一瞬ひずむ。
その“間”を冬夜は逃さなかった。
右手をしならせ、
神剣を投槍のように一直線へ走らせる。
空を裂く鋭音。
刃は閃光をまとい、白い尾を引きながら翠の額を目がけて疾走する。
翠の目が見開かれ──
ザシュッ!
額の石が粉砕し、破片が光を散らして飛び散った。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
翠は悲鳴を上げ、身体を折り曲げるほどもがいた。
地響きのような声が辺りを震わせる。
冬夜と幸太は、その効果を確信して
ごくわずかに、目だけで笑った。
……だが。
「……な~んてね」
翠がゆらりと顔を上げた。
「え?」
幸太が息を呑む。
翠は歪んだ笑みを深く刻みながら言った。
「翡翠《あの女》は賢いんだよ。お前の神剣が青く光ったのを見逃さなかった。
その剣はね、操られた人間には光らないのさ」
笑いながら、翠はゆっくりと首を鳴らす。
「だからわざと、“額が弱点”って教えたんだよ。
そしたら……本当に狙ってくるんだもんなぁ?」
嘲笑いながら腹を抱える翠。
「あまりに可愛いお前だから……“ご褒美”をあげたよ」
「ご褒美……?」
幸太が眉をひそめる。
「遥の呪縛は完全に解けたよ。感謝して欲しいなぁ」
「ふざけるな! 遥は自分で呪縛を断ち切ったんだ!」
冬夜の叫びは、怒りと悔しさが混ざる。
翠はうっとりと目を細め、
「そうだったね……でも“あのままなら”、何度でも俺に操られていただろうね」
──その背後。
「全く……好き勝手言ってくれるじゃない」
低く静かな声と共に、
遥の薙刀が翠の胸を一直線に貫いた。
「遥!」
「遥先輩!」
冬夜と幸太が同時に叫ぶ。
翠は胸を貫かれたまま嗤い、
髪を揺らしながら息を吹きかけるように言った。
「無駄だと言っているのに……学ばない奴らだな!」
直後──
翠が指先を払った瞬間、
ドォンッ!
爆風のような突風が巻き起こり、遥の身体が宙を舞った。
「遥先輩!」
幸太が瞬時に跳び込み、遥を抱きとめる。
支えられた遥は、その顔を見上げ──
(……え?)
一瞬、知らない青年に見えた。
『ドキッ』
心臓が跳ねる。
(ちょ、待って!? 相手は幸太なのよ!?
なんで心臓ドキドキしてんのよ、私!!)
遥は自分の心臓に全力でツッコミを入れた。
楽しげに笑う翠へ、冬夜は迷いなく刀を振り下ろした。
だが──
「効かないねぇ……。冬夜、俺はお前を愛してるんだよ。お前のその瞳に似合うのは、絶望と孤独だけだ」
斬撃が交錯するたび、翠の体は微動だにせず笑い声だけが響く。
「あぁ……冬夜。お前の怒りも憎しみも……たまらない。身体の底から快楽が湧き上がるよ」
「貴様……!」
冬夜が剣を振り上げ、踏み込んだ──
まさにその瞬間。
『キィィィィィン!』
空間が震えるほどの金属音。
二本の刃が激突し、火花が雨のように散った。
翠の前に立ちはだかったのは、幸太だった。
「翠様……お逃げください」
「ははっ! 冬夜、お前はこの小僧を斬れるのかい? 斬れないよねぇ?」
刃同士が押し合い、互いの力が腕を伝って震える。
幸太はその激しい衝突の中で、わずかな隙に声を落とした。
「冬夜さん……翠の“額”を狙ってください」
「お前……!」
冬夜は幸太の目を見た。
澱みのない瞳──操られていない。
「行くぞ……幸太!」
二人は同時に力を込め、
ぶつかり合った刃が弾け飛ぶように離れた。
『キィィィンッ!』
空気が一瞬ひずむ。
その“間”を冬夜は逃さなかった。
右手をしならせ、
神剣を投槍のように一直線へ走らせる。
空を裂く鋭音。
刃は閃光をまとい、白い尾を引きながら翠の額を目がけて疾走する。
翠の目が見開かれ──
ザシュッ!
額の石が粉砕し、破片が光を散らして飛び散った。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
翠は悲鳴を上げ、身体を折り曲げるほどもがいた。
地響きのような声が辺りを震わせる。
冬夜と幸太は、その効果を確信して
ごくわずかに、目だけで笑った。
……だが。
「……な~んてね」
翠がゆらりと顔を上げた。
「え?」
幸太が息を呑む。
翠は歪んだ笑みを深く刻みながら言った。
「翡翠《あの女》は賢いんだよ。お前の神剣が青く光ったのを見逃さなかった。
その剣はね、操られた人間には光らないのさ」
笑いながら、翠はゆっくりと首を鳴らす。
「だからわざと、“額が弱点”って教えたんだよ。
そしたら……本当に狙ってくるんだもんなぁ?」
嘲笑いながら腹を抱える翠。
「あまりに可愛いお前だから……“ご褒美”をあげたよ」
「ご褒美……?」
幸太が眉をひそめる。
「遥の呪縛は完全に解けたよ。感謝して欲しいなぁ」
「ふざけるな! 遥は自分で呪縛を断ち切ったんだ!」
冬夜の叫びは、怒りと悔しさが混ざる。
翠はうっとりと目を細め、
「そうだったね……でも“あのままなら”、何度でも俺に操られていただろうね」
──その背後。
「全く……好き勝手言ってくれるじゃない」
低く静かな声と共に、
遥の薙刀が翠の胸を一直線に貫いた。
「遥!」
「遥先輩!」
冬夜と幸太が同時に叫ぶ。
翠は胸を貫かれたまま嗤い、
髪を揺らしながら息を吹きかけるように言った。
「無駄だと言っているのに……学ばない奴らだな!」
直後──
翠が指先を払った瞬間、
ドォンッ!
爆風のような突風が巻き起こり、遥の身体が宙を舞った。
「遥先輩!」
幸太が瞬時に跳び込み、遥を抱きとめる。
支えられた遥は、その顔を見上げ──
(……え?)
一瞬、知らない青年に見えた。
『ドキッ』
心臓が跳ねる。
(ちょ、待って!? 相手は幸太なのよ!?
なんで心臓ドキドキしてんのよ、私!!)
遥は自分の心臓に全力でツッコミを入れた。
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