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一章
炎たちの過去
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「竜人と人間が共存する村があった。モエル、そこでお前が生まれたんだ」
「!!!」
「その村を突如襲ってきたのが冬将軍。村のみんなは戦った……が勝てずみんな殺された」
「…………」
師匠の話をただただ聞くモエルとハジケ。
「お前の親も……」
「!!!!!」
「お前の母親は逃げようとしていたが父親は戦おうとしていた。お互いが説得しあっているときに
冬将軍、やつが父親を刀で刺した。母親は殺される前に子供だけ、モエルだけは助けてくれと言っていた。
やつはそれを約束し母親を殺した……がやつは約束を無視した。やつは村ごとモエルを殺そうとしたところを私がこっそり助けたんだ」
「何で……何でそんなに詳しいの……?」
「…………」
「ねぇ、教えてよ、お師匠様。何でそんなに詳しいの?」
「……やつらが村を襲ってきたとき、私は戦わずに逃げたんだ……村のみんなを置いて……」
「それじゃあ私のお父さん、お母さん、村のみんなを見殺しにしたって事……?」
「…………」
「何で……お師匠様は強いのに……」
「私はあの時は弱かったんだ。もちろん何百といる部下は倒しきれる。幹部も二人ぐらいならやれてただろう。幹部一人、冬将軍は逃してしまうが」
「だったらそうして幹部一人、冬将軍だけにすれば少しは助かったんじゃ!」
「無理だ。やつは反抗すれば何度でも何百何千と部下、幹部を作るだろう……だからまとめてやっつけられるように強くなろうとしたんだ」
「……」
「モ、モエルちゃん……」
黙り込んでしまったモエルを心配してハジケが声を掛ける。
「……ごめん。ちょっと外出てくる」
そう言ってモエルはショックのあまり洞窟の外に出て行ってしまった。
「ハジケ」
「何ですか?」
「お前はどうやって生き残ったんだ?」
「私は小さいころに森に捨てられたみたいで……この森の近くに住んでいる人に拾って育ててもらったみたいです。聞いただけなので確かか分かりませんが……」
「そうか、捨てられていて……聞いてすまなかった」
「大丈夫ですよ。気にしません」
「それは助かる。……すまんがモエルを追ってくれないか? 私とは今顔を合わせたくないだろうからな。私が行くわけには行かない……」
「はい、モエルちゃんのことは任せてください!」
そう言うとモエルを追ってハジケは洞窟を出て行った……
「モエルちゃん……」
洞窟を飛び出していったモエルを追って洞窟から離れた場所にいた。
「大丈夫?」
「……」
モエルに声を掛けるが答えない。
「お師匠さんは確かに村のみんなを見殺しにはしちゃったけど……
冬将軍に勝つにはそうするしかなかったんだよ……きっと…」
「……」
「あのときのお師匠さんは弱かったって言うし……戦ってたら負けて、モエルちゃん死んでたかもしれないんだから」
「……」
「今があるのはお師匠さんのおかげなんだから……」
「うん…………」
「お師匠さんのところへ戻ろう?」
「うん……」
モエルはハジケとともに師匠のいる洞窟に戻っていった……
複雑な心境のまま……
「!!!」
「その村を突如襲ってきたのが冬将軍。村のみんなは戦った……が勝てずみんな殺された」
「…………」
師匠の話をただただ聞くモエルとハジケ。
「お前の親も……」
「!!!!!」
「お前の母親は逃げようとしていたが父親は戦おうとしていた。お互いが説得しあっているときに
冬将軍、やつが父親を刀で刺した。母親は殺される前に子供だけ、モエルだけは助けてくれと言っていた。
やつはそれを約束し母親を殺した……がやつは約束を無視した。やつは村ごとモエルを殺そうとしたところを私がこっそり助けたんだ」
「何で……何でそんなに詳しいの……?」
「…………」
「ねぇ、教えてよ、お師匠様。何でそんなに詳しいの?」
「……やつらが村を襲ってきたとき、私は戦わずに逃げたんだ……村のみんなを置いて……」
「それじゃあ私のお父さん、お母さん、村のみんなを見殺しにしたって事……?」
「…………」
「何で……お師匠様は強いのに……」
「私はあの時は弱かったんだ。もちろん何百といる部下は倒しきれる。幹部も二人ぐらいならやれてただろう。幹部一人、冬将軍は逃してしまうが」
「だったらそうして幹部一人、冬将軍だけにすれば少しは助かったんじゃ!」
「無理だ。やつは反抗すれば何度でも何百何千と部下、幹部を作るだろう……だからまとめてやっつけられるように強くなろうとしたんだ」
「……」
「モ、モエルちゃん……」
黙り込んでしまったモエルを心配してハジケが声を掛ける。
「……ごめん。ちょっと外出てくる」
そう言ってモエルはショックのあまり洞窟の外に出て行ってしまった。
「ハジケ」
「何ですか?」
「お前はどうやって生き残ったんだ?」
「私は小さいころに森に捨てられたみたいで……この森の近くに住んでいる人に拾って育ててもらったみたいです。聞いただけなので確かか分かりませんが……」
「そうか、捨てられていて……聞いてすまなかった」
「大丈夫ですよ。気にしません」
「それは助かる。……すまんがモエルを追ってくれないか? 私とは今顔を合わせたくないだろうからな。私が行くわけには行かない……」
「はい、モエルちゃんのことは任せてください!」
そう言うとモエルを追ってハジケは洞窟を出て行った……
「モエルちゃん……」
洞窟を飛び出していったモエルを追って洞窟から離れた場所にいた。
「大丈夫?」
「……」
モエルに声を掛けるが答えない。
「お師匠さんは確かに村のみんなを見殺しにはしちゃったけど……
冬将軍に勝つにはそうするしかなかったんだよ……きっと…」
「……」
「あのときのお師匠さんは弱かったって言うし……戦ってたら負けて、モエルちゃん死んでたかもしれないんだから」
「……」
「今があるのはお師匠さんのおかげなんだから……」
「うん…………」
「お師匠さんのところへ戻ろう?」
「うん……」
モエルはハジケとともに師匠のいる洞窟に戻っていった……
複雑な心境のまま……
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