世界最高の悪役は実はクズ雑魚~勘違いは勘違いを呼び組織(ハーレム)は出来上がった~

亜・ナキ

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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~

第十話 剥製の想い

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「ア、アク様!?」


 横を見るとエイリ。
 前を見ると数段下がった所に大量の人が膝まづいている。
 周りを見渡すと豪華な装飾がされた聖堂のような所のようだ。
 エイリとケモ耳が横にいるようだ。
 全員黒いローブを着てるのは趣味だろうか。
 後ろを見ると豪華な玉座があった。

 うーん。全く分からない。


「アク様に胸を揉まれるなんて羨ましい…じゃなかった。なぜここに!?」

「ご、御無礼をお許しくださいにゃ!」


 このケモ耳ピンクはなんで謝ってるんだ?
 なんか分からんけど立ち上がる。


「いいよいいよ。まさか下に人がいるとは思わなくて…」

「そんなことよりもなんでここにいるかです!」


 そんなこと言われてもなぁ~。主に俺が聞きたいんだが。


「ただの偶然だよ。神様の悪戯ってね」


 ちょっとカッコつけて答える。


「な…ここに来るには特定の場所に寄りかかりながら神にこの崩壊を捧げようと言ってから魔法陣を展開して魔力を放出しなければいけないのに!」


 うわぁ、すごい偶然。
 俺の魔法陣見た目だけのゴミカスだけどそれも反応するんだ…


「で、ここは何をする空間なのかな?聞くまでもないけど」


 これは完全に新興宗教。変な宗教にエイリがはまっちまった。
 その道から救い出してやらないと!
 待ってるのは破滅だ!


「もうこんなことは…」

「アク様と信念を共にするもの達であります!」

「「あります!」」


 へ?


「この国を魔王から救うためにも!他の国を守るためにも!我々は集まりました」


 あるうぇ?

 うん。冷静かつ天才的な俺の頭による演算はエイリが俺の戯言を信じて仲間を募っていたように聞こえるのだが。

 ケモ耳が話し始める。


「日頃から伝説は聞き及んでおりましたにゃ。会えて大変光栄ですにゃ」


 伝説ってなに!?怖いよ!
 というかこのケモ耳猫どこかで見たことあるような…
 友達の飼ってた猫ににてるぞ!(現実逃避)


「君とは初めてあった気がしないよ」

「にゃ!?…お忍びでよく見ていたのがバレたにゃ!?」


 後半は聞かなかったことにしよう。(やっぱやーめた)

 余裕のある笑みで大量に膝まづいてる奴らの方を見る。

 どうしよう。こいつら全員俺の嘘に騙されてるって事だよね。
 ここで嘘とか言ったら襲われるの覚悟しなきゃいけないね。
 いやだよ。死ぬの。
 今俺は死の瀬戸際に立たされてるわけか。
 俺の異世界ライフハードすぎない?


「お忍びでよく見に来ていた事は目をつぶろう」


 キョドりすぎてケモ耳ピンクの方じゃなくて皆の方向いて言っちゃった。


「「「なっ!バレた!」」」


 ほぼ全員同じ反応。
 仲良しかよ。

 ここから俺は全てを知ってる感じでいかなければならない。じゃないと死ぬ。
 ただし大丈夫。
 厨二病の俺からしたら朝飯前だ。
 …嘘がバレるまでは。
 控えめに言って泣きたいなぁ。

 なんとかこいつらに諦めさせるしか…名案があるぞ!


「俺やお前らが今からやろうとしていることは国家への反逆だ。それだけでなく、今いい生活を送れている民たちの生活を壊すことにもなりかねない」


 豪華な玉座に偉そうに座る。これも幻滅させられるようにだよ。


「それでもお前たちは立ち上がることが出来るのか?己の命をかけても自国が魔王軍となることを否定したいのか?」


 すると、横にいた多分ちょっと地位が上のエイリやピンクケモ耳も膝まづいた。(ピザまづいた)
 エイリが口を開く。


「我々は貴方様がいなければ死んでしまっていたような物ばかりです。貴方様への忠誠はとっくの昔に誓っております」


 エイリが顔を上げ、俺の目を強く見る。


「我々が欲しいのは今でもなく、昨日でもなく、未来なのです。この国が魔王軍へと堕ちた時、世界は滅ぶでしょう。そんな事になるくらいならば…」


 なぁに序盤で最終決戦みたいな話してんの?(メタ発言)
 早く諦めてくれよ!この頑固ども!


「何を正義ぶっている」

「!?」


 少し彼女は驚いた顔をする。


「俺たちが今からやるのは悪役になる事だ。国家に反逆し、民を苦しませ…その果てにどんな輝かしい未来が待っていようとその過程は変えられない」

「で、ですか…」

「正義に憧れたのならやめろ。俺たちは悪役にしかなれない」


 全ての音が消える。
 嫌な沈黙だ。


「俺がなるのは、お前が憧れたのは、手伝おうとしたのは、お前が正義だと思ったのは…」


 席を立つ。
 そしてエイリを見る。周りを見る。


「世界最高の悪役ヴィランなんだよ。世界最高の英雄せいぎなんかと履き違えるな」
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