世界最高の悪役は実はクズ雑魚~勘違いは勘違いを呼び組織(ハーレム)は出来上がった~

亜・ナキ

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第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~

第九話 抜け出せぬ厨二

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 3人くらいの黒服にローブを被った少女が囲まれている。


「な、何が目的ですか!」

「知る必要は無い」


 うーん。幻術で姿を消して近くまで来たのはいいけど貧弱な俺では助けれないかもしれない。
 よし、幻術でなんとか脅して撤退してもらおう。


「ねぇねぇ。何してんの?」


 黒服の肩を叩く。


「!?何者だ!」

「んー。名乗るほどのものでは無いかな」


 言いたかったんだよなー。これ。


「でも早くどっか行ってくれないと…殺しちゃうよ?」


 よし。強キャラ感だせた!


「何を!」

「その減らず口を叩けないようにしてやる!」


 ア゙ア゙。こういう噛ませ役系なのね。
 幻術発動!
 周りに黒いオーラを出す!
 この世界ではオーラを出すのは魔力消費が激しいのであまり意味が無い。
 でも魔力が強いほど色が濃くなったりするので威嚇や力の誇示に役立つのだ。
 俺はそれを幻術で出す。
 めっちゃ濃い色で。


「な、こいつのオーラ!」

「一旦撤退だ!」


 よし。ハリボテのオーラで追い返してやったぜ。
 雑魚どもが!


「大丈夫ですか?」


 幻術を解いて聞く。


「あ、ありがとうございます!」


 にこやかなスマイルを浮かべる。
 惚れさせるぞぉ!


「いえいえ、当然のことをしたまでです」

「是非お礼を!」


 その時何かが揺れた。何とは言わないがローブごしでもわかるこの大きさ…
 フードを被っているからあんまり分からないが金髪だな。
 そして…多分青眼だ。
 ちらっと見えた。


「お礼は貴方の笑顔で十分ですよ」


 決まった!


「せめてお名前だけでも…」


 うむ。名前を言わないともう会えない。てか恩を売れなくない?
 だが名前を言えばさっきカッコつけて「名乗るほどのものでは無い」って言ったのが…

 くそ!


「な、名乗るほどのものじゃないよ。じゃあね」


 俺には厨二病ムーブの方が大事だった!
 恩を売りたかったのに…世界は残酷だ。本当に。

 幻術で姿を消し、半泣きになりながら路地をさらに奥へと進んで行った。
 俺の恩売りハーレム。さようなら。



 ◇◇ファルス視点◇◇

 私はきっとちょろんいんだろう。
 さっき会ったばかりの人を好きになってしまった。
 だって、それはずっと夢見てきた勇者に助けられたお姫様のようで。
 颯爽と、恩をきせることもせず、去っていった彼は本当に王子様のようで。

 とても美しいちょっと女の子っぽい人だった。髪も長いからかなり紛らわしい。
 でも動きなどから男で間違いないだろう。
 鑑定までした。練習すれば誰でも使えるようになるスキルとは言え、使う人は少ない。
 私はそこまでの熟練度では無いので性別と大体の強さしか分からなかった。
 だが鑑定してみるとクソザコナメクジという判定が出た。
 おそらく鑑定の阻害ができる魔法でも持っているのだろう。
 私はそんなもの見たことないが。魔術師が新しい魔法を開発することもたまにあるしきっとそうなのだろう。
 彼は私でも見たことがないようなオーラを放っていた。
 最低でもレベル7の魔術師だろう。

 昔幻術でオーラを偽造する者がいたが私が幻術を見破れないわけが無い。

 確かに私は魔法耐性が著しく低い。
 格下の相手にも幻術をかけられることもある。

 でも今更時代遅れのクソ魔術の幻術なんて使うアホはいないだろう。

 珍しい黒髪だったし探したら…

 いやダメだ。

 私に、恋をする価値などないのに。そんな資格は無いのに。

 国民を混乱させないためとはいえ聖女の代理として選ばれた偽聖女の私では…
 国民全てを騙している私では…


「あーあ。お忍び旅行なんてくるべきじゃなかったな…」




 ◇◇アクトク・リョウシュ視点◇◇

 ぴえん。
 なかなか悲しい気持ちで俺は路地裏の壁によりかかる。
 なんでこんなになろう系のイベントは起こるのにそれ以上にはならないのだろう。
 もしかして金持ち悪徳領主という名前のせいか?
 もしかしてそういう雰囲気がでてるのか?

 ア゙ア゙!さっきのは厨二病のせいだ!
 治れ!不治の病!


「神にこの崩壊をささげよう!『神への反逆アルファ・ゼロ』。って厨二病セリフ言ったからもしかするとエイリが冷たくなったのか?」


 生まれてきてからずっと幻術のみを鍛えてきたせいで弱いし無双できそうにないし…

 適当にそこら中に幻術で魔法陣を作る。
 見た目かっこいいんだけどな…

 その後に少し魔力を放出する。
 魔力総量も普通の人よりは多いと思うんだけどな…

 その瞬間、ゴゴゴゴゴ。と大層な効果音がなり、床が無くなった。


「へ?」


 当然落ちる。


「ぎゃぁぁ!なんでぇー!」

 ・
 ・
 ・

「きゃっ!」


 もう自分の人生を諦めながら落ちていると突然柔らかい感触が…

 ムニムニ。非常に良い感触だ。素晴らしい。

 下を見るとケモ耳。


「な、なな、変態!ってにゃ!?」


 ピンク髪のツインテールケモ耳っ子の胸を掴んでいる。

 なんで?どういう状況?
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