世界最高の悪役は実はクズ雑魚~勘違いは勘違いを呼び組織(ハーレム)は出来上がった~

亜・ナキ

文字の大きさ
13 / 46
第壱章 偽聖女~空と宇宙の境界はどこにあるか~

第十一話 仕える覚悟

しおりを挟む
 エイリが片膝をつきながらも冷や汗を垂らしてるように見える。

 チェックメイト。お前らのやる気はなくなった。
 この宗教終わり。ついでに俺への好感度も爆減り。


「すみませんでした。私の覚悟が足りなかったのでしょう」


 ん?雲行きが怪しいぞ?

 彼女が立って俺の所まで来た。
 そしてなんと右の靴を脱がせてきた。

 え?何?なんなの?


「貴方が悪役になると言うならば私も何処までも堕ちて行きましょう。決して、1人になどさせません」


 すると、俺の右素足にキスをした。確か服従の証…

 ひゃほほうくううなあら%@vv%c3n~s…

 脳が、ショート…


「我が名はエイリ。貴方様への忠誠を今ここで誓いましょう」

「なかなか、いいじゃないか」


 やべ!口に出ちゃった。
 ていうかもう足洗えないんだけど!?
 もう永久保存だよ!最高だよ!

 するとケモ耳ピンクが来て、


「我が名はエアク。貴方様への忠誠をここに誓います」


 おおう。脳がショート。意識が…


「私もです!」
「俺もです!」
「私も!」
「俺も!」


 他の人も順番にキス、意識が戻った時にはベトベト。
 女の子はともかく野郎のキスなど要らないが?

 地獄ですか?


「『聖なる水アクアクリーン』」


 あ!誰かが綺麗にしてくれた。
 ありがとう!なんて言とでも思ったか!
 汚れたのは元々お前らのせいだ!

 てか諦めないの?いやまだ諦める可能性がある!なんか言おう!


「本当についてくるのか…馬鹿どもが」


 よし!馬鹿とか言ったら怒るだろ!


「はい…アク様…」


 あるうぇ~?なんでしんみりしてんの?
 よし。諦めよう。色々諦めよう。
 俺はもう死んだわ。もう近い未来絶対死ぬ。
 逃げてもこの大量にいるこいつらからは逃げられない。
 俺の人生そんなもんよ。
 転生できただけマシだ。
 第二の生なんだからそこまでは望まないことにしよう。
 もう十分生きたさ。
 
 よし!心の整理はついた!もうこうなったら怖いもんはないぞ!
 もうじき死ぬんだからな!
 もう死が確定したら何も怖くないわ!
 せめて前世ではできなかったような厨二病ムーブを楽しませて貰いましょう!


「今日はそれが言いたかっただけだよ。出口どこ?」

「私がお送りします!」


 エイリ!
 だがお前は許さん。お前のせいでおれ死ぬ。(嘘ついたのが悪い)
 末代まで祟ってやるからな。(逆ギレ)
 覚えてろよ。

 エイリに謎の魔法陣で送ってもらってる最中に恨みの念を送り続けた。
 めっちゃ睨みつけた。

 フHAHAHA!




 ◇◇エイリ視点◇◇

 アク様と初めて出会ってから10年が経った。
 余計なお世話かもしれないけど、私は仲間を集めることにした。
 私一人では支えきれそうにないから。

 ほとんどが欠損した没落貴族や奴隷を治して、感謝され、お礼にとアク様の素晴らしさを布教し、仲間に引き入れた。

 皆感謝してすぐにアク様に心酔していった。
 その中の1人がお金儲けが上手で資金は増え、それで更に仲間を増やした。
 もしかしてアク様もこうして仲間を増やしていただけなのかもしれない。
 でも多分私の考えてる事は看破されてると思う。
 何故か必要以上に、それこそ奴隷が何体も買えるくらいのお金を毎月貰えた理由がそうでなくては説明できない。
 それにかなりしつこくその事を聞いてくるあたり、進行状況を聞いてるのだと思い、毎回順調だと答えた。
 それ以外はずっと訓練しているか、きちんとアク様を補佐できるように知識をつけた。
 勿論アク様に心酔せし者共への訓練は忘れていない。
 その中で最も成績が良かったケモ耳ピンク(エアク)に特別に猫に変身してもらってアク様を何度か物陰から見せてあげた。

 だが最近思い立ったのだ。
 あれ?訓練ばっかしてるって脳筋ぽくない?
 割と話す時にキョドって冷たくしちゃう時もあるし好感度は下がる一方なのでは?
 このままでは駄目だ。
 決して下心がある訳では無いが将来的にアク様の秘書くらいにはなりたいと思ってる。
 一切下心はないが。部下との禁断の恋…なんて想像してないが。
 なのに戦うばかりのガリ勉なんてよく考えたらあんまりいい印象持たれなくない?
 寝なくていい魔法によって出来た夜の時間は訓練に当てていたが最近は身の回りの世話なども出来るように頑張っている。

 もうすでにアク様の大体の好きな物とかも分かってきている。
 ずっと観察しているので当然だ。
 アク様は着替えを手伝われるのを非常に嫌うのだが「一流になる為には必要なんです!お願いします!」と頼み込んだらさせてくれた。
 男にしては華奢な手。白い肌。私より少しだけ高い背。
 めっちゃ興奮した。無表情保つの苦労した。
 この為に産まれてきたんだと思った。

 ここで弁解させて欲しい。
 私は恋心を心の中に閉じ込めておくとは言ったが一切妄想しないとは言っていない。
 ほぼ毎日アク様のことを妄想してる。
 すみません詐称しました毎秒でした。

 そして地下にある秘密の聖堂にてアク様の素晴らしさを私の次に強いケモ耳ピンク(エアク)と説いていた時。

 アク様が、落ちてきた。


「いいよいいよ。まさか下に人がいるとは思わなくて…」


 エアクが胸を掴まれていた。羨ましすぎる。
 それにしてもなんでここが分かったのだろう。
 一切跡を付けていないはずなのに…


「ただの偶然だよ。神様の悪戯ってね」


 そう言ってアク様は悪戯っぽく笑う。尊い。
 そうか。私の考えてることなんて丸々全部お見通しなのか。
 どんなセキュリティにするかまで読まれるなんて…!


「で、ここは何をする空間なのかな?聞くまでもないけど」


 知ってるであろう事を彼は尋ねる。
 その後、エアクが挨拶をすると、


「でも君とは初めてあった気がしないよ」


 と言った。
 エアクは驚いてるが当たり前だ。
 アク様は私たちのちゃちな隠蔽なんて寝ながらでも看破出来るのだから。


「お忍びでよく見に来ていた事は目をつぶろう」


 すると彼は他の者に向かってそういった。
 え?お前ら許可なしに見に行ってたの?
 なやってんだおまぇー!

 一息ついた所でアク様は話し始める。


「俺やお前らが今からやろうとしていることは国家への反逆だ。それだけでなく、今いい生活を送れている民たちの生活を壊すことにもなりかねない」


 そして彼は玉座に座った。アク様用の玉座は超高級だ。


「それでもお前たちは立ち上がることが出来るのか?己の命をかけても自国が魔王軍となることを否定したいのか?」


 愚問だ。そのような覚悟決まっている。
 膝まづいて答える。


「我々は貴方様がいなければ死んでしまっていたような物ばかりです。貴方様への忠誠はとっくの昔に誓っております」


 顔を上げ、アク様の目を強く見る。


「我々が欲しいのは今でもなく、昨日でもなく、未来なのです。この国が魔王軍へと堕ちた時、世界は滅ぶでしょう。そんな事になるくらいならば…」


 そこで、アク様はきっと我々を認めてくださると思った。
 だが、彼はそこでため息をついた。


「何を正義ぶっている」

「!?」


 驚きを、禁じ得ない。
 正義ぶるもなにも我々がやろうとしていることは正義の行いでは無いのか?


「俺たちが今からやるのは悪役になる事だ。国家に反逆し、民を苦しませ…その果てにどんな輝かしい未来が待っていようとその過程は変えられない」

「で、ですか…」


 それは結果的に皆を助けることに…
 嗚呼、そうか。私は結果しか見ていなかったのか。


「正義に憧れたのならやめろ。俺たちは悪役にしかなれない」


 全ての音が消える。
 私たちにこの事をもう一度考えさしてくれる、沈黙だった。


「俺がなるのは、お前が憧れたのは、手伝おうとしたのは、お前が正義だと思ったのは…」


 アク様が席を立つ。
 力強く、彼は言った。


「世界最高の悪役なんだよ。世界最高の英雄せいぎなんかと履き違えるな」


 やはり、私たちには覚悟が足りてなかったのかもしれない。


「貴方が悪役になると言うならば私も何処までも堕ちて行きましょう。決して、1人になどさせません」


 彼の足にキスを。これは服従の証。


「なかなか、いいじゃないか」


 彼は私の覚悟を受け取ってくれたのだろう。
 ニヤリと笑った。

 確かに、我々がなろうとしてるのは悪役ヴィランなのかもしれません。
 それを、変えることはできないのかもしれません。

 それでも…私にとって…貴方は…


 世界最高の正義ヒーローですよ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない

七星点灯
青春
 雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。  彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。  しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。 彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

処理中です...