病と恋愛事情

遠藤良二

文字の大きさ
13 / 35

13話 連絡

しおりを挟む
 早川美津紀という出会い系サイトで知り合った女とは仲良くなってきた。あまりにも上手くいき過ぎていて、ちょっと怖いくらいだった。

 今日、俺は仕事が休み。美津紀さんは何をしているだろう。

 今はスマホを見ると10:36と表示されている。

 メールを送ってみるか。そう思い、そのまま本文を開いて打ち込んだ。

[こんにちは! 美津紀さん。何してるの?]
と、入力し送った。
そして昼時にメールの返信があった。内容は、
[こんにちは。今、仕事終わって帰ってきました。メールありがとうございます]
すぐに返信した。
[もし、良かったらメールじゃなく電話番号交換しない?]
俺は無理を承知で訊いてみた。

 それから30分くらいメールは来なかった。
 それを教える気にはならないのだろうか。そして、
[もう少し伊勢川さんのことを知ってからでもいいですか?]
 やはりそうきたか……仕方ない。
[うん、いいよ]
[すみません]
[いや謝ることはないよ。その方がもう教えてもらえないのかなと思うからさ]
 そこでメールはストップした。

 俺は、
「はあーあ……」
 と、溜息をついた。
「なかなか上手くいかないな、まあ、仕方ない。切り替えて、小説を書くか」
 俺は居間の中央に設置してある、テーブルの上にあるノートパソコンを立ち上げた。たまにはスケベな画像でも見るか、と思ったがあまりその気になれないので止めた。女と結ばれたのはいつ以来だろう。思い出せる範囲では数年前だ。

 病気になって通院するようになり六年が経つ。それからというものの、俺の三大意欲が大分低下した。
 体の為にと思って最近では煙草と酒を止めた。

 俺は何が生きていて楽しいのか分からなくなっている状態だ。

 小説を書こうと思ってパソコンは立ち上げたが、書く気が無くなり止めることにした。

 友人の麻沙美まさみは何をしているだろう。最近、連絡が来ない。こちらからもしていないし。いつもは1ヶ月に1回は娘のさくらちゃんと一緒に来ていたが来なくなった。どうしたのだろう。たまにはこちらから電話してみるか。そう思い平 麻沙美たいらまさみの番号を探した。発信の所をタップして六回目で繋がった。
「もしもし」
『あ、晃。久しぶり。最近、連絡してないからどうしてるかなって思ってたんだ。さくらも晃の小説読みたがっててさ』
「そうなのか。そいつは嬉しい。モチベーションを上げてくれるのはさくらちゃんだけだな」
 麻沙美は自分が俺の小説を読んでいないからだろう、黙ってしまった。なので、
「麻沙美。俺の小説読んでいないことは気にしなくていいよ」
『え? でも……』
 俺は笑みを浮かべながら、
「そうやって気にしてくれてるだけで充分だよ」
『そっかぁ、ありがとね!』
「今から遊びに来ないか? さくらちゃん連れて」
『あ、さくらは今、遊びに行っているのよ』
「じゃあ、麻沙美だけでも来ないか?」
『うーん、二人っきりかぁ』
 麻沙美は何を考えているんだ、と思ったので、
「何もしねえよ」
 と、強い口調で言った。すると、
『そうよねぇ。相手があたしじゃ手は出さないよねぇ』
 俺はそれを聞いて苦笑した。
「そういう意味じゃないけどな」

 話の成り行きで麻沙美は一人で来てくれることになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...