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3人の歩幅
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学院の端。
演習場の近く私は先生と歩いていた。
木々の間を縫うように丹念に調べて行く。
調査を始めてからどのくらい時間が経っただろう、だんだん薄暗くなってきた。
すぐに真っ暗になってしまうだろう。
「お嬢様、緊張してる?」
「してないわ!」
反射的に答えてしまう。
「ふふ♡ 可愛い強がり」
先生は愉快そうに笑うばかり。
心が余計に落ち着かなくなる。
突然、先生の顔が曇った。
たった一瞬だったけども。
私にはわかった。
「先生、どうしたの?」
「いいえ、別になんともないわ。」
先生は、扇子でパタパタと仰いだ。
「ここにいたのか」
背後から声がして振り向くと、レオンが立っていた。
真剣な眼差しが夜の闇に映える。
「2人して調べ物?あの暴走の件だろ?俺も手伝う」
まっすぐな言葉で、まっすぐに私たちに聞いてくる。
その裏表のない姿勢は紛れもない彼の美徳だけれども、今は大きな声でそんなことを言って欲しくない。
何が起きるかわからないし、誰が潜んでいるかもわからないから。
「レオン……、レオンには関係のないことよ。」
「そんなことない。
君が関わっていることは、俺にとっても大事なことだ。だって。君は俺にとって大事な人なんだから。
」
彼の真っ直ぐな態度に、胸が熱くなる。
先生は扇子をくるりと回して、にこやかに微笑んだ。
「んまぁ、頼もしい騎士様が増えて心強いわ♡」
「皮肉は要りません。俺は本気です」
火花が散るような二人のやりとり。
その間に挟まれて、私は息が詰まりそうだった。
⸻
三人で歩みを進めると、石壁の一部に奇妙な紋様が浮かび上がっているのを見つけた。
赤黒い線が絡み合い、禍々しい魔力が漂う。
「やっぱり……」
私の背筋が凍る。
「増幅式の残りね」
先生が扇子を畳み、表情を引き締める。
「これを仕込めるのは、学院の内部事情を熟知した者……」
「つまり、内通者がいるってことか」
レオンの言葉に、場の空気が一気に張り詰める。
⸻
その時、影が蠢いた。
石壁の紋様がゆらりと光を放ち、黒い人影が立ち上がる。
「……やっぱり来たわね」
先生の声が低く響く。
私は杖を構え、レオンは剣を抜いた。
三人の視線が一点に集まる。
「正体を暴くのは──ここからよ」
先生の言葉に、私の心臓は高鳴った。
演習場の近く私は先生と歩いていた。
木々の間を縫うように丹念に調べて行く。
調査を始めてからどのくらい時間が経っただろう、だんだん薄暗くなってきた。
すぐに真っ暗になってしまうだろう。
「お嬢様、緊張してる?」
「してないわ!」
反射的に答えてしまう。
「ふふ♡ 可愛い強がり」
先生は愉快そうに笑うばかり。
心が余計に落ち着かなくなる。
突然、先生の顔が曇った。
たった一瞬だったけども。
私にはわかった。
「先生、どうしたの?」
「いいえ、別になんともないわ。」
先生は、扇子でパタパタと仰いだ。
「ここにいたのか」
背後から声がして振り向くと、レオンが立っていた。
真剣な眼差しが夜の闇に映える。
「2人して調べ物?あの暴走の件だろ?俺も手伝う」
まっすぐな言葉で、まっすぐに私たちに聞いてくる。
その裏表のない姿勢は紛れもない彼の美徳だけれども、今は大きな声でそんなことを言って欲しくない。
何が起きるかわからないし、誰が潜んでいるかもわからないから。
「レオン……、レオンには関係のないことよ。」
「そんなことない。
君が関わっていることは、俺にとっても大事なことだ。だって。君は俺にとって大事な人なんだから。
」
彼の真っ直ぐな態度に、胸が熱くなる。
先生は扇子をくるりと回して、にこやかに微笑んだ。
「んまぁ、頼もしい騎士様が増えて心強いわ♡」
「皮肉は要りません。俺は本気です」
火花が散るような二人のやりとり。
その間に挟まれて、私は息が詰まりそうだった。
⸻
三人で歩みを進めると、石壁の一部に奇妙な紋様が浮かび上がっているのを見つけた。
赤黒い線が絡み合い、禍々しい魔力が漂う。
「やっぱり……」
私の背筋が凍る。
「増幅式の残りね」
先生が扇子を畳み、表情を引き締める。
「これを仕込めるのは、学院の内部事情を熟知した者……」
「つまり、内通者がいるってことか」
レオンの言葉に、場の空気が一気に張り詰める。
⸻
その時、影が蠢いた。
石壁の紋様がゆらりと光を放ち、黒い人影が立ち上がる。
「……やっぱり来たわね」
先生の声が低く響く。
私は杖を構え、レオンは剣を抜いた。
三人の視線が一点に集まる。
「正体を暴くのは──ここからよ」
先生の言葉に、私の心臓は高鳴った。
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