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29話 颯side
しおりを挟む「え…今、なんて…?」
突然の俺の告白に驚く俺の愛おしい悠。状況が理解できていないのだろう。さっきまで大変な目に遭ってきっと疲れているはずだ。悠のことを思うならいま俺の気持ちを伝えるべきではない。でもずっと押さえ込んでいた気持ちは溢れ出してもう止められない。
「悠突然ごめん。でも前からずっと好きだった。本当はまだ伝えるつもりじゃなかった。でも悠がアイツのこともう好きじゃないってきいて言わずに入れなかった。」
「…」
「悠にとって今まで友達だと思ってた俺の気持ちは気持ち悪いと思うのはわかってる…でも俺の気持ちをゆっくりでいいから理解してほしい。結果どんな答えになったって大丈夫だから。…わがままでごめんな。」
「…しい。」
悠が何かを言ったが、声が小さくて聞こえない。
…もしかして気持ち悪いとか?いや、ごめんなさいか?…嫌いとかだったらどうしよう…いやなことばかり思いつく。本当は聞き直したくない。でも俺がどんな返事でもいいって言ったんだ。俺は震える手を押さえ、出来るだけ落ち着いた声で悠に話しかける
「…俺は振られる覚悟はもうできてる。だから俺に気を使わなくていい。堂々と俺を振っ「ッ嬉しいっ!!」」
そんな覚悟なんかできてないのに、勇気を振り絞り言った俺の言葉は遮られ、俺は抱きしめられた
え?…え?なんか嬉しいッて聞こえたんだけど…。…いや、聞き間違いだ…。そうに違いない。……でも振った相手を普通抱きしめるの、か?…俺は分からなくなってもう一度悠に問いかける
「…ねえ悠。もしかして嬉しい…って言った?」
「うん。言った。」
「…それって俺のことが好きってこと?」
「そうだよ。」
「…本当に?」
「あのねぇ…。」
「友達としてじゃないんだよ?俺は悠とキスだってしたいし、その先だって」
「ちゃんと聞いて?はやて。」
「…うん。」
「俺は、颯が好き。…颯が大好きだよ。」
「…」
「颯、俺と付き合ってくれる??」
「当たり前だろっ!…ていうかそれ、俺が言いたかった…」
「ふふふっ。ごめんね。先にいっちゃった。」
「はー、本当に可愛い…」
俺は悠の肩に顔を埋める。そんな俺の頭を悠はぽんぽんと撫でる。
この時間が愛おしい。ずっとこの瞬間を待ってた。俺が悠を幸せにするんだ。
颯自然に唇を重ね合わせた。
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