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密談 真の悪役2人
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聖女リリアンの処刑ショーを、特等席で見物していたのが、シュペール王国王太子アステールと、リリアンから次期王妃の地位を奪おうとしている侯爵令嬢ジリーナである。無実のリリアンを陥れたのはこの2人の策謀だった。
「リリアンは死んだのかな? 愛しきジリーナよ」
「はい、間違いなく死んだと思います。あの炎の中で生き延びれるはずはありませんよ」
「ふむ、最後に妙な光に包まれたようにも見えたが。魔法を使うだけに油断ならん」
「魔法スティックは取り上げているから大丈夫ですわ」
「なら、いいんだがね」
王太子は、リリアンがひょっとすると生き延びたかもしれないと思っていたのだが、ジリーナは頭からそれを否定した。
「まったく、君のおかげで助かったよ。リリアンの裏切りが発覚せず、あのまま彼女と結婚していたら王国も私も危ないところだった」
「どういたしまして。王国と王太子さまの利益になるような行動をしたまでです。わたしがまるで、彼女を陥れたかのような噂話をしている者たちもいるようですが、わかってませんねえ」
実は、ジリーナの揃えた証拠はすべて捏造で、その噂話のほうが正しかったのだ。愚かな皇太子は、狡猾なジリーナに騙されていたのだった。
「まったくだな。ところでリリアンのやつ、いい身体してやがったな。一度くらいあの見事なオッパイ揉みたいものだったが」
「まあ、王太子様ったら。王国の上流階級では婚前交渉は厳禁なのは御存じでしょうに。それに聖女は処女じゃなくなったら能力を失うから、あの人も嫌がったでしょうよ」
リリアンほどの巨乳でないジリーナは、王太子から比べられた気がして、少し気分を損ねた。
「それはそうだ。しかし、リリアンを晒し物にしたのは成功だったな。あいつの裸身を公開することで、民衆がああも喜ぶとは」
「民衆は、偶像が堕ちる姿を好むのですわ。あの人にはふさわしい最期でしょう」
リリアンの半裸磔での公開処刑は、ジリーナのアイデアだった。サディストの一面を持つ王太子は、喜んで採用したのだった。用済みになった聖女を辱めて、堕とすには最高の策であった。
ジリーナは話題を変え、一つの気掛かりを王太子に尋ねた。けっして揺るがせにはできない話である。
「ところで、リリアンがいなくなって、聖女が消えたわけですが、国の守りは大丈夫なのでしょうか?」
「それは、リリアンも言っていたが、心配はいらん。魔族に備えて兵力を大幅に増強している。そして彼女から取り上げた魔法スティックは、王宮の奥の大金庫に厳重に保管している。いざとなれば、新しい聖女を作って戦わせればよい」
「さすがは王太子さま、抜け目ありませんこと」
アステールとジリーナはフフフと笑った。リリアンの処刑に成功したつもりの2人だった。この後、王太子と侯爵令嬢ジリーナの婚約が発表された。侯爵令嬢ジリーナにとっては、すべて計画通りである。彼女は今、人生の絶頂気分を満喫していた。彼らの婚儀は半年後に挙行される予定であった。
「リリアンは死んだのかな? 愛しきジリーナよ」
「はい、間違いなく死んだと思います。あの炎の中で生き延びれるはずはありませんよ」
「ふむ、最後に妙な光に包まれたようにも見えたが。魔法を使うだけに油断ならん」
「魔法スティックは取り上げているから大丈夫ですわ」
「なら、いいんだがね」
王太子は、リリアンがひょっとすると生き延びたかもしれないと思っていたのだが、ジリーナは頭からそれを否定した。
「まったく、君のおかげで助かったよ。リリアンの裏切りが発覚せず、あのまま彼女と結婚していたら王国も私も危ないところだった」
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「まったくだな。ところでリリアンのやつ、いい身体してやがったな。一度くらいあの見事なオッパイ揉みたいものだったが」
「まあ、王太子様ったら。王国の上流階級では婚前交渉は厳禁なのは御存じでしょうに。それに聖女は処女じゃなくなったら能力を失うから、あの人も嫌がったでしょうよ」
リリアンほどの巨乳でないジリーナは、王太子から比べられた気がして、少し気分を損ねた。
「それはそうだ。しかし、リリアンを晒し物にしたのは成功だったな。あいつの裸身を公開することで、民衆がああも喜ぶとは」
「民衆は、偶像が堕ちる姿を好むのですわ。あの人にはふさわしい最期でしょう」
リリアンの半裸磔での公開処刑は、ジリーナのアイデアだった。サディストの一面を持つ王太子は、喜んで採用したのだった。用済みになった聖女を辱めて、堕とすには最高の策であった。
ジリーナは話題を変え、一つの気掛かりを王太子に尋ねた。けっして揺るがせにはできない話である。
「ところで、リリアンがいなくなって、聖女が消えたわけですが、国の守りは大丈夫なのでしょうか?」
「それは、リリアンも言っていたが、心配はいらん。魔族に備えて兵力を大幅に増強している。そして彼女から取り上げた魔法スティックは、王宮の奥の大金庫に厳重に保管している。いざとなれば、新しい聖女を作って戦わせればよい」
「さすがは王太子さま、抜け目ありませんこと」
アステールとジリーナはフフフと笑った。リリアンの処刑に成功したつもりの2人だった。この後、王太子と侯爵令嬢ジリーナの婚約が発表された。侯爵令嬢ジリーナにとっては、すべて計画通りである。彼女は今、人生の絶頂気分を満喫していた。彼らの婚儀は半年後に挙行される予定であった。
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