悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい

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第4章 迷いの森で、実践授業!

(7)変身薬で大作戦!

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「この小瓶には、授業でつくった変身薬が入っているわ」

 ロゼが持った小瓶の中で、薄桃色の液体がたぷんと揺れた。

「そういえば、そんな授業もあったね」

 わたしは、薬を爆発させちゃったんだけど……、ロゼはちゃんと完成させていたみたい。

「これを、わたしが飲むの?」
「そう。リリイの姿をシルバーフォックスに変えるのよ」

 な、なんかすごい! 変身なんて、そんなことができるの!?

「シルバーフォックスは種族同士の絆が強いの。同じ姿になれば、警戒されないと思うわ」
「あ、つまり、わたしが変身して、あの子を仲間のところまで誘導するってことだね!」

 なるほど! さすがロゼ、ばっちりな計画だ!

「わかった。やってみる!」

 わたしはロゼから小瓶を受け取って、シルバーフォックスの前に立つ。

(まだ、うなってるなあ……、めちゃくちゃ警戒されてるよ)

 でも、この子を仲間のもとに連れて行ってあげたい。ふうっと深呼吸。

「……よし。いただきます!」

 思い切って、瓶に口をつける。ごくごくと一気飲みした。薬っていうから苦いのかと思ったけど、液体はほんのり甘かった。桃のジュースみたい。

(これなら、いくらでも飲めそう……、あ)

 頭がくらっとした。身体の奥が、熱い。その熱が、じわじわと手指や足に広がっていく。うわあ、なにこれ!

 つぎの瞬間、ぽんっと、わたしのまわりに煙がたちこめた。一瞬、世界の音が遠のいて、しばらくして、またもどってくる。

「……あらまあ。おかわいらしいこと」

 煙が晴れると、イエローさんの笑いまじりの声がした。わたしはまだ、頭がくらくら。

「ろ、ロゼ~、どんな感じ?」
「ふふ。成功よ、リリイ! ばっちり! かわいいわ!」

 ロゼがほほ笑んで、手鏡をわたしに向けた。うわあ、すごい!

「ほんとに変身しちゃったんだ、わたし!」

 鏡に近づいて、勢いあまって、こつんと鼻先をぶつけた。いたた。

 鏡に映っていたのは、人間のわたし、じゃなくて、銀色の毛並みをした動物。シルバーフォックスだ! ……小さいけど! 大型犬くらいかな。

(うわー、目線が低い! 変な感じ!)

 自分の手が、銀色のふわふわした毛におおわれるなんて。あとなんか、身体が軽い! いまなら、風みたいに走れそうだよ!

「魔法薬ってすごい! あ、でも、ここからが大切だよね」

 変身が目的じゃなくて、シルバーフォックスを仲間のもとに送ることが目的だから。
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