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第六章 因縁と家族
第1話 お見舞いと真実
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ライラ様の体調は相変わらずだ。ずっとベッドに寝たまま、起き上がることもできない。お嬢様との和解が済めば少しはよくなると期待していたのだが――。
最近はジルが片時も離れずライラ様に付き添っている。彼の目の下には美形にそぐわないクマまでできていた。夕方になって、見かねて声をかけた。
「ジルも休んだ方がいいですよ。ライラ様にはメイドや私もついていますし、なにかあれば知らせにいきますから少しは寝てください」
「いえ、俺は大丈夫ですから。ライラ様のお側から、離れたくないので」
「……では、せめてソファに移動してください。あなたがそんな顔をしていると、メイドたちも気が散るんです」
いそいそとメイド二人がソファの前でクッションと毛布を用意する。いつでもこいという表情だ。ライラ様と、ソファの前で待機するメイドを見比べ、ジルは困ったように笑った。
「では、すこしだけ休ませていただきます」
メイドはほっとしたように息をつく。
そのとき、部屋の扉が開いた。ライラ様が重たそうに瞼を開く。
扉を開けたのは旦那様だ。いつものように眉間には皺を寄せて、硬い顔をしながら入ってくる。見ているとこちらまで陰鬱になりそう。旦那様の後ろには、意外な人物が控えていた。
「ライラ嬢、お加減はいかがですか」
「殿下……!」
金髪を揺らして、心配そうに部屋をのぞくのは紛れもなくルイス王子だった。部屋の中がざわつき、休もうとしていたジルも即座に腰をあげて王子に一礼をした。
「殿下、どうしてここに」
「起き上がらなくて結構です。どうか、そのままで。あなたの体調が優れないようだと聞いたものですから」
「それは……、ありがとうございます。まさか殿下がいらっしゃるなんて……、ああ、どうしましょう、こんな恥ずかしい姿で」
ライラ様は頬を染めて慌てながらも、嬉しそうに微笑んだ。
西日が差し込むなか二人が語り合う光景は、美しかった。橙色の柔らかい光が彼らを包んで、こんな和やかな時間がこの部屋に流れるのはいつぶりだろうと考えてしまう。ライラ様の体調は変わらず危険な状態なのだから、偽りの平穏ではあるのだろうけれど。それでも、この時間が続いてほしい。
平穏を破ったのは、再びのノックの音。今度は誰だと私たちが見守るなか、部屋に入ってきたのはレイチェルお嬢様だった。お嬢様は旦那様や王子の姿に目を瞬く。
「ごきげんよう、殿下、お父様」
旦那様が低い声で言う。
「なにをしにきた」
「――ライラの体調について調べたいことがあるという人物を、お連れしたのです。彼らならきっとライラのことを助けてくれるから」
その言葉に、お嬢様の背後からぬっと現れたのは長身の老人、パッサン・リアル卿だった。さらには、緑の髪をなびかせた芸術家ディーの姿まである。
「本当に、この屋敷は嫌な音に満ちていますね――、ああ、リーフ、ごきげんよう」
眉をひそめて呟くディーは、私を見つけると幾分表情を和らげた。対して、旦那様は眉間の皺を深くする。
「彼らに何ができる。ライラのことは、医者にも治せないというのに」
しかしディーは旦那様のことは視界にも入っていないようで、部屋の中を歩きぶつぶつと呟いた。
「うーん、この屋敷はどこにいても嫌な感じはしますが、やはりこの部屋が一番強い。ライラ様の周囲はとくに。そう、例えるならば、リーフに感じるものと似ている」
メイドたちは不安そうに目配せをした。突然現れてよく分からないひとり言をされては怖くもなるだろう。メイドの視線に気づいて、ディーはふむと頷き説明を加える。
「リーフは複雑な音がします。リーフという一つの器に、普通の人よりも多い音が詰まっている。対して、この部屋は器もないのに音だけがあふれています。それもひどいノイズが」
メイドたちはますます不安を表した。ジルがこつんと私を肘でつついて、説明しろと言わんばかりの視線を向けてくる。そんなこと言われても私にだって説明は難しい。
「ディーは、そうですね、魂の音を感じることができる、いわゆる霊感のある方なのです。それで私のことは……この際置いておくとして、彼が言いたいのはつまり、この部屋に魂だけの存在が漂っているという――」
ふと、私は発言を止めた。自分で言っていることに気づいて、悲しくなった。
器をもたない魂。つまり、ディーが言っているのは。
「幽霊がいる――、と」
部屋の中がざわつく。
ディーがライラ様を気にかけているという時点で、その類の話だろうとは思っていた。私自身、前世の記憶をもっている不思議な存在だ。そんな私がいるのだから、幽霊がいてもおかしくない。そう、分かってはいたけれど、信じたくはなかった。
お嬢様が重々しく口を開いた。
「霊がこの屋敷に、それもライラの近くに存在している。それが、あの子の不調の原因」
ここに、幽霊がいる。だとすれば。
「――お母様ね」
私は目を伏せた。でも私より、お嬢様の方が辛いはずだ。そのお嬢様が、意を決したように顔を上げるのだから、私も悲しんでばかりではいられない。
「ライラを脅かしているのは、わたくしのお母様。だったら、娘のわたくしが終止符を打つ。――パッサン卿とディーは、わたくしを助けるために来てくださいました」
お嬢様はディーとパッサン卿を振り返った。二人は頷く。
「なにをするつもりだ」
旦那様が鋭い声を発した。
「突然押しかけて、勝手なことをされては困る。大体その芸術家が言っていることが真実なのかどうかも分からぬというのに」
「パッサン卿もディーも信頼のできる方々ですわ。そんな彼らがライラのために来てくださった。どうか信じてください」
お嬢様も負けずに張りのある声で訴えたが、旦那様は鼻で笑うだけだった。
「貴様のすることにつきあえと?」
「わたくしはただ、ライラを救いたいだけです」
どちらも引く様子はない。じりじりと嫌な空気が流れる。
「お父様」
か細い声がした。ベッドに眠るライラ様だ。お嬢様も旦那様も言葉を止める。ライラ様は首だけ動かして旦那様を見た。
「私は、お姉様を信じています。お姉様の言うとおりになさってください」
「私からもお願いします。パッサン卿には政務で何度も助けていただいた。ディーテも誠実な人間です。彼らは信頼できる」
ライラ様の手を握りながら王子も頷く。さすがに王子の言葉には旦那様も言い返すことはできないのだろう。なにか言いかけた言葉をのみこんだ。
最近はジルが片時も離れずライラ様に付き添っている。彼の目の下には美形にそぐわないクマまでできていた。夕方になって、見かねて声をかけた。
「ジルも休んだ方がいいですよ。ライラ様にはメイドや私もついていますし、なにかあれば知らせにいきますから少しは寝てください」
「いえ、俺は大丈夫ですから。ライラ様のお側から、離れたくないので」
「……では、せめてソファに移動してください。あなたがそんな顔をしていると、メイドたちも気が散るんです」
いそいそとメイド二人がソファの前でクッションと毛布を用意する。いつでもこいという表情だ。ライラ様と、ソファの前で待機するメイドを見比べ、ジルは困ったように笑った。
「では、すこしだけ休ませていただきます」
メイドはほっとしたように息をつく。
そのとき、部屋の扉が開いた。ライラ様が重たそうに瞼を開く。
扉を開けたのは旦那様だ。いつものように眉間には皺を寄せて、硬い顔をしながら入ってくる。見ているとこちらまで陰鬱になりそう。旦那様の後ろには、意外な人物が控えていた。
「ライラ嬢、お加減はいかがですか」
「殿下……!」
金髪を揺らして、心配そうに部屋をのぞくのは紛れもなくルイス王子だった。部屋の中がざわつき、休もうとしていたジルも即座に腰をあげて王子に一礼をした。
「殿下、どうしてここに」
「起き上がらなくて結構です。どうか、そのままで。あなたの体調が優れないようだと聞いたものですから」
「それは……、ありがとうございます。まさか殿下がいらっしゃるなんて……、ああ、どうしましょう、こんな恥ずかしい姿で」
ライラ様は頬を染めて慌てながらも、嬉しそうに微笑んだ。
西日が差し込むなか二人が語り合う光景は、美しかった。橙色の柔らかい光が彼らを包んで、こんな和やかな時間がこの部屋に流れるのはいつぶりだろうと考えてしまう。ライラ様の体調は変わらず危険な状態なのだから、偽りの平穏ではあるのだろうけれど。それでも、この時間が続いてほしい。
平穏を破ったのは、再びのノックの音。今度は誰だと私たちが見守るなか、部屋に入ってきたのはレイチェルお嬢様だった。お嬢様は旦那様や王子の姿に目を瞬く。
「ごきげんよう、殿下、お父様」
旦那様が低い声で言う。
「なにをしにきた」
「――ライラの体調について調べたいことがあるという人物を、お連れしたのです。彼らならきっとライラのことを助けてくれるから」
その言葉に、お嬢様の背後からぬっと現れたのは長身の老人、パッサン・リアル卿だった。さらには、緑の髪をなびかせた芸術家ディーの姿まである。
「本当に、この屋敷は嫌な音に満ちていますね――、ああ、リーフ、ごきげんよう」
眉をひそめて呟くディーは、私を見つけると幾分表情を和らげた。対して、旦那様は眉間の皺を深くする。
「彼らに何ができる。ライラのことは、医者にも治せないというのに」
しかしディーは旦那様のことは視界にも入っていないようで、部屋の中を歩きぶつぶつと呟いた。
「うーん、この屋敷はどこにいても嫌な感じはしますが、やはりこの部屋が一番強い。ライラ様の周囲はとくに。そう、例えるならば、リーフに感じるものと似ている」
メイドたちは不安そうに目配せをした。突然現れてよく分からないひとり言をされては怖くもなるだろう。メイドの視線に気づいて、ディーはふむと頷き説明を加える。
「リーフは複雑な音がします。リーフという一つの器に、普通の人よりも多い音が詰まっている。対して、この部屋は器もないのに音だけがあふれています。それもひどいノイズが」
メイドたちはますます不安を表した。ジルがこつんと私を肘でつついて、説明しろと言わんばかりの視線を向けてくる。そんなこと言われても私にだって説明は難しい。
「ディーは、そうですね、魂の音を感じることができる、いわゆる霊感のある方なのです。それで私のことは……この際置いておくとして、彼が言いたいのはつまり、この部屋に魂だけの存在が漂っているという――」
ふと、私は発言を止めた。自分で言っていることに気づいて、悲しくなった。
器をもたない魂。つまり、ディーが言っているのは。
「幽霊がいる――、と」
部屋の中がざわつく。
ディーがライラ様を気にかけているという時点で、その類の話だろうとは思っていた。私自身、前世の記憶をもっている不思議な存在だ。そんな私がいるのだから、幽霊がいてもおかしくない。そう、分かってはいたけれど、信じたくはなかった。
お嬢様が重々しく口を開いた。
「霊がこの屋敷に、それもライラの近くに存在している。それが、あの子の不調の原因」
ここに、幽霊がいる。だとすれば。
「――お母様ね」
私は目を伏せた。でも私より、お嬢様の方が辛いはずだ。そのお嬢様が、意を決したように顔を上げるのだから、私も悲しんでばかりではいられない。
「ライラを脅かしているのは、わたくしのお母様。だったら、娘のわたくしが終止符を打つ。――パッサン卿とディーは、わたくしを助けるために来てくださいました」
お嬢様はディーとパッサン卿を振り返った。二人は頷く。
「なにをするつもりだ」
旦那様が鋭い声を発した。
「突然押しかけて、勝手なことをされては困る。大体その芸術家が言っていることが真実なのかどうかも分からぬというのに」
「パッサン卿もディーも信頼のできる方々ですわ。そんな彼らがライラのために来てくださった。どうか信じてください」
お嬢様も負けずに張りのある声で訴えたが、旦那様は鼻で笑うだけだった。
「貴様のすることにつきあえと?」
「わたくしはただ、ライラを救いたいだけです」
どちらも引く様子はない。じりじりと嫌な空気が流れる。
「お父様」
か細い声がした。ベッドに眠るライラ様だ。お嬢様も旦那様も言葉を止める。ライラ様は首だけ動かして旦那様を見た。
「私は、お姉様を信じています。お姉様の言うとおりになさってください」
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