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ⅩⅠ 外見に騙されることなかれ
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(まず、変なのは黒ウサギさんの言い分だよね? これじゃあ、皆が正直者になっちゃうけど、そこで皆がウソツキをあげてるのはおかしい……。だから、黒ウサギさんは間違っていることを言っているってことになる。次に、狼男さんは、嘘をついている黒ウサギさんをウソツキだって言ってるから正直者ってことになるよね。それから、狼男さんをウソツキ呼ばわりしてるスケルトンさんは間違ったことを言ってるからウソツキってことになって、嘘をついてるスケルトンさんをウソツキって言ってる着ぐるみさんは正直者。ウソツキは鍵を持ってないから、鍵を持っているのは――)
「狼男さん?」
「ハイ、狼男だけど。どうしたん? なんか分かったん?」
「あ、鍵を持ってるのは狼男さんですよね? ウソツキは黒ウサギさんとスケルトンさんで……」
「やあ、大正解ですね~。ほらほら、狼男くん、速く鍵を出してあげなよ~」
着ぐるみが狼男を肘で軽く小突くと、狼男は金色の鍵を笑いながら渡してくれた。
「良かったなあ。ほな、正解っちゅうことでこの鍵はあげるけど、あっちの世界にちゃんと帰りつくまで、絶対失くしちゃダメやからな?」
狼男は、鍵を握った私の手の上から柔らかく手を握ってくれた。そのフカフカの手の感触と、心地良い温度に、小さな頃に大きな犬のぬいぐるみへと抱きついた時のことを思い出した。
「扉の準備……できましたよ?」
黒ウサギの言葉に後ろを振り返ると、大きな二本の木の間に青い扉が設置されていた。
「それでは、またの機会にお会いしましょう」
スケルトンが手を振るのに合わせ、他の皆も手を振る。私はその光景を目に焼き付け、鍵を回して開けた扉をくぐり抜けた。ここに来た瞬間とは逆に、今度は水から上がるような感覚が一瞬通り抜け、ふと目を開けた先には青い宝石の中にある赤ずきんの絵本があった。
「あ――戻ってきたの?」
「そのようデスネ」
横を見ると、椅子に座って本を読んでいるフランケンの姿があった。辺りに山犬の姿が見当たらず、思わずキョロキョロしてしまう。
「ちなみに、山犬は休憩の時間デス」
「あ、そうなんですね。あ、その……この本、ありがとうございました」
忘れかけていたコランダムの本を差し出すと、彼は読んでいた本を閉じて受け取ってくれた。
「……山犬とは病んだ犬。つまり、病犬(ヤマイヌ)となりマス。どんなに外見が良くとも、嘘を見抜き、噛まれることがないよう気を付けるべきカト――」
フランケンのゴーグルの奥の瞳がこちらを見つめる。ガラス玉のような赤と青の瞳は、嘘を言っているように見えない。
「ありがとうございます。その……気を付けますね」
私がニッコリ笑うと、フランケンは再び本を開き、また同じ姿勢で読書を始めた。その後ろ姿を見ながら、私は教室のドアを閉める。
(外見に騙されるな――か。うん、気を付けよう)
私は、そう心に決め、少し日が落ち始めた廊下を走り、最後のフロアへと向かった。
「狼男さん?」
「ハイ、狼男だけど。どうしたん? なんか分かったん?」
「あ、鍵を持ってるのは狼男さんですよね? ウソツキは黒ウサギさんとスケルトンさんで……」
「やあ、大正解ですね~。ほらほら、狼男くん、速く鍵を出してあげなよ~」
着ぐるみが狼男を肘で軽く小突くと、狼男は金色の鍵を笑いながら渡してくれた。
「良かったなあ。ほな、正解っちゅうことでこの鍵はあげるけど、あっちの世界にちゃんと帰りつくまで、絶対失くしちゃダメやからな?」
狼男は、鍵を握った私の手の上から柔らかく手を握ってくれた。そのフカフカの手の感触と、心地良い温度に、小さな頃に大きな犬のぬいぐるみへと抱きついた時のことを思い出した。
「扉の準備……できましたよ?」
黒ウサギの言葉に後ろを振り返ると、大きな二本の木の間に青い扉が設置されていた。
「それでは、またの機会にお会いしましょう」
スケルトンが手を振るのに合わせ、他の皆も手を振る。私はその光景を目に焼き付け、鍵を回して開けた扉をくぐり抜けた。ここに来た瞬間とは逆に、今度は水から上がるような感覚が一瞬通り抜け、ふと目を開けた先には青い宝石の中にある赤ずきんの絵本があった。
「あ――戻ってきたの?」
「そのようデスネ」
横を見ると、椅子に座って本を読んでいるフランケンの姿があった。辺りに山犬の姿が見当たらず、思わずキョロキョロしてしまう。
「ちなみに、山犬は休憩の時間デス」
「あ、そうなんですね。あ、その……この本、ありがとうございました」
忘れかけていたコランダムの本を差し出すと、彼は読んでいた本を閉じて受け取ってくれた。
「……山犬とは病んだ犬。つまり、病犬(ヤマイヌ)となりマス。どんなに外見が良くとも、嘘を見抜き、噛まれることがないよう気を付けるべきカト――」
フランケンのゴーグルの奥の瞳がこちらを見つめる。ガラス玉のような赤と青の瞳は、嘘を言っているように見えない。
「ありがとうございます。その……気を付けますね」
私がニッコリ笑うと、フランケンは再び本を開き、また同じ姿勢で読書を始めた。その後ろ姿を見ながら、私は教室のドアを閉める。
(外見に騙されるな――か。うん、気を付けよう)
私は、そう心に決め、少し日が落ち始めた廊下を走り、最後のフロアへと向かった。
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