運極さんが通る

スウ

文字の大きさ
55 / 127

欲しいスキル引き換え権

しおりを挟む



暑い日差しの中、上手いこと花びらを折ってパラソル(仮)を作り日陰にいた。
昼ご飯を食べ終わり、そろそろ行こうかとしていた所、私はあることを思い出した。
まだスキル引換券を使っていないということに。

「ジン、ウォッカ、何回も悪いんだけど、少し待っててくれる?」
「いーよー」
「大丈夫だぞ?」

 ホントにいい子達で助かった。

アイテムボックスから欲しいスキル引き換え券の項目をタップする。

○欲しいスキル引き換え券…これを破ると、自動的にスキルを選べる画面が出てくる。欲しいスキルをタップすると、そのスキルは取得出来る。但し、種族専用スキルなどはないので期待しないように。そして、引き換え券は一つにつき、一つのスキルしか交換出来ない。


取り出した黒い紙をビリッと破る。
すると、目の前にチュートリアルで見た時と同じようなスキル一覧が出てきた。
今回は何を選ぼうか。  
カーソルを下に下げていると、【浄化アーク】スキルがあった。
このスキルって、種族専用スキルじゃなかったんだね。
結構痛かったや。
どんな効果があるんだろう。

浄化アーク】…闇の属性を持つものに多大なダメージを与える。

堕天使は堕ちた天使だからね。
ある意味闇だ。
このスキル、結構有能だから保留だ。
他のスキルも見てみよう。

成長グロウアップ】…食物の最長速度をLvに応じて上げることが出来る。

回復ヒール】…体力を2割回復する。

【重力】…重力を操ることが出来る。

【火魔法】【水魔法】【木魔法】…etc

スキルがありすぎて迷う。
こんな時に東堂さんがいてくれたら…。
カーソルを尚も下げ続けていると、気になるスキルがあった。
詳細を見てみよう。

【反転】…状態を反転させることが出来る。
 ex)腐ったリンゴ→新鮮なリンゴ

ピン!と頭にきた。
このスキルにしよう!!

 ピロリん。
『スキル【反転】を取得しました。』
   
早速使ってみよう。
まずは目の前にある向日葵に。

『【反転】が使用出来ます。使用しますか?Yes/No.』

Yesを押す。
すると、向日葵が痙攣し、大きく揺れた。

「るしー何か縮んでるよー」
「うっわぁ。スゲェ」

グングンと縮んでいき、普通の大きさの向日葵になった。
これにもう一度【反転】を使うと…元の大きさに戻った。
面白いスキルだ。
これは、生物にも使えるのだろうか。
ウォッカに使ってみよう。

『【反転】が使用出来ません』

【反転】出来ないか…。
ジンもウォッカも小鬼だし、小鬼は反転するものないだろうしね。
じゃあ、私は?

『【反転】が使用出来ます。使用しますか?Yes/NO.』

…【反転】出来るんですか、ならYesで。
直後、身体がグニョッと曲がったような感覚が走った。
慌てて身体を触るが、異常は見当たらない。
どう変わったか分からないため、自身に【鑑定】をかけてみる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族  大天使
名前  るし
Lv  11
HP  1020/1020     MP  1220/1220
SPD  5
DEF  80
LUK  544
パッシブスキル
【運の底上げ】【神域拡張】【詐欺】【カリスマ】new!!
アクティブスキル
【鑑定】【剣術】【大太刀術】【双剣術】【大鎌術】【時空魔法】【光魔法】【運盗み】【飛行】【暗闇】【蹴り技】【登り上手】【挑発】 【無心】【終焉のラッパ】new!!【衝撃光】new!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ぶふぉっ…」
「るし、どした?」
「いや…何でも」

まて…待て待て待て待て!!天使やばくね!?
天使になったのは、分かる。
けど、パッシブスキルとアクティブスキル増えてね?
【カリスマ】【終焉のラッパ】【衝撃光】
と…とりあえずスキルの詳細を見よう。

パッシブスキル
【カリスマ】…超人間的・非日常的な何かで民衆をひきつけ心酔させる力。※off不可

アクティブスキル
【終焉のラッパ】…自身よりMNDが低い者に強力な精神攻撃を与える。

【衝撃光】…右手に聖なる力を一定時間溜め、相手の頭に触れることによって発動する。溜めれば溜めるほど威力は上がる。

天使の種族専用スキルえげつな。
この中で【カリスマ】が1番やばいんじゃないだろうか?
常にonでoffにすることは出来なく、民衆を心酔わせるとか洗脳に近いじゃん。
これは本当に天使のスキルなのだろうか。
今度Noelに聞いてみよう。


翼を出してみる。
出てきたのは光り輝く純白の翼。
いつもの夜を連想させる漆黒の翼ではないので、思わず見蕩れてしまう。

「るしー今日は何かキラキラだねー。触ってもいーい?」
「俺も触りてぇー!」
「いいよ!」

3人で翼をモフモフする。

「黒い時よりもフワフワだぁ」
「だな。だけど俺は黒い時のマシュマロ翼の方が好きだなぁ」



3人で翼を堪能した後、【反転】を使って元に戻す。
ステータスを見ると、新しく増えたスキルはちゃんと残っていた。
【反転】何ていいスキルなんだ。

「じゃあ、そろそろいこうか。待たせてごめんね。2人とも、手に掴まって」
「うん」
「おう」

マップを見ながら第二の街に向けて飛ぶ。

「久しぶりに飛んだねー!」
「な。風が気持ちいいな!」
「空気が澄んでるねー!酸素がいっぱだぁ!」
「さんそー?」
「るしって時々変な言葉使うよな!」
「そーぉ?えへへ」

風が頬を撫でる。
3人はほのぼのと一時の空の旅を楽しんだ。


「あー街が見えてきたよー!」

相変わらず目がいいですね。
私には見えない…ということで、スピードを上げましょう。
頬をかすめる風が少し鋭くなる。

「るし…は…はやす…ぎるぅぅう」

弱気で喋るのは、あの男らしいウォッカ。
目に涙を溜めて腕にしがみついている。

「ひゃっほー!」

ハイテンションなのはジン。
片手で腕に掴まってユラユラと風に揺られている。

「ジン、落ちないようにね」
「わかってるー!ひゅー!」

若いっていいねぇ。




勢いを上げすぎて、着地が門の目の前になってしまった。

 ザワザワ

翼を閉まって街に入るための列に並ぼうとすると、門番さんに止められてしまった。

「おい、アンタは人間ヒューマンじゃないのか?」
「そうですが」

見ると、列に並んでいるのは皆 人間ヒューマンだけしかいない。

「なら、アンタはこっちだ。人間ヒューマン以外はこっちから入ってくれ。(ボソッ)」

と言われて両肩を掴まれ、2人の門番さんに半ば引き摺られるようにして違う場所に連れていかれた。


「…何も無いじゃないですか」

あるのは街を覆う外壁のみ。
訝し気に門番さんを見る。

「まぁ、見てなって。(開けごま)」

と言って門番さんは何もないところを押した。

ゴゴゴゴゴッ
壁に扉の絵が浮かび上がった。
それを押すと、扉がゆっくりと開く。
これは凄い。
まるで開けごまみたいだ。
だけど、何故隠れるようにしてこの扉が作られているのだろうか。

「何で人間ヒューマンじゃない人はここからしか入れないんですか?」

すると、その問に門番さんは少し悲しい顔をした。

「あぁ。実はな、最近この国は帝国ザバブルクに吸収されたんだ。この国は小国だからな、戦争が起こればイチコロなんだよ。この国の王様は優しいから民を傷つけないために戦争を避けようと、吸収されることを選んだんだ。だが、帝国は人間主義国家で、人間しか入れないようになっていたんだ。だから、この国もそうなった。元々は様々な種族で賑わっていたんだがな。皆帝国兵に追い出されちまったんだ。王はそれを悲しんでこの国の外壁に門をもう一つ作り、人間ヒューマンではない者に○偽装の腕輪を渡すよう俺達門番にその仕事を命令されたんだ。だから人間 ヒューマン以外のやつはここの扉から入らなきゃいけねぇんだ。」

そうだったんだ。
帝国のせいで堂々と正面から入れないんだね。
もしも人間ヒューマン以外の種族をこの国に密入国させている事がバレたらどうなるのだろうか。

「帝国にバレたらやばいんじゃないですか?」
「バレないようにこの腕輪を付けさせているんだよ。もしバレたとしても、今この国を冒険者アドラーが訪れてくれているからそいつらに、1人でも多くの住人をたすけてくれるよう協力を要請するよ」

ガハハと門番さんは不安をかき消すように笑った。
腕輪を3つ貰い、鎧を外して腕にはめ、また鎧を付け直す。
【鑑定】をかけてみる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族  ヒューマン
名前  るし
Lv11

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

○偽装の腕輪、なんて便利なんだ。
「腕輪はこの国を出るまでは外さないでくれ」
「はい。えと、お金はいいんですか?」
「あぁ。王様が無償で提供してくれたからな」

何ていい王様だろうか。
1度見てみたい気もする。

「ほら、早く扉を通ってくれ。見つかるとちと不味いことになるからな」

私とジンとウォッカは指示に従って扉を通る。

「気を付けてな。真っ直ぐいったら大通りに出られるから!」
「はい、ありがとうございます!」

別れと共に扉は閉まった。

しおりを挟む
感想 409

あなたにおすすめの小説

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...