鬼憑きの姫なのに総モテなんて!

鳩子

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第六章 大ピンチ! 呪いも運命も蹴散らして

3.呪いとタイムリミット

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 主上は、呪いを解く方法を知って居る。

 つまり、直接ではないにしろ、この呪いに関わっていると言うことなのだろう。

「呪われて、悶え苦しむのが好みかな?」

 主上が底意地の悪い笑みを浮かべた。この人は、絶対に加虐趣味者サディストだっ!

「出来れば安穏と、午睡ひるねでもしながら生きて行きたいものですけれど」

「なるほど。では、余の後宮へおいで。昼の間は、好きなだけ午睡が楽しめるようにしてやろう」

 あー、それ、夜のお勤めが過酷なパターンですよね? はい、よく解りました。結構です。

「後宮のような場所は私のような者には、もう、畏れ多くって」

「すぐ慣れる」

 私は、なんとしてでも、はぐらかさなければと思った。

 だってね! このまま、後宮に連れ込まれたら困るじゃないのっ!

 けど……そういえば、鷹峯から御所へ向かうにしては、大分ながいこと牛車に乗っている気がする。かといって、物見窓(牛車には、窓が付いて居るのだ)を開けるわけには行かないし。

「何を気にしているの?」

 なんと返答して良いか解らなかったけれど、私は慎重に答えた。

「御所は、存外遠いのですね……ですから、気になって」

「……御所はあなたも気詰まりなことだろうから、他へ行くのですよ」

「御所じゃない?」

 ある意味、それはラッキーなのかも?

 清涼殿にでも閉じ込められたら終わりだけど、そうでないなら、まだ、希望はある。

「そう。……かといって、源氏の君のように、廃院の様な場所へとあなたをつれていくこともないから、安心なさい。ああいうところは、仕度も調っていないし、なにより、不気味でしょう」

「そうものですかね……」

 たしかに、物の怪が出て来たりはしたけれど!

「だから、物の怪が絶対に出ない場所を選んだから安心なさい。……まだ、あなたは、入内の決意が固まらないだろうから、少し考える時間を与えよう。……そなたが、呪いで死ぬまでの間は、待ってあげるよ」

「ちなみに、それって、いつ頃なんでしょうね」

 聞いた私の口許が、布で覆われた。唐突なことで、何が起こったのか、よく解らなかった。

 布からは、濃密な……甘い芥子の香りがしていて、私は、くらり、とした。

「……死ぬのは、三日後。……期限は三日。早いほうが、安全だ。呪いを解くのにも、時間が掛かる。
 さあ、山吹……眠りなさい。三日が過ぎるまでには起きるのだよ?」

 主上の、嫌な笑い声が頭の中に響き渡ってぐるぐる螺旋を描くようだった。

 そして、私は抗えもせずに、安らかな眠りに誘われたのだった。
 



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