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0062.洞窟からの出発
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健達が洞窟の中に戻ると、銀髪の女はもう起きており、外で何があったのか分からずに不安そうな表情をしている。火の精が調子に乗って説明する。
「いやー、健の旦那がチョチョイのチョイで敵を軽く追い払ってたぜ。」
「ははは。まあ、さしあたりは大丈夫だ。ところで、そろそろ世界の主の居場所の探り方を教えてもらえないか。」
「分かったわ。これを見て。」
そう言うと、銀髪の女は首にかけていたネックレスを健に見せた。ネックレスは、銀色の金属でできた鎖で装飾部をぶら下げる形状になっており、装飾部には小さな緑色の美しい宝石が嵌められている。
「綺麗なネックレスだな。これがどうした。」
「このネックレスは、ユウが私に作ってくれた物で魔力がこめられているの。この宝石に炎を近付けると、私と同じ命の在る方向が輝くのよ。」
「なるほど、それでこの世界の主の居場所が分かるってことか。」
「そうなの。ただ、この緑色の宝石がとても希少な宝石で、探し出すのにとても時間がかかってしまったのよ。そして、やっと見つけたと思ったらユウが帰らなくちゃいけなくなってしまったの。」
「ふむ。あと2日しかないから、とりあえず一度やって見せてくれないか。」
「そこで、オイラの出番ってわけさ。」
火の精が鼻高々と話に入ってきた。
「外は猛吹雪だろ。火を消さずに持ち歩くのはなかなか難しいんだぜ。ただ、オイラがいればいつでも宝石を輝かせるってもんさ。」
火の精が銀髪の女のネックレスに近付くと確かに宝石が輝き始めた。しかも、輝いた方向から光の細い筋が出ている。光が指し示しているのは、洞窟を出てそのまま正面に進んで行く方向だ。
「いいな。進む先がバッチリ分かるな。早速で悪いんだが、世界の主がここからどれだけ離れた場所にいるか分からないから今日の昼前にはもう出発しないか。」
「そう言うと思ってもう準備してあるわ。」
「本当か。手回しがいいな。」
「オイラもいつでも行けるぜ。」
「よし。それじゃ持ち物だけ確認したら、すぐに出発しよう。」
健は、何だかんだで何日もお世話になった洞窟から出発するのは名残惜しかった。勿論、世話をしてくれていたティアラは一緒に旅に出るので、その寂しさはないのだが、やはり生活していた寝ぐらとして洞窟にも愛着がわいていた。あと、何と言っても猛吹雪がこない快適な生活ができなくなるのも辛いのだ。
「まあ、早く世界の主を倒してこの猛吹雪を終わらせよう。」
健は、自分に言い聞かせるかのように、皆に声をかけた。そんな健達が洞窟を出発した時、まるでその行動が見られていたかのように猛吹雪が強くなった。
「いやー、健の旦那がチョチョイのチョイで敵を軽く追い払ってたぜ。」
「ははは。まあ、さしあたりは大丈夫だ。ところで、そろそろ世界の主の居場所の探り方を教えてもらえないか。」
「分かったわ。これを見て。」
そう言うと、銀髪の女は首にかけていたネックレスを健に見せた。ネックレスは、銀色の金属でできた鎖で装飾部をぶら下げる形状になっており、装飾部には小さな緑色の美しい宝石が嵌められている。
「綺麗なネックレスだな。これがどうした。」
「このネックレスは、ユウが私に作ってくれた物で魔力がこめられているの。この宝石に炎を近付けると、私と同じ命の在る方向が輝くのよ。」
「なるほど、それでこの世界の主の居場所が分かるってことか。」
「そうなの。ただ、この緑色の宝石がとても希少な宝石で、探し出すのにとても時間がかかってしまったのよ。そして、やっと見つけたと思ったらユウが帰らなくちゃいけなくなってしまったの。」
「ふむ。あと2日しかないから、とりあえず一度やって見せてくれないか。」
「そこで、オイラの出番ってわけさ。」
火の精が鼻高々と話に入ってきた。
「外は猛吹雪だろ。火を消さずに持ち歩くのはなかなか難しいんだぜ。ただ、オイラがいればいつでも宝石を輝かせるってもんさ。」
火の精が銀髪の女のネックレスに近付くと確かに宝石が輝き始めた。しかも、輝いた方向から光の細い筋が出ている。光が指し示しているのは、洞窟を出てそのまま正面に進んで行く方向だ。
「いいな。進む先がバッチリ分かるな。早速で悪いんだが、世界の主がここからどれだけ離れた場所にいるか分からないから今日の昼前にはもう出発しないか。」
「そう言うと思ってもう準備してあるわ。」
「本当か。手回しがいいな。」
「オイラもいつでも行けるぜ。」
「よし。それじゃ持ち物だけ確認したら、すぐに出発しよう。」
健は、何だかんだで何日もお世話になった洞窟から出発するのは名残惜しかった。勿論、世話をしてくれていたティアラは一緒に旅に出るので、その寂しさはないのだが、やはり生活していた寝ぐらとして洞窟にも愛着がわいていた。あと、何と言っても猛吹雪がこない快適な生活ができなくなるのも辛いのだ。
「まあ、早く世界の主を倒してこの猛吹雪を終わらせよう。」
健は、自分に言い聞かせるかのように、皆に声をかけた。そんな健達が洞窟を出発した時、まるでその行動が見られていたかのように猛吹雪が強くなった。
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