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研修生活スタート
6 研修生活スタート
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翌日から本格的に俺の異世界ならびに新社会人ライフがスタートした。
職場で仕事を習うのと並行して、王宮で働くための研修に参加する。職場は如月が上司という事もあり、俺の性格や事情を知っているせいか働きやすくて楽しいけど、研修は種類も会場も講師も様々で、怒られてばかりの俺は異世界でやっていけるのか不安になる事もしばしばだった。
「基本的なやつだけで三十種類以上あるよ……」
スケジュールが貼りだされた掲示板の前で、うんざりした気分になる。
必須の研修と、あとは自分の習得したい物を選んで見習い期間中に十二種類はクリアしないと、王宮で働けなくなるらしい。さらに追加でいくつか終了しなければ一人前にはなれないみたいだ。
俺は必須研修の『王宮内立ち居振る舞い研修』会場に向かった。
この研修は基本中の基本らしく、王宮内の歩き方や立ち方座り方(そんなものがあるのか)偉い人への挨拶の仕方、万が一(ってなんだよ)王族にばったり出くわした時の礼儀作法なんかを教えてくれるらしい。
二十人くらいの生徒がいる会議室で、実践的に教えてもらえる。
講師の五十代くらいのおばさんはビシッと背筋が伸びていて、さすがに立ち居振る舞いがきれいだ。この研修は、貴族だとか、もとから上流階級の人間は免除されるらしく、生徒たちは俺を含め、田舎の素人感丸出しだった。
おばさんに「もっと背筋をぴんとさせなさい。指先まで気を抜かない」などと何回か怒られたあと、次の『王宮内話し方研修』に参加する。
ここではあまり怒られなかった。ただ、俺の話す言葉は丁寧だが、使い方が微妙におかしいらしく、イントネーションもいろいろな地方のものが混ざり合っていると指摘される。
「異世界担当課なら仕方がないわね」
異世界担当課は出張が多くて、いろいろな方言が混ざるのだそうだ。俺の場合は旅をしながら言葉を覚えたせいだけど。
研修は嫌いじゃないけど、毎日こんな感じだと疲れるせいか、遅く部屋に帰っては泥のように眠る日々が続いた。
初日に部屋に来てから、ルーシェンは一度も部屋に来ていない。忙しいのか、まだ怒っているのか、俺の事を嫌いになったのか分からないけど、さみしいのは事実だった。
遠くからでも会えないかと思っても、王子の細かいスケジュールは一般人には伝えられないらしい。
隣の部屋のアークさんに探りを入れようと思ったけど、アークさんも忙しそうで部屋は留守がちだった。
「お疲れのようですね。研修大変ですか?」
昼の休憩時間に机でぐったりしていると、如月が声をかけてきた。
『大変だけど、楽しいです』
そうなんだ。研修自体は嫌いじゃない。新しい事が覚えられるし、怒られるのも慣れてきた。今は初歩的な研修を受けているけれど、そのうち飛竜のトレーナー研修とか受けてみたい。資格を取れば飛竜に乗って空を飛ぶ事もできるはずだ。
「岬さんの研修の様子、知り合いの講師から報告受けてますよ。頑張っているそうですね」
『頑張ってます』
もう無効になったかもしれないけど、もしルーシェンの両親に会うのなら、食事のマナーくらい学んでおきたい。今のところ歩き方と立ち方しか学んでないけど。
しかも一般の兵士は、王族と目を合わせてはいけないらしい。非常事態じゃない限り話しかけるのも禁止。
見習いを終えて次の段階にならないと、王族との食事のマナーは教えて貰えないのだろうか。
「頑張っている岬さんに朗報です」
「え?」
「明日の夜、王族主催の立食パーティーがあるんですが、私の補佐として一緒に参加しますか?多分、王子もいらっしゃいますよ」
立食パーティー?ルーシェンに会える?
『参加します!如月、ありがとう!大好きです』
食事のマナーは実践で学ぼう。嬉しくて如月に飛びつくと、梅子さんが
「岬ちゃん、浮気はダメよ」と笑った。
職場で仕事を習うのと並行して、王宮で働くための研修に参加する。職場は如月が上司という事もあり、俺の性格や事情を知っているせいか働きやすくて楽しいけど、研修は種類も会場も講師も様々で、怒られてばかりの俺は異世界でやっていけるのか不安になる事もしばしばだった。
「基本的なやつだけで三十種類以上あるよ……」
スケジュールが貼りだされた掲示板の前で、うんざりした気分になる。
必須の研修と、あとは自分の習得したい物を選んで見習い期間中に十二種類はクリアしないと、王宮で働けなくなるらしい。さらに追加でいくつか終了しなければ一人前にはなれないみたいだ。
俺は必須研修の『王宮内立ち居振る舞い研修』会場に向かった。
この研修は基本中の基本らしく、王宮内の歩き方や立ち方座り方(そんなものがあるのか)偉い人への挨拶の仕方、万が一(ってなんだよ)王族にばったり出くわした時の礼儀作法なんかを教えてくれるらしい。
二十人くらいの生徒がいる会議室で、実践的に教えてもらえる。
講師の五十代くらいのおばさんはビシッと背筋が伸びていて、さすがに立ち居振る舞いがきれいだ。この研修は、貴族だとか、もとから上流階級の人間は免除されるらしく、生徒たちは俺を含め、田舎の素人感丸出しだった。
おばさんに「もっと背筋をぴんとさせなさい。指先まで気を抜かない」などと何回か怒られたあと、次の『王宮内話し方研修』に参加する。
ここではあまり怒られなかった。ただ、俺の話す言葉は丁寧だが、使い方が微妙におかしいらしく、イントネーションもいろいろな地方のものが混ざり合っていると指摘される。
「異世界担当課なら仕方がないわね」
異世界担当課は出張が多くて、いろいろな方言が混ざるのだそうだ。俺の場合は旅をしながら言葉を覚えたせいだけど。
研修は嫌いじゃないけど、毎日こんな感じだと疲れるせいか、遅く部屋に帰っては泥のように眠る日々が続いた。
初日に部屋に来てから、ルーシェンは一度も部屋に来ていない。忙しいのか、まだ怒っているのか、俺の事を嫌いになったのか分からないけど、さみしいのは事実だった。
遠くからでも会えないかと思っても、王子の細かいスケジュールは一般人には伝えられないらしい。
隣の部屋のアークさんに探りを入れようと思ったけど、アークさんも忙しそうで部屋は留守がちだった。
「お疲れのようですね。研修大変ですか?」
昼の休憩時間に机でぐったりしていると、如月が声をかけてきた。
『大変だけど、楽しいです』
そうなんだ。研修自体は嫌いじゃない。新しい事が覚えられるし、怒られるのも慣れてきた。今は初歩的な研修を受けているけれど、そのうち飛竜のトレーナー研修とか受けてみたい。資格を取れば飛竜に乗って空を飛ぶ事もできるはずだ。
「岬さんの研修の様子、知り合いの講師から報告受けてますよ。頑張っているそうですね」
『頑張ってます』
もう無効になったかもしれないけど、もしルーシェンの両親に会うのなら、食事のマナーくらい学んでおきたい。今のところ歩き方と立ち方しか学んでないけど。
しかも一般の兵士は、王族と目を合わせてはいけないらしい。非常事態じゃない限り話しかけるのも禁止。
見習いを終えて次の段階にならないと、王族との食事のマナーは教えて貰えないのだろうか。
「頑張っている岬さんに朗報です」
「え?」
「明日の夜、王族主催の立食パーティーがあるんですが、私の補佐として一緒に参加しますか?多分、王子もいらっしゃいますよ」
立食パーティー?ルーシェンに会える?
『参加します!如月、ありがとう!大好きです』
食事のマナーは実践で学ぼう。嬉しくて如月に飛びつくと、梅子さんが
「岬ちゃん、浮気はダメよ」と笑った。
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