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研修生活スタート
16 俺は乙女か
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昨日の続きは丁重にお断りしたけど、それでも隣室に声が聞こえないように必死に我慢する程度の事はされて、朝から疲れた。精神的に。
「そう怒るな」
『怒ってません』
背中を向けて仕事用の服に着がえる。この服も、ルーシェンが今袖を通しているシャツも、全部フィオネさんが用意してくれていた。
しかも、お召し替えのお手伝いがどうのと言われていたから、普段から着替えを手伝ってもらっているらしい。子供か。
「では何をそんなに拗ねている」
『……』
そんなに拗ねているように見えるかな。
『着替えは一人でしてください』
「着せ替えは侍女達の趣味みたいなものだ。断ると後が面倒だ」
なるほど、趣味なら仕方がない……のかな。でも可愛い女の子達に着せ替えされるルーシェンを想像するとちょっと腹立たしい。昨日のパーティーでも王子は大人気だったし、美男美女にベタベタされていた。やっぱり怒ってるんだろうか。
『ルーシェンが王子じゃなくて、普通の人だったら良かったです。顔も私みたいに平凡な顔で』
言ってから、これはもしかして王子のアイデンティティを全否定する言葉だったんじゃないかと焦る。
「王子じゃなければ良かったと言われたのは初めてだ」
ルーシェンはくすりと笑って、俺の髪を撫でた。
「シュウヘイの顔は平凡じゃない。異国風の印象的な顔立ちだし、怒った顔も笑った顔も可愛い。俺が王子だと分かってからも、変わらない態度で接してくれる。そんな存在はシュウヘイしかいない」
『そ、そうですか?』
やばい。顔がにやける。可愛いって言われて嬉しいって、俺は乙女か。自分でも気持ち悪いけど止められない。平凡な男を乙女にさせる王子すごすぎる。
***
遅い朝食をまったりととった後、ルーシェンは公務に戻るというので、俺も職場に顔を出すことにした。
ちなみに朝食も侍女達がずらりと見守っていたので、正直食べた気がしなかった。
今度から連れて来るなと釘をさしておこう。昨日ベタベタに汚したベッドのシーツとか風呂も完璧に掃除されていて、掃除してくれるのは嬉しいんだけど、正直もう勘弁して欲しい。恥ずかしいから自分で掃除した方がよほどマシだ。
それに何より侍女達の視線が痛い。
フィオネさんは無表情だけど、他の女の子達はあからさまに考えている事が表情に出ている。多分、俺は王子様の相手としてあまり相応しく思われてないんだろう。王子様と付き合うのは思っていたより庶民にはきつそうだ。それでもルーシェンは優しいし、俺が自分から会いたいと望んだんだから仕方ないよな。いろいろ考えると煮詰まってくるから、考えないようにしよう。
ルーシェンと侍女達を見送って(部屋の外にアークさんが待機していてさらにびっくりした)自分も職場に向かった。
ベランダにいる鳥たちに餌をやっていると、携帯電話のメールの着信音が鳴った。
異世界担当課のベランダは日本との境界が薄いらしく、携帯電話が繋がりやすい。
メールは姉ちゃんからで、急に家族に会いたくなった。
「そう怒るな」
『怒ってません』
背中を向けて仕事用の服に着がえる。この服も、ルーシェンが今袖を通しているシャツも、全部フィオネさんが用意してくれていた。
しかも、お召し替えのお手伝いがどうのと言われていたから、普段から着替えを手伝ってもらっているらしい。子供か。
「では何をそんなに拗ねている」
『……』
そんなに拗ねているように見えるかな。
『着替えは一人でしてください』
「着せ替えは侍女達の趣味みたいなものだ。断ると後が面倒だ」
なるほど、趣味なら仕方がない……のかな。でも可愛い女の子達に着せ替えされるルーシェンを想像するとちょっと腹立たしい。昨日のパーティーでも王子は大人気だったし、美男美女にベタベタされていた。やっぱり怒ってるんだろうか。
『ルーシェンが王子じゃなくて、普通の人だったら良かったです。顔も私みたいに平凡な顔で』
言ってから、これはもしかして王子のアイデンティティを全否定する言葉だったんじゃないかと焦る。
「王子じゃなければ良かったと言われたのは初めてだ」
ルーシェンはくすりと笑って、俺の髪を撫でた。
「シュウヘイの顔は平凡じゃない。異国風の印象的な顔立ちだし、怒った顔も笑った顔も可愛い。俺が王子だと分かってからも、変わらない態度で接してくれる。そんな存在はシュウヘイしかいない」
『そ、そうですか?』
やばい。顔がにやける。可愛いって言われて嬉しいって、俺は乙女か。自分でも気持ち悪いけど止められない。平凡な男を乙女にさせる王子すごすぎる。
***
遅い朝食をまったりととった後、ルーシェンは公務に戻るというので、俺も職場に顔を出すことにした。
ちなみに朝食も侍女達がずらりと見守っていたので、正直食べた気がしなかった。
今度から連れて来るなと釘をさしておこう。昨日ベタベタに汚したベッドのシーツとか風呂も完璧に掃除されていて、掃除してくれるのは嬉しいんだけど、正直もう勘弁して欲しい。恥ずかしいから自分で掃除した方がよほどマシだ。
それに何より侍女達の視線が痛い。
フィオネさんは無表情だけど、他の女の子達はあからさまに考えている事が表情に出ている。多分、俺は王子様の相手としてあまり相応しく思われてないんだろう。王子様と付き合うのは思っていたより庶民にはきつそうだ。それでもルーシェンは優しいし、俺が自分から会いたいと望んだんだから仕方ないよな。いろいろ考えると煮詰まってくるから、考えないようにしよう。
ルーシェンと侍女達を見送って(部屋の外にアークさんが待機していてさらにびっくりした)自分も職場に向かった。
ベランダにいる鳥たちに餌をやっていると、携帯電話のメールの着信音が鳴った。
異世界担当課のベランダは日本との境界が薄いらしく、携帯電話が繋がりやすい。
メールは姉ちゃんからで、急に家族に会いたくなった。
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