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認定式
1 早く一人前になりたい
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異世界に来て三ヶ月ほど過ぎた。
日常会話に困らなくなった俺は翻訳機を如月に返し、会話もそこそこ上達していた。
見習いの受ける十二種類の必須研修をクリアしたので、少しだけラキ王国の兵士らしくなった気がする。
一人前になる認定式まであと合格一つだ。だが、最後の一つが俺には難関だった。ラキ王国の簡単な歴史の試験なんだけど、まず教科書の文字が読めない。辞書を引いて単語を丸暗記する所から始めた。
パーティーの日の夜から、ルーシェンが三日に一回くらいのペースで訪ねて来てくれるので、最近は歴史の勉強を手伝ってもらっている。
如月が贅沢すぎる家庭教師だと嘆いていたけど、ルーシェンも楽しそうだし気にしていない。
侍女達を大勢連れてくる事はなくなったけど、フィオネさんはたまに来ている。
俺も彼女の存在に慣れてきて、無表情だと思っていた表情の細かい変化も読み取れるようになっていた。
ある朝、ルーシェンより早起きした俺は早くから来ていたフィオネさんと一緒に掃除をしながら、いつも掃除をしてくれる事にお礼を言うと、突然改まって深々と頭を下げられてびっくりした。
『どうしたんですか?』
「岬殿のおかげで、王子は以前よりずっとよく眠れているようです。顔色も良くなり幸せそうにしていらっしゃいます。岬殿には本当に感謝いたしております」
『そんな改まって言われると……』
「それでは私は食事の準備にとりかかります」
クールだな。
この人に育てられたからルーシェンはいつも落ち着いているのだろうか。
フィオネさんが王子用に準備された朝食をいつでも食べられるようにセットしていく間、俺もこっちの世界のお茶を二つ用意して寝室に運んだ。
『ルーシェン、おはようございます。朝ですよ』
ルーシェンはいつも俺より早く起きて着替えているんだけど、今日は違った。起きてはいるけどベッドの中で気怠そうな雰囲気だ。昨日の事を思い出してニヤニヤしてしまう。
「シュウヘイ、どこに行っていた」
『フィオネさんと掃除してました』
「……王子の俺より掃除が優先か」
『子供ですか?早く起きてください。着替えでも手伝いましょうか?』
「侍女よりいいな」
『冗談です。忙しいので早く起きてください』
ブツブツ言っているルーシェンを横目に自分用のお茶を飲んで、仕事道具と歴史の本と勉強ノートを鞄に詰めていく。
フィオネさんにも皆にも怒られそうだけど、二人でいる時はルーシェンを全然王子扱いしていない。
異世界に戻って来てからは立場の違いに気後れしていたけど、二人で試験勉強していると魔法村で過ごした頃を思い出して楽しい。
「シュウヘイ」
『何ですか?』
「あと合格を一つ取れば、見習いは終了だな」
着替え終わったルーシェンが、俺の髪をくしゃっと撫でてきた。
『頑張ります。一人前になれたらずっと王宮で働けますよね』
「そうだな」
飛竜の飛行訓練の事が頭をよぎった。一人前になれないと研修も受けられない。
早く一人前になって、飛竜に乗れるようになって、二人で飛竜で遠出とか出来たら楽しそうだ。
妄想していると、フィオネさんが朝食を寝室に運ぼうか扉の外から声をかけてきた。
『ありがとうございます。そっちに行くからいいです……んっ』
返事の途中、いきなり壁に押し付けられてルーシェンに唇を塞がれた。
短い時間の間に服の下に手を入れられて、きゅっと乳首を摘ままれる。舌を激しく吸われて、身体中にびりびりと快感が走った。
『……んっ、はあっ。な、にするんですか』
こっちは息を切らしているのに、ルーシェンは澄ました顔で笑う。
「シュウヘイ、愛している」
こういうの、反則だ。
顔に熱が集まる。今からフィオネさんに会ってその後仕事しなきゃいけないのに。最近勉強ばかりで前ほどイチャイチャしていないから、お互いに欲求不満なのかも。
「返事は?」
『ご飯食べますよ!』
早く試験に合格して一人前になりたい。そして出来れば、これからもずっとルーシェンのそばにいたい、そんな事を願ってしまった。
異世界に来て三ヶ月ほど過ぎた。
日常会話に困らなくなった俺は翻訳機を如月に返し、会話もそこそこ上達していた。
見習いの受ける十二種類の必須研修をクリアしたので、少しだけラキ王国の兵士らしくなった気がする。
一人前になる認定式まであと合格一つだ。だが、最後の一つが俺には難関だった。ラキ王国の簡単な歴史の試験なんだけど、まず教科書の文字が読めない。辞書を引いて単語を丸暗記する所から始めた。
パーティーの日の夜から、ルーシェンが三日に一回くらいのペースで訪ねて来てくれるので、最近は歴史の勉強を手伝ってもらっている。
如月が贅沢すぎる家庭教師だと嘆いていたけど、ルーシェンも楽しそうだし気にしていない。
侍女達を大勢連れてくる事はなくなったけど、フィオネさんはたまに来ている。
俺も彼女の存在に慣れてきて、無表情だと思っていた表情の細かい変化も読み取れるようになっていた。
ある朝、ルーシェンより早起きした俺は早くから来ていたフィオネさんと一緒に掃除をしながら、いつも掃除をしてくれる事にお礼を言うと、突然改まって深々と頭を下げられてびっくりした。
『どうしたんですか?』
「岬殿のおかげで、王子は以前よりずっとよく眠れているようです。顔色も良くなり幸せそうにしていらっしゃいます。岬殿には本当に感謝いたしております」
『そんな改まって言われると……』
「それでは私は食事の準備にとりかかります」
クールだな。
この人に育てられたからルーシェンはいつも落ち着いているのだろうか。
フィオネさんが王子用に準備された朝食をいつでも食べられるようにセットしていく間、俺もこっちの世界のお茶を二つ用意して寝室に運んだ。
『ルーシェン、おはようございます。朝ですよ』
ルーシェンはいつも俺より早く起きて着替えているんだけど、今日は違った。起きてはいるけどベッドの中で気怠そうな雰囲気だ。昨日の事を思い出してニヤニヤしてしまう。
「シュウヘイ、どこに行っていた」
『フィオネさんと掃除してました』
「……王子の俺より掃除が優先か」
『子供ですか?早く起きてください。着替えでも手伝いましょうか?』
「侍女よりいいな」
『冗談です。忙しいので早く起きてください』
ブツブツ言っているルーシェンを横目に自分用のお茶を飲んで、仕事道具と歴史の本と勉強ノートを鞄に詰めていく。
フィオネさんにも皆にも怒られそうだけど、二人でいる時はルーシェンを全然王子扱いしていない。
異世界に戻って来てからは立場の違いに気後れしていたけど、二人で試験勉強していると魔法村で過ごした頃を思い出して楽しい。
「シュウヘイ」
『何ですか?』
「あと合格を一つ取れば、見習いは終了だな」
着替え終わったルーシェンが、俺の髪をくしゃっと撫でてきた。
『頑張ります。一人前になれたらずっと王宮で働けますよね』
「そうだな」
飛竜の飛行訓練の事が頭をよぎった。一人前になれないと研修も受けられない。
早く一人前になって、飛竜に乗れるようになって、二人で飛竜で遠出とか出来たら楽しそうだ。
妄想していると、フィオネさんが朝食を寝室に運ぼうか扉の外から声をかけてきた。
『ありがとうございます。そっちに行くからいいです……んっ』
返事の途中、いきなり壁に押し付けられてルーシェンに唇を塞がれた。
短い時間の間に服の下に手を入れられて、きゅっと乳首を摘ままれる。舌を激しく吸われて、身体中にびりびりと快感が走った。
『……んっ、はあっ。な、にするんですか』
こっちは息を切らしているのに、ルーシェンは澄ました顔で笑う。
「シュウヘイ、愛している」
こういうの、反則だ。
顔に熱が集まる。今からフィオネさんに会ってその後仕事しなきゃいけないのに。最近勉強ばかりで前ほどイチャイチャしていないから、お互いに欲求不満なのかも。
「返事は?」
『ご飯食べますよ!』
早く試験に合格して一人前になりたい。そして出来れば、これからもずっとルーシェンのそばにいたい、そんな事を願ってしまった。
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