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波乱含みの婚約式
5 危機的状況②
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奴隷制度……ってラキ王国では何十年も前に廃止になったんじゃないのか!?ルーシェンと一緒に勉強した歴史の資料にそう書いてあったのに。
でも確かグリモフは禁止されてる人身売買を、盗賊を利用して行ってた。だから、水面下ではこういう事が行われているって事か。
それともここはラキ王国じゃないんだろうか。
薬とも言ってたけど、何かやばい薬が使われているから、この人たちはおかしくなっているんだろう。
口がきけたらいろいろ聞きたいのに、猿轡のせいで何も話せない。答えてくれるかも分からないけど。
「ほら、入れよ」
牢屋の鍵が開けられて、中に突き飛ばされる。
男の一人が俺を押さえつけ、もう一人が奇声を上げている奴隷達の枷を外しにかかる。
奴隷が六人いたら二人の男くらい団結して倒せないだろうか。わずかにそんな希望を持ったけど、枷を外された奴隷は俺に飛びかかってきた。
押さえつけていた男が離れたので、逃げようと立ち上がろうとした。だけどロープを掴まれて倒される。そのまま部屋の奥へと引きずられた。
男二人がゲラゲラ笑っているのが聞こえてきた。目の血走った男が俺にのしかかってきて、乱暴に足の間に割って入ると着ていたガウンをビリビリと破られた。
一瞬盗賊に襲われそうになった時の事が頭をよぎる。でも、あの時とは違う。相手が正気じゃない。多分口枷が無くても話が通じない。
「ンーーッ!!」
何とか抵抗しようと足をばたつかせたら顔を殴られた。奴隷は枷を嵌められていただけあって、力はほとんど入らなかったのか、痛みは少なく、脳にダメージはなさそうだけど鼻の奥に血が流れたのが分かった。引きずられた体も痛い。薬を使われる前に助けが来る事を願って、出来れば正気でいたいけど無理かもしれない。痛みと恐怖が強くて、意識を失う事も難しそうだ。
突然別の奴隷が、馬乗りになっていた奴隷に掴みかかって投げ飛ばす。
「俺によこせ……!」
かろうじて聞き取れたのはそれだけで、後はひどい罵声と奇声が続く。
二人が殴り合いをしているうちに、別の男がのしかかってきて、さらにそいつも別の奴隷に蹴り飛ばされる。
「うぐっ……!ぐうっ……」
殴り合いの喧嘩のとばっちりで、肩と足に痛みが走る。何がなんだか分からない。誰かに足を引っ張られうつぶせにされた。急所がさらされていないだけで少し安堵する。
でも、俺にはもう一カ所急所があった。
「ンンーーッ!」
いきなり白い下着をずり下ろされそうになる。後ろの急所を狙う複数の手から何とか逃げようと力をふりしぼって這うと、奴隷の一人がお尻に爪を立ててきた。
それでも逃げると、さっきまでいた場所にボタボタと白いモノが降り注いだ。特有の匂いが牢屋に充満する。奴隷の一人が俺にかけようと狙って出したらしい。みそぎしたばかりなのに!
「汚ねーな」
「せいぜい楽しめよ」
男二人が笑いながら牢屋を出て行く。絶望的な気分でそれを見ていると、廊下の端の扉が開く音がした。
「止めないか!」
太い声と共に杖の音が響く。
一瞬奴隷達の動きが止まる。誰か助けに来てくれたのか!?
期待して首を向けると、全く見たことのない中年の男が立っていた。
魔法使いらしく長い杖を持っている。上着の色は緑、国王軍に所属しているんだろう。白髪交じりの金髪の男は背が高く、ついでにお腹も少し出ていた。
中年の魔法使いは、俺をここに運んで来た男二人をいきなり杖で殴りつけた。二人は殴られても頭を下げて抵抗しようとしない。
中年男はそのまま牢屋に入ってくると、奴隷達も杖で次々と殴りつけていく。奴隷達は悲鳴を上げて部屋の隅に逃げた。中年男の杖の先から鋭い光がほとばしり、壁際にいた奴隷達に命中する。
「ギャアッ!!」
奴隷達が絶叫して床に倒れた。ぴくぴくと痙攣している。
酷い……。
襲われそうになってはいたけど、無抵抗の奴隷にそこまでする事はないんじゃないか。こいつらだって、薬のせいでこうなっているんだろうし。
中年男は倒れた奴隷達を一瞥すると、俺の元にやって来た。
「怖がらせて悪かったね」
そう言うと杖で、俺の体を肩から足のあたりまでついっと撫でる。奴隷に触られた時よりゾッとした。
「見る目のない者ばかりで残念だよ。君のような逸材を、奴隷達の慰み者にしてしまうとはね」
それから杖で顎を持ち上げられる。
「壊される前で良かった。私の元においで。私専属の奴隷にしてあげよう」
助かった訳じゃなかった。
こいつは多分ファンクラブの男達の上司、または黒幕。そしてかなり、やばい奴だ。
でも確かグリモフは禁止されてる人身売買を、盗賊を利用して行ってた。だから、水面下ではこういう事が行われているって事か。
それともここはラキ王国じゃないんだろうか。
薬とも言ってたけど、何かやばい薬が使われているから、この人たちはおかしくなっているんだろう。
口がきけたらいろいろ聞きたいのに、猿轡のせいで何も話せない。答えてくれるかも分からないけど。
「ほら、入れよ」
牢屋の鍵が開けられて、中に突き飛ばされる。
男の一人が俺を押さえつけ、もう一人が奇声を上げている奴隷達の枷を外しにかかる。
奴隷が六人いたら二人の男くらい団結して倒せないだろうか。わずかにそんな希望を持ったけど、枷を外された奴隷は俺に飛びかかってきた。
押さえつけていた男が離れたので、逃げようと立ち上がろうとした。だけどロープを掴まれて倒される。そのまま部屋の奥へと引きずられた。
男二人がゲラゲラ笑っているのが聞こえてきた。目の血走った男が俺にのしかかってきて、乱暴に足の間に割って入ると着ていたガウンをビリビリと破られた。
一瞬盗賊に襲われそうになった時の事が頭をよぎる。でも、あの時とは違う。相手が正気じゃない。多分口枷が無くても話が通じない。
「ンーーッ!!」
何とか抵抗しようと足をばたつかせたら顔を殴られた。奴隷は枷を嵌められていただけあって、力はほとんど入らなかったのか、痛みは少なく、脳にダメージはなさそうだけど鼻の奥に血が流れたのが分かった。引きずられた体も痛い。薬を使われる前に助けが来る事を願って、出来れば正気でいたいけど無理かもしれない。痛みと恐怖が強くて、意識を失う事も難しそうだ。
突然別の奴隷が、馬乗りになっていた奴隷に掴みかかって投げ飛ばす。
「俺によこせ……!」
かろうじて聞き取れたのはそれだけで、後はひどい罵声と奇声が続く。
二人が殴り合いをしているうちに、別の男がのしかかってきて、さらにそいつも別の奴隷に蹴り飛ばされる。
「うぐっ……!ぐうっ……」
殴り合いの喧嘩のとばっちりで、肩と足に痛みが走る。何がなんだか分からない。誰かに足を引っ張られうつぶせにされた。急所がさらされていないだけで少し安堵する。
でも、俺にはもう一カ所急所があった。
「ンンーーッ!」
いきなり白い下着をずり下ろされそうになる。後ろの急所を狙う複数の手から何とか逃げようと力をふりしぼって這うと、奴隷の一人がお尻に爪を立ててきた。
それでも逃げると、さっきまでいた場所にボタボタと白いモノが降り注いだ。特有の匂いが牢屋に充満する。奴隷の一人が俺にかけようと狙って出したらしい。みそぎしたばかりなのに!
「汚ねーな」
「せいぜい楽しめよ」
男二人が笑いながら牢屋を出て行く。絶望的な気分でそれを見ていると、廊下の端の扉が開く音がした。
「止めないか!」
太い声と共に杖の音が響く。
一瞬奴隷達の動きが止まる。誰か助けに来てくれたのか!?
期待して首を向けると、全く見たことのない中年の男が立っていた。
魔法使いらしく長い杖を持っている。上着の色は緑、国王軍に所属しているんだろう。白髪交じりの金髪の男は背が高く、ついでにお腹も少し出ていた。
中年の魔法使いは、俺をここに運んで来た男二人をいきなり杖で殴りつけた。二人は殴られても頭を下げて抵抗しようとしない。
中年男はそのまま牢屋に入ってくると、奴隷達も杖で次々と殴りつけていく。奴隷達は悲鳴を上げて部屋の隅に逃げた。中年男の杖の先から鋭い光がほとばしり、壁際にいた奴隷達に命中する。
「ギャアッ!!」
奴隷達が絶叫して床に倒れた。ぴくぴくと痙攣している。
酷い……。
襲われそうになってはいたけど、無抵抗の奴隷にそこまでする事はないんじゃないか。こいつらだって、薬のせいでこうなっているんだろうし。
中年男は倒れた奴隷達を一瞥すると、俺の元にやって来た。
「怖がらせて悪かったね」
そう言うと杖で、俺の体を肩から足のあたりまでついっと撫でる。奴隷に触られた時よりゾッとした。
「見る目のない者ばかりで残念だよ。君のような逸材を、奴隷達の慰み者にしてしまうとはね」
それから杖で顎を持ち上げられる。
「壊される前で良かった。私の元においで。私専属の奴隷にしてあげよう」
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