好きになったのは異世界の王子様でした(ルーシェン編)

カム

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おまけ(ロベルトさんの話)

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 婚約式の会場では厳かに式が進行していた。
 王子が魔法にかけられているなど、この式場にいる誰が予測できるだろうか。出来たとしてもこの状況を変えるのは難しい。異世界の青年が無事な事を王子になんとか知らせる事が出来れば……ロベルトがそう思った時、後ろにいたはずの異世界の青年が真横を走り抜けた。
 彼はそのまま魔法使いの青年の前に走り出ると、唖然とした表情の魔法使いを殴り飛ばした。

***

「飛行部隊隊長が聞いて呆れますわね」

 王子の侍女頭をしているフィオネ殿の苦言を受け、全くその通りだと苦々しい気持ちにはなったが、ともかく魔法使いによるクーデターは終わった。
 王都の上空に巻き上げられた魔法使いの姿を見た国賓達の、王太子妃に対する印象は一変した。
 それはロベルトも同じだ。もちろん無表情ロベルトと呼ばれるだけあって、表情には出さなかったが。

 クーデターは終わったが、やるべき事はいくらでもあった。王太子妃が捕らわれていた屋敷の捜索や、魔法使いの身柄の確保など。これから行われるパーティーやパレードは第三部隊に任せ、ロベルトは自分の任務へと戻った。

 夕闇が王都にせまる頃、ロベルトは飛竜の上からパレードの様子を見守っていた。
 異世界担当課が作ったという色とりどりの火花の魔法が空を彩る。角竜に乗ってそれを眺める、仲むつまじい王子と王太子妃の姿がロベルトにも見えた。

 ロベルトはずっと、王子のために生き、命を落とす時は王子の為に、そう思っていたが、それは違うのかもしれない。
 飛行部隊のマントを異世界の青年に渡したとき、ロベルトはそんな予感に襲われた。それは魔法使いの勘のようなもの。
 だが、それでいい。
 彼を救うことが王子の為になるのなら。そしてそれが優秀な部下の務めなのだから。



ロベルトさんの話おわり

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